一年草・二年草

ホウセンカ

育て方のポイント

ホウセンカの育て方早見表

ホウセンカは、夏に赤やピンク、紫、白などの花を咲かせる一年草です。 暑さに強く、種から育てやすいため、植物観察にも向いています。 移植を嫌うので、花壇や鉢への直まき、またはポット苗を根鉢を崩さず植え付けるのがポイントです。

分類
一年草
開花期
6月~9月
花色
赤、紫、白、ピンク、複色
草丈
30cm~60cm。花壇や鉢植えに使いやすい
日照
日なた。半日陰でも育つが、花付きは日なたの方がよい
適した場所
日当たりと水はけがよく、夏に乾燥しすぎない場所
水やり
乾燥に弱い。鉢植えは表土が乾いてきたら水やりをする
肥料
植え付け時に元肥。生育が悪い場合のみ追肥する
種まき
4月~5月。発芽温度は20℃~25℃
植え付け
移植を嫌うため、根鉢を崩さず植え付ける
夏越し
耐暑性は高いが、夏場の水切れに注意する
冬越し
一年草のため、秋に枯れた後は種を採取して翌春にまく
増やし方
種まき。こぼれ種でもよく発芽する
注意点
連作障害が出やすいため、前年と同じ場所への植え付けを避ける
病害虫
うどんこ病、センチュウに注意

育て方のコツ: ホウセンカは移植を嫌うため、花壇や鉢への直まきが向いています。 夏の乾燥には弱いので、特に鉢植えでは水切れに注意します。 連作障害が出やすいため、一度育てた場所には少なくとも1年以上あけてから植えます。

ホウセンカの基本情報

  • 学名…Impatiens balsamina L.
  • 和名…ホウセンカ(鳳仙花)
  • 科名…ツリフネソウ科
  • 属名…ツリフネソウ属
  • 原産国…東南アジア、インド
  • 花色…赤、紫、白、ピンク、複色
  • 草丈…30cm~60cm
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:2 to 11

ホウセンカとは

ホウセンカ

ホウセンカは、東南アジア、インドを中心に分布するツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草です。
分布域は、東南アジアからバングラデシュ、インドにあり、草原や道端、川辺などに自生しています。
美しい花を咲かせることから世界の広い地域で栽培されています。

日本には江戸時代に渡来し、観賞用の花として広く普及しました。
種からの栽培が容易なため、植物観察の対象としてよく栽培されます。
最近では庭に植えられている姿を見かける機会が少なくなりましたが、馴染み深い植物の一つとなっています。


ホウセンカの花期は6月~9月。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から、短い花柄を伸ばし、横向きに花を咲かせます。
花は直径2.5~5cm程度の大きさです。

▼ホウセンカの花

ホウセンカの花

花には3個の花弁があり、上側の花弁1個は丸みを帯びた軍配団扇形で、背面に突起があります。

▼ホウセンカの上側花弁

ホウセンカの花弁

側花弁2個はそれぞれ上下に2裂しており、上裂片は小さく、下裂片は大きな円形で、さらに浅く2裂しています。

▼ホウセンカの花弁の様子

ホウセンカの花弁

萼は2~3mm程度の小さな側萼片2個と、下部の大きな舟形の萼片、計3個があります。
下部の萼片からは距(きょ)が伸びています。

※距(きょ)…花弁や萼片の基部から突き出ている袋状の部分。
内部に蜜腺を持つものが多い。

距は長さ1~2.5cm。

▼ホウセンカの萼と距

ホウセンカの萼と距

ホウセンカの名前は、中国名の「鳳仙花」をそのまま音読みにしたものですが、この花姿に由来しています。
ひらひらと波打つような花弁を、鳳凰が羽ばたく様子に見立てています。

花色は赤、紫、白、ピンク、複色。
一重咲きの他、八重咲き、さらに花弁の多い椿咲きなどの品種が流通しています。

▼紫色の花を咲かせるホウセンカ

紫色の花を咲かせるホウセンカ

果実は長さ1~2cmの紡錘形の蒴果(さくか)。

※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。

▼ホウセンカの果実

ホウセンカの果実

果実は熟すと勢いよく裂け、中の種子を弾き飛ばします。
種子は直径1.5~3mmの球形です。


葉は互生し、長さ4~12cm、幅1.5~3cmの披針形で、縁に鋸歯があります。

▼ホウセンカの株の様子

ホウセンカの葉の様子

茎は直立し、花を咲かせながら草丈30~60cmに成長します。

▼椿咲きのホウセンカ

椿咲きのホウセンカ

耐暑性に優れ、育てやすい植物です。
こぼれ種でもよく発芽し、種から容易に育ちますが、やや病害虫に弱い性質です。

ホウセンカの近縁種

ホウセンカが属するツリフネソウ属は、世界に約1000種が分布する巨大な植物群です。
多くはアフリカ、アジアの熱帯・亜熱帯地域に分布しており、いくつかの種が観賞用として栽培されています。
観賞用として栽培されるのは本種の他、以下のようなものがあります。

ホウセンカの育て方

ホウセンカの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけが良い場所が適しています。
ある程度の耐陰性があるので、半日陰程度なら育ちます。

連作障害が出やすい植物なので、一度ホウセンカを植えた場所には少なくとも1年以上あけてから植えるようにしてください。

夏越し

耐暑性が高く、特に対策の必要はありません。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、乾燥が続くようなら水やりをしてください。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてきたらたっぷりと。
ホウセンカは乾燥に弱い植物です。
夏場の水切れには特に注意してください。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要は特にありませんが、生育が悪いようなら肥料を施してください。

鉢植えの場合は、6月頃に緩効性化成肥料を施してください。

ホウセンカの花が咲かない原因

ホウセンカの花が咲かない場合は、日照不足、水切れ、連作障害、センチュウによる根の被害などが原因として考えられます。
半日陰でも育ちますが、日照時間が短い場所では花付きが悪くなることがあります。

また、ホウセンカは乾燥に弱いため、夏に水切れすると生育が弱り、花数が少なくなることがあります。
特に鉢植えでは用土の乾きが早いため、朝夕に状態を確認します。

前年にホウセンカを育てた場所では、連作障害やセンチュウの被害が出やすくなります。
同じ場所への植え付けを避け、鉢植えでは新しい用土を使います。

用土、植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い土壌を作ります。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土か、赤玉土(小粒)7・腐葉土3の配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで使います。

移植を嫌う植物なので、ポット苗を植え付ける時は根鉢を崩さないように気を付けてください。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことができますが、こぼれ種でもよく発芽します。

ホウセンカの種を採取するときのコツ

ホウセンカの果実は、熟すとわずかな刺激でも勢いよくはじけます。
そのまま触ると種が周囲へ飛び散るため、お茶パックや小さな袋を使って採取します。

果実が黄色みを帯びて膨らんできたら、袋をかぶせておきます。
袋の中で果実を軽く触ってはじけさせるか、自然にはじけるのを待って種を集めます。

種まき

適期は4月~5月です。
発芽温度は20℃~25℃です。

移植を嫌うので、花壇や鉢に直まきするか、ポットに種をまきます。
こぼれ種でもよく発芽するので、直まきがおすすめです。
種が隠れる程度に薄く覆土します。
発芽までに5日~10日ほどかかります。
発芽後は、元気な苗を残して適当に間引いてください。
ポットに蒔いた場合は、本葉が2~3枚程度になったら根を傷つけないように注意して定植します。

こぼれ種を防ぐ場合

ホウセンカは、熟した果実から種を勢いよく飛ばします。
翌年に不要な場所から発芽するのを防ぎたい場合は、果実が熟す前に取り除きます。

種を採取する株だけ果実を残し、ほかの株は花後に果実を摘み取ると管理しやすくなります。

病気・害虫

うどん粉病

梅雨時期に発生しやすい病気です。
風通しの良い環境を保つことである程度は予防できます。
発生すると、葉や茎に白い粉をまぶしたような白いカビが生えます。
発生前に殺菌剤を散布しておくと効果的です。

センチュウ

根に寄生して植物の養分を吸い取ります。
根の状態を確認するのは難しいですが、生育環境に問題がないのに生育が悪いような時は、センチュウの寄生を疑います。
発生すると対処はなかなか難しい害虫です。
マリーゴールドと混植すると良いと言われています。
また、同じ場所に連作すると、特定のセンチュウが繁殖して被害を受けることがあるので、連作をしないようにします。

よくある質問

ホウセンカのよくある質問

ホウセンカを育てるときによくある疑問をまとめました。 種まき、種の採取、花が咲かない原因、こぼれ種、連作障害などを確認しておきましょう。

ホウセンカは多年草ですか?

ホウセンカは一年草です。 春に種をまき、夏から秋に花を咲かせた後、寒くなると枯れます。 翌年も育てたい場合は、花後にできる種を採取して春にまきます。

ホウセンカの種まき時期はいつですか?

種まきの適期は4月~5月です。 発芽温度は20℃~25℃なので、気温が十分に上がってからまきます。 移植を嫌うため、花壇や鉢への直まき、またはポットまきが向いています。

ホウセンカの種はなぜはじけるのですか?

ホウセンカの果実は、熟すと果皮が勢いよく巻き込むように裂け、種子を周囲へ飛ばします。 種を遠くへ散布するための仕組みです。 熟した果実に触れるだけでもはじけるため、植物観察にもよく利用されます。

ホウセンカの種はどうやって採取しますか?

果実は熟すとすぐにはじけるため、お茶パックや小さな袋をかぶせて採取します。 熟した果実を袋の中で軽く触ってはじけさせるか、熟す前から袋をかぶせて自然にはじけるのを待ちます。 採取した種は乾燥させ、冷暗所で保管します。

ホウセンカの花が咲かない原因は?

花が咲かない場合は、日照不足、水切れ、連作障害、センチュウによる根の被害などが原因になることがあります。 半日陰でも育ちますが、花を多く楽しみたい場合は日当たりのよい場所で育てます。 夏の乾燥にも注意し、前年にホウセンカを育てた場所は避けます。

ホウセンカはこぼれ種で増えますか?

ホウセンカはこぼれ種でもよく発芽します。 果実が熟すと種が周囲へ飛び散り、翌春に自然発芽することがあります。 増やしたくない場合は、果実が熟す前に花がらや果実を取り除きます。

ホウセンカは移植できますか?

ホウセンカは移植をあまり好みません。 ポット苗を植え付ける場合は、根鉢を崩さず、根を傷めないように定植します。 種から育てる場合は、花壇や鉢へ直接まくと管理しやすくなります。

ホウセンカは同じ場所に毎年植えられますか?

ホウセンカは連作障害が出やすいため、同じ場所へ毎年植えるのは避けます。 一度ホウセンカを育てた場所には、少なくとも1年以上あけてから植えます。 鉢植えでは、毎年新しい用土を使うと安心です。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

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