多年草・宿根草

マーガレット

  • 学名…Argyranthemum sp.
  • 別名…モクシュンギク(木春菊)
  • 科名…キク科
  • 属名…モクシュンギク属
  • 原産国…スペイン、ポルトガル
  • 花色…白、ピンク、赤、黄色
  • 樹高…30㎝~90㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:10 to 11

マーガレットとは

マーガレット

マーガレットは、マカロネシア原産のキク科モクシュンギクの多年草、または亜低木です。
モクシュンギク属には24種の植物が分類されていますが、全てがマカロネシア固有種で、北西アフリカ沖のカナリア諸島、マイデラ諸島、サヴェージ島のみに分布しています。

その中で主に栽培されているのは、モクシュクギク(Argyranthemum frutescens)を元に作出された園芸品種で、ハイブリッド品種も多数流通しています。
モクシュンギクは、カナリア諸島に分布する多年草、または亜低木で、白い花を咲かせます。
本来マーガレットの名前はモクシュンギクを指していましたが、現在ではモクシュンギク属の園芸品種の総称として用いられています。


マーガレットの花期は3月~6月。
※環境が合っていれば秋も咲きます。

花期になると、茎の上部の葉腋、または茎頂に頭花を付けます。

頭花(トウカ)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(カンジョウカ)と、周辺の舌状花(ゼツジョウカ)です。

▼マーガレットの頭花

マーガレットの頭花

管状花は先が5裂した筒状で、舌状花は筒状になった花弁の片側が舌状に大きく広がっています。

▼マーガレットの管状花と舌状花

マーガレットの管状花と舌状花

管状花は外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後で雌しべが伸びて成熟します。

▼マーガレットの管状花

マーガレットの管状花

花色は白、ピンク、赤、黄色。
一重咲きの他、八重咲き、丁字咲きなどの多様な品種が流通します。

▼様々なマーガレット

白いマーガレット
ピンク色のマーガレット
黄色いマーガレット
ピンク色のマーガレット

葉は互生します。
形状は羽状に深く裂けたもの、全縁のものなど、品種により異なります。

▼マーガレットの葉の様子

マーガレットの葉の様子

冬の寒さにやや弱く、夏場の高温多湿の環境が苦手な性質です。
関東地方以西の地域では庭植えで冬越しすることも可能ですが、強い霜に当たると株が弱ることがあるので注意が必要です。

マーガレットの原種

モクシュンギク(Argyranthemum frutescens)

マーガレットの原種 モクシュンギク
photo by:Jon Sullivan / CC BY 4.0

カナリア諸島に分布するマーガレットの原種です。
分布域は標高700mまでの沿岸地域にあり、多くは多肉植物などが育つ場所に自生しています。

舌状花は白で12~28個、管状花は黄色で多数。
草丈20~80㎝に成長します。

五つの亜種があり、数多くの園芸品種の交配親となっています。
日本には明治時代に渡来しています。

マーガレットの育て方

マーガレットの育て方

栽培環境・季節の管理

高温多湿の環境が苦手で、寒さにやや弱い性質です。
鉢植えで育てると季節の管理が比較的容易になります。

冬から春

冬から春にかけては日当たりの良い場所で育てます。
温暖地・暖地の場合は戸外でも冬越しが可能な場合があります。
寒風の当たらない日当たりの良い場所で、霜を避けて管理して下さい。

その他の地域では室内で管理します。
日当たりが悪いと花付きが悪くなるので、よく日の当たる場所で冬越しをさせて下さい。

初夏から夏

梅雨の時期になったら雨の避けられる、風通しの良い場所で育てます。
夏場は半日蔭から明るい日陰の場所で管理して下さい。

庭植えにする場合

庭植えの場合は、日当たりが良く、水はけの良い場所に植え付けます。
さらに夏場の西日が避けられるような場所だと、夏越しの成功率が上がります。
ただし、暖地・温暖地での庭植えでは、夏越しの難易度はかなり高めです。

冬場は強い霜に当たらないよう、霜よけを設置すると安心です。

水やり

秋から春にかけては、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場は乾燥気味に管理して下さい。

肥料

元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は春と秋に、緩効性肥料を置き肥して下さい。
開花中はさらに液体肥料を施します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は3月~5月です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土3・パーライト1などの水はけの良い土を使います。
冬から春にかけて売られている株は、根詰まりを起こしていることが多いので、一回り大きな鉢に植え付けます。
根詰まりしているようなら、根鉢を軽く崩して下さい。

庭植えの場合は、酸性土壌を嫌うので、苦土石灰で土壌を中和しておきます。
根鉢の2~3倍の植穴を掘り、用土に腐葉土と元肥となる化成肥料を混ぜ込んで植え付けます。

植え替え

適期は3月~5月、9月~10月です。

鉢植えの場合は、一年に一度、植え替えを行います。
根鉢を軽く崩し、新しい用土で一回り大きな鉢に植え替えます。

切り戻し

夏越しのために、花後に切り戻しを行います。
上部を枝を1/3程度切り、枝が混みすぎているようなら透かします。

増やし方

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月~6月です。
秋の9月中旬~10月にも行うことが出来ます。

枝先を5~10㎝の長さで切り取って、挿し穂にします。
水揚げをしてから、挿し木用土に挿して下さい。

明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

開花中にアブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。

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