中・高木 庭木

ライラック

学名…Syringa vulgaris
和名…ムラサキハシドイ(紫丁香花)
別名…リラ、ハナハシドイ
科名…モクセイ科
属名…ハシドイ属
原産国…ヨーロッパ
花色…紫、ピンク、白
樹高…1.5m~6m
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:3 to 7

ライラックとは

ライラックの育て方

ライラックは、ヨーロッパ原産のモクセイ科ハシドイ属の落葉性小高木です。
原産地は、ヨーロッパ南東部のブルガリア、アルバニア、旧ユーゴスラビア、ギリシャ、ルーマニアにあり、森林地帯、岩の多い丘陵、荒れ地などに自生しています。
美しい花と芳香を持つことから、欧米では高い人気を誇る花木の一つで、現在では栽培逸出したものがヨーロッパの他、北米などで広く帰化しています。

日本には明治23年に渡来しています。
高い耐寒性がありますが暑さは苦手な性質で、暖地・温暖地では上手く育ちません。
冷涼な地域に適した花木です。

ライラックの花期は4月~5月。
花期になると、枝先の葉腋から花序を出し、花径5~8mmの花を多数咲かせます。
花序は長さ8~18㎝の円錐形で、花序には花が密に付きます。
花は基部が筒状になっており、花冠は4裂して平らに開きます。

▼ライラックの花序の様子

ライラックの花序

▼ライラックの花の様子

ライラックの花

基本種の花色は薄紫色~薄青紫色(稀に白)ですが、園芸品種には紫色やピンク色の花を咲かせる品種もあります。

▼様々な花色のライラック

ライラック

葉は対生し、長さ4~12㎝、幅3~8㎝の先の尖った楕円形~心形です。
※稀に3枚が輪生することがあります。

▼ライラックの葉の様子

ライラックの葉の様子

幹の基部、または根からシュートを伸ばし、小さな茂みのように成長することがあります。
樹高6m程度まで成長します。

▼大きく育ったライラックの木

大きく育ったライラック

高温多湿の環境が苦手な性質です。
暖地・温暖地ではあまり上手く育たず、枯れることも多々あります。
冷涼な地域では、たくさんの花を咲かせ、芳香を漂わせます。

※USDA Hardiness zone 9a の環境で育てていますが、一向に大きくなりません。
zone7以下の環境が推奨されています。
ご自宅のzoneについては「植物の耐寒性について」を参照下さい。

ライラックの育て方

ライラックの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
半日陰でも育てることが出来ますが、花付きは日照時間に比例します。
大きく育つので鉢植え向きの植物ではありません。
ここでは庭植えでの育て方を紹介しています。

※温かい地方で育てる場合は、風通しの良い半日陰の環境で育てて下さい。

水やり

根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。

肥料

落葉期の1月~2月の寒肥、花後のお礼肥として、骨粉や油かすなどを株の周辺に埋め込みます。

植え付け

適期は落葉期の12月~3月です。
ライラックは弱酸性~弱アルカリ性で水はけの良い、肥沃な土壌を好みます。

根鉢の2~3倍程度の植え穴を掘り、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませて下さい。
必要であれば支柱を立てます。

花序がら摘み

ライラックは通常隔年で多くの花を咲かせます。
花序の花が終わったら、種ができる前に花序を切り取るようにすると、翌年も多くの花が付くようになります。

剪定

剪定の適期は落葉期の12月~2月です。
ライラックは萌芽力が弱いので、通常はあまり剪定を行いません。
剪定をする場合は、不要な枝や枯れ枝を切り取る程度にとどめて下さい。

株元、または株の周辺からシュートが出てきて茂み状になることがあります。
開花が始まってから3年以上が経過している場合、必要がないシュートは切り取って広がるのを防ぎます。
※接ぎ木された苗の場合は、台木から伸びたシュートはすぐに取り除きます。

増やし方(とり木)

とり木で増やすことが出来ます。

とり木

枝の部分を3~4㎝の幅に環状剥皮して、湿らせた水ごけを巻き、乾かないようにビニールなどで覆います。
発根したら、切り離して植え付けて下さい。

病気・害虫

病気の発生はほとんどありませんが、カイガラムシが発生することがあります。

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