育て方のポイント
ハギの育て方早見表
ハギは、夏から秋に赤紫色や白色の蝶形花を咲かせるマメ科の落葉低木です。 日当たりと水はけのよい場所を好み、やせ地や乾燥にも比較的よく耐えます。 ミヤギノハギは長い枝が大きく枝垂れるため、横に広がれる場所へ植えることが大切です。
- 分類
- 落葉低木
- 開花期
- 7月~9月
- 花色
- 赤紫、ピンク、白、複色
- 樹高
- 1.5m~2m。枝が長く伸びて横にも広がる
- 日照
- 日なた。日照不足では枝が徒長し、花付きが悪くなりやすい
- 適した場所
- 日当たりと水はけがよく、枝を広げられる場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ。鉢植えは用土が乾いたら水やりをする
- 肥料
- 基本的には少量でよい。生育や花付きが悪い場合に寒肥を施す
- 植え付け
- 11月~12月、2月下旬~3月中旬の落葉期
- 剪定
- 落葉後~芽吹き前。強剪定する場合は晩冬~早春が分かりやすい
- 夏越し
- 耐暑性が高く、根付いた株は乾燥にも比較的強い
- 冬越し
- 耐寒性が高く、特別な防寒はほぼ不要
- 増やし方
- 株分け、挿し木。株分けの方が比較的確実
- 病害虫
- ほとんど発生しない
育て方のコツ: ミヤギノハギは、地面に届くほど長い枝を枝垂れさせます。 通路やほかの植物にかからないよう、十分な植栽スペースを確保します。 その年に伸びた枝に花を付けるため、休眠期に低く切り戻しても開花を楽しめます。
ハギの基本情報
- 学名…Lespedeza thunbergii
- 和名…ハギ(萩)
- 別名…ミヤギノハギ(宮城野萩)
- 科名…マメ科
- 属名…ハギ属
- 原産国…栽培種
- 花色…赤紫、ピンク、白、複色
- 樹高…1.5m~2m
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:4 to 8
ハギとは

ハギはマメ科ハギ属の落葉低木です。
「ハギ」という名前は特定の種を指すものではなく、ハギ属に分類されている植物の総称として用いられますが、特に、日本や中国など東アジアに分布するハギ属の仲間やその園芸品種を「ハギ」と呼ぶのが一般的です。
ハギ属の植物は東アジアからインド、北アメリカ、マレーシア、オーストラリアに約60種が分布しています。
日本にはヤマハギ(Lespedeza bicolor)やケハギ(L. patens)、マルバハギ(L. cyrtobotrya)など十数種のハギが自生しており、また中国では25種のハギが知られています。
その中で最も多く栽培されているのが、枝垂れる枝が美しいミヤギノハギ(L. thunbergii subsp. thunbergii f. thunbergii)です。
ミヤギノハギは自生種の確認がされていないことから園芸品種であると考えられていますが、そのルーツははっきりしていません。
本州日本海側に分布するケハギ(L. patens)と酷似した姿をしているため、ケハギの選抜品種であるとする説、ミヤギノハギが野生化したものがケハギであるとする説、ケハギの亜種または変種であるとする説、中国原産とする説などがあり、現在も詳細については不明です。
ここではミヤギノハギに代表される品種の他、一般的に「ハギ」と呼ばれる植物について紹介しています。
ハギの花期は7月~9月。
花期になると、上部の枝の葉の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は総状、枝先では円錐状になります。
▼ハギの花序

花は花径1cm程度の蝶形花(ちょうけいか)です。
※蝶形花(ちょうけいか)…左右対称で蝶の形に似た花。マメ科マメ亜科特有。
上側の旗弁(きべん)1個、側方の翼弁(よくべん)2個、下側の竜骨弁(りゅうこつべん)2個からなる。
▼ハギの蝶形花

雄しべ、雌しべは竜骨弁の中にあり、昆虫が吸蜜しようと花に乗ると、竜骨弁が開いてしべが現れる仕組みとなっています。
▼ハギの雄しべと雌しべ

基本種の花色は赤紫色~ピンク色ですが、白い花を咲かせる品種もあります。
▼白い花を咲かせるハギ

果実は長さ1cm弱の豆果(とうか)。
豆果(とうか)…マメ科に見られる果実の形。鞘(さや)の中に種子が入っている。
乾燥すると縫合線に沿って裂開し、種子がこぼれる。
▼ハギの果実

葉は3出複葉、いわゆる三つ葉で、小葉は長楕円形~楕円形です。
▼ハギの葉の様子

多数分枝し、樹高1.5~2m程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるハギ

耐寒性、耐暑性共に優れており、丈夫な性質です。
病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい植物です。
ハギの主な園芸品種
ハギには、枝垂れる姿を楽しむ品種のほか、白花や絞り咲き、低木状に育つ品種があります。 代表的な品種の違いを比較すると、次のようになります。
| 品種名 | 花色 | 樹形・枝の特徴 | 剪定のポイント |
|---|---|---|---|
| ミヤギノハギ | 赤紫色 | 長い枝が地面に届くほど大きく枝垂れる | 休眠期に株元近くまで強く切り戻せる |
| シラハギ | 白 | 白花を咲かせるミヤギノハギ系の品種 | ミヤギノハギと同様に休眠期の切り戻しができる |
| 江戸絞り | 白地に紫色の絞り | 枝があまり枝垂れず、木質化して低木状に育つ | 株元まで一律に刈らず、残したい樹高に合わせて枝を整える |
ミヤギノハギ(宮城野萩:Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii f. thunbergii)

自生種が確認できないため、園芸品種であると考えられています。
「宮城野」の名前は、ミヤギノハギの産地が宮城野(現在の仙台市)にあったことに由来するとされています。
※詳細は不明。
宮城県の県花となっていますが、全日本観光連盟や日本交通公社、植物友の会によって郷土の花として選定されたもので、自生地が宮城県にあるという訳ではありません。
花色は赤紫。
葉は先の尖った楕円形~卵形で、枝は地面に着くほど枝垂れます。
庭木として植栽されるハギの多くはミヤギノハギです。
シラハギ(Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii f. alba)

ニシキハギ、またはミヤギノハギの園芸品種とされていますが、現在ミヤギノハギの園芸品種という説が主流となっています。
こちらもよく植栽されるハギです。
江戸絞り(Lespedeza ‘Edo-shibori’)

白地に紫の絞り模様が美しい品種です。
他のハギのように枝が枝垂れず、最も木質化し低木状に育ちます。
他にも数多くの品種が流通しています。
ハギの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
ハギの根には根粒菌が共生しており、やせ地でもよく育つため、古くから砂防などにも植栽されています。
乾燥にも強く、日当たりさえ良ければ元気に育ちます。
ハギの花が咲かない原因
ハギの花が咲かない場合は、日照不足、春以降の強い剪定、肥料の与えすぎ、株がまだ若いことなどが原因として考えられます。
ハギは日当たりのよい場所で花付きがよくなります。
半日陰でも育つことはありますが、枝が徒長して花数が少なくなることがあります。
花はその年に伸びた枝に付くため、春から初夏に枝を大きく切り戻すと、開花する枝が少なくなります。
強剪定は落葉後から芽吹き前に行い、生育期は混み合った枝を間引く程度にします。
また、窒素分の多い肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが茂ることがあります。
生育に問題がなければ、肥料は控えめで十分です。
夏越し、冬越し
耐暑性、耐寒性共に高く、特に対策の必要はありません。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
真夏にひどく乾燥が続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
肥料
ハギは多くの肥料を必要としません。
庭植えでは、生育や花付きに問題がなければ施肥は不要です。
鉢植えでは、春の芽出し後に生育が弱い場合のみ、少量の緩効性肥料を施します。
植え付け、植え替え
植える前に枝張りを確認する
ミヤギノハギは樹高1.5m~2mほどに育り、長い枝を地面に届くほど大きく枝垂らします。
樹高だけでなく、横に広がるスペースも考えて植え場所を選びます。
通路沿いや狭い花壇では、開花期に枝が通行の妨げになったり、周囲の植物を覆ったりすることがあります。
壁際や斜面、広い花壇の後方など、枝垂れる姿を生かせる場所が向いています。
適期は厳冬期を避けた落葉期の、11月~12月、2月下旬~3月中旬です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥などを混ぜて水はけの良い環境を作ってください。
枝を長く枝垂れさせて横に広がります。
鉢植えの場合は、赤玉土5・鹿沼土(細粒)2・腐葉土3などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行います。
地上部の枝は短く刈り込み、根を傷付けないように植え替えてください。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
剪定
ハギの強剪定は、落葉後から春の芽吹き前に行います。
特に2月頃の晩冬から早春は、枝の状態を確認しながら作業しやすい時期です。
ミヤギノハギなどはその年に伸びた枝に花を付けるため、休眠期に株元近くまで切り戻しても、春から新しい枝を伸ばして夏から秋に開花します。
ミヤギノハギなど枝垂れる品種
毎年樹形を更新する場合は、地際から10cm~20cm程度を残して切り戻します。
春から長い枝が伸び、開花期には大きく枝垂れます。
江戸絞りなど低木状に育つ品種
江戸絞りは枝があまり枝垂れず、木質化して低木状に育ちます。
株元まで一律に切らず、残したい高さに合わせて枝を切り戻し、混み合った枝や細い枝を枝元から整理します。
春以降に伸びた枝を強く切ると、開花する枝が少なくなることがあります。
生育期は、混み合った枝を間引く程度にとどめます。
増やし方(株分け、挿し木)
株分けと挿し木で増やすことが出来ますが、挿し木は発根しにくいこともあり、株分けが一般的です。
株分け
適期は落葉期の2月下旬~3月中旬です。
できるだけ根を切らないように注意して株を掘り上げます。
スコップなどで株を縦に割って、株分けしてください。
挿し木
適期は6月下旬~7月上旬です。
春から伸びた新梢を10~15cmほどの長さに切って使います。
下の葉を2/3ほど取り除いて挿し穂を作ります。
十分に水揚げをしたら挿し木用土に挿しますが、挿し穂の2/3程度が用土に埋まるように挿してください。
密閉挿しをすると成功率が上がります。
密閉挿しとは、挿し木床を透明なビニールで覆って密閉する方法です。
ビニールが挿し穂に当たらないように、ワイヤー2本を十字に交差させてドーム状の骨組みを作ります。
上から透明なビニール袋を被せて口を紐で縛って密閉してください。
水は底面給水で管理します。
明るい日陰で管理して、芽が動き出したらビニールの上部に2か所ほど穴を開けて徐々に環境に慣らしていき、最終的にはビニールを外してください。
病気、害虫
病害虫の発生はほとんどありません。
よくある質問
ハギのよくある質問
ハギを育てるときによくある疑問をまとめました。 剪定時期、花が咲かない原因、大きくなりすぎた場合の管理、鉢植えでの育て方などを確認しておきましょう。
ハギは草花ですか、それとも木ですか?
ハギはマメ科の落葉低木です。 冬に枝先まで枯れ込んだり、毎年株元近くまで剪定したりするため草花のようにも見えますが、茎の基部は木質化します。
ハギの剪定時期はいつですか?
強く切り戻す場合は、落葉後から春の芽吹き前が適期です。 特に晩冬から早春に剪定すると、枝の状態を確認しやすくなります。 ハギはその年に伸びた枝に花を付けるため、休眠期に低く切っても秋に開花します。
ハギは株元まで切っても花が咲きますか?
ミヤギノハギなどは萌芽力が強く、休眠期に株元近くまで切り戻しても、春から新しい枝を伸ばして花を咲かせます。 ただし、江戸絞りのように低木状の樹形を楽しむ品種は、残したい高さに合わせて剪定します。
ハギの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期が遅いこと、肥料の与えすぎ、株の若さなどが原因として考えられます。 日なたで育て、春に枝が伸び始めてからは強く切らないようにします。 窒素分の多い肥料を与えすぎると、枝葉ばかり伸びて花付きが悪くなることがあります。
ハギはどのくらい大きくなりますか?
一般的なミヤギノハギは樹高1.5m~2mほどになります。 枝が長く伸びて大きく枝垂れるため、樹高以上に横幅を取ることがあります。 通路やほかの植物から離して植えると管理しやすくなります。
大きくなりすぎたハギを小さくできますか?
ミヤギノハギは萌芽力が強いため、休眠期に株元近くまで切り戻して小さくできます。 春から再び枝を伸ばすため、毎年切り戻して樹形を更新する管理も可能です。 品種によって樹形が異なるため、江戸絞りなどは必要な高さを残して剪定します。
ハギは鉢植えでも育てられますか?
ハギは鉢植えでも育てられます。 枝が長く伸びるため、大きめで安定した鉢を使い、日当たりのよい場所で管理します。 根詰まりしたら、落葉期に枝を切り戻して植え替えます。
ハギに肥料は必要ですか?
ハギは根粒菌と共生し、やせ地でも育つため、多くの肥料を必要としません。 生育や花付きに問題がなければ、庭植えでは無理に施肥する必要はありません。 肥料を与えすぎると枝葉が茂りすぎることがあるため、控えめにします。