和名…ギョリュウバイ(檉柳梅)
別名…レプトスペルマム、ティーツリー
科名…フトモモ科
属名…レプトスペルマム属(ギョリュウバイ属)
原産国…オーストラリア南東部、ニュージーランド
花色…ピンク、赤、白
樹高…30~300㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:9 to 10
ギョリュウバイとは
ギョリュウバイは、オーストラリア、ニュージーランドに分布するフトモモ科ギョリュウバイ属(レプトスペルマム属)の常緑性低木です。
オーストラリア、ニュージーランドに広く分布していますが、オーストラリアでは南東部のニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア州、ニュージーランドでは東海岸に多く見られる花木です。
ギョリュウバイの花期は11月~6月。
※晩秋から早春に咲く品種(花期11月~2月)と、春咲き品種(花期3月~5月)があります。
花期になると、枝の上部の葉の付け根、または枝先に、花径1~2㎝程度の花を咲かせます。
花は丸い5枚の花弁を持ち、中央には緑色~暗赤色の大きな花盤(咢の付け根部分が大きく突出したもの)があり、多数の雄しべがあります。
▼ギョリュウバイの基本種の花
基本種の花色は白色で、稀にピンクや赤色の花を付ける種があります。
園芸品種では一重咲きの他、八重咲きの品種が多く流通しており、花色も白、赤、ピンク、赤紫と多彩です。
▼八重咲きの赤花品種
ギョリュウバイはニュージーランドではマオリ語でマヌカ(Manuka)と呼ばれ、葉をお茶として利用する他、蜂蜜はマヌカハニーと呼ばれ世界に広く知られています。
花後には丸く硬い果実が実ります。
※八重咲き品種は結実しないことが多いです。
▼ギョリュウバイの果実
葉は長さ7~20㎜の細い披針形、または先の尖った卵形で、互生します。
枝は分枝しながら密に茂り、樹高2m程度に成長します。
ギュリウバイの名前は、ギョリュウのように小さな葉を持ち、梅に似た花を咲かせることに由来しています。
矮性の他、樹高30㎝程度の極矮性品種もあります。
耐寒温度は-5℃程度で、寒さに強い性質ではありませんが、暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
オーストラリア原産の樹木の中では育てやすい花木で、病害虫の発生もほとんどありません。
よく枝を伸ばして密に茂るので、毎年の剪定作業は必須になりますが、花の少ない時期に咲く花は美しく、高い観賞価値があります。
ギョリュウバイの主な品種
ギョリュウバイは美しい花を咲かせることから世界で広く栽培されている花木です。
数多くの品種がありますが、日本では品種名で流通することはあまりありません。
一重咲き品種
あっさりとした一重咲きで、白、赤、淡いピンク~濃いピンクなどの花色があります。
主な品種に矮性でピンク花の「キウイ 'Kiwi'」、極矮性で赤花の「ニコルシー・ナナム 'Nichollsii Nanum'」、銀葉で白花の「シルバー・シーン 'Silver Sheen'」などがあります。
八重咲き品種
重なった花弁が華やかで、一重咲き同様、様々な花色が揃います。
代表品種に赤花の「レッド・ダマスク 'Red Damask'」などがあります。
ギョリュウバイの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
夏の暑さと強い乾燥がやや苦手な性質です。
夏場に強い西日が当たらないような場所だと最適です。
酸性土壌を好みます。
アルカリ性土壌ではうまく育たないので注意して下さい。
※日本の土壌の多くは酸性です。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-5℃程度です。
南関東以南の地域であれば、戸外での冬越しが可能です。
その他の地域では鉢植えで育て、冬場は室内の日当たりの良い場所で管理して下さい。
夏越し
鉢植えの場合は、風通しの良い半日蔭の場所に移動して夏越しをさせて下さい。
水やり
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥、過湿ともにやや苦手な性質です。
水切れと共に水のやり過ぎにも注意して下さい。
肥料
それほど多くの肥料を必要とする性質ではありません。
庭植え、鉢植え共に、春と秋に少量の緩効性化成肥料を株元に施す程度で十分です。
庭植えの場合は、生育、花付きに問題がないようであれば、無理に肥料を施さなくても問題ありません。
植え付け、植え替え
植え付け
適期は春の3月~5月です。
耐寒性はあまり高くないので、早春に株を購入した場合は、温かくなってから植え付けて下さい。
庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や完熟たい肥を混ぜて土を作って下さい。
植え付けたらしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませて下さい。
鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
植え替え
根詰まりをすると生育に影響するので、鉢植えの場合は1~2年に一度、植え替えを行って下さい。
適期は花後すぐです。
根鉢はあまり崩さず、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。
剪定
ギュリウバイの花芽は9月以降に分化するので、大きな剪定は花後すぐに行います。
よく枝を伸ばし、密に茂ります。
基本の剪定はすかし剪定になります。
混み合った枝を間引き、内向枝(内側に向かって伸びる枝)や絡み枝などの不要な枝を切り落とします。
徒長して樹形を乱す枝は切り詰め、全体の樹形を整えて下さい。
樹高を抑えたい場合は、花後すぐに全体を切り詰めます。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は4月、9月です。
枝を10~15㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下部の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。