一年草・二年草

アゲラタム

  • 学名…Ageratum houstonianum Mill.
  • 和名…ムラサキカッコウアザミ(紫霍香薊)
  • 別名…オオカッコウアザミ
  • 科名…キク科
  • 属名…カッコウアザミ属
  • 原産国…メキシコ~ホンジュラス
  • 花色…ブルー、白、ピンク、薄紫
  • 草丈…15㎝~80㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:10 to 13

アゲラタムとは

アゲラタム

アゲラタムは、メキシコ~中央アメリカに分布するキク科カッコウアザミ属の一年草、または二年草です。
分布域は、メキシコ東部から南西部、ベリーズ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスにあり、標高1000メートルまでの牧草地や森林の開けた場所、低木林の中などに自生しています。

アゲラタムとはカッコウアザミ属の学名ですが、園芸界ではカッコウアザミ属の中で主に栽培されるムラサキカッコウアザミ(Ageratum houstonianum)を指すのが一般的です。

ムラサキカッコウアザミは美しい花を咲かせることから広く栽培されており、世界中で帰化しています。
日本でも奄美大島など一部地域で帰化しており、鹿児島県では遺棄・導入・逸出防止のための重点的な啓発活動が必要な植物として「重点啓発種」に選定されています。

ここではムラサキカッコウアザミとその園芸品種、交配種をアゲラタムとして紹介しています。


アゲラタムの花期は5月~11月。
花期になると、茎の頂部に花序を出し、多数の頭花(とうか)を付けます。

※頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、多数の小さな花で構成されています。
多くの場合、中心部分の管状花(かんじょうか)と、外周で花弁のように見える舌状花(ぜつじょうか)で構成されます。

▼アゲラタムの花序

アゲラタムの頭花

アゲラタムの頭花は直径0.6~2㎝程度の大きさで、管状花のみで構成されています。

▼アゲラタムの頭花

アゲラタムの頭花

管状花は先が小さく5裂した筒状で、35~70個が密生しています。
花冠から長く突出しているのは2裂した雌しべの花柱です。
雄しべは雌しべを取り囲むように、筒部の中にあります。

▼アゲラタムの管状花

アゲラタムの管状花

花は長い花期の間、次々と開花します。
花色は、白、ピンク、ブルー、薄紫。

▼ピンク色の花を咲かせるアゲラタム

ピンク色の花を咲かせるアゲラタム

果実は1.5~1.7㎜の痩果(そうか)。
冠毛はトゲ状、または鱗片状。

※痩果(そうか)…果実の種類で、果皮が乾いて1個の種子を包み、裂開しないもの。キク科、キンポウゲ科などに見られる。

▼アゲラタムの果実

アゲラタムの果実

葉は対生、上部で互生し、中部の葉で長さ2~6㎝、幅1.5~3㎝の広卵形~三角状卵形です。
縁には浅い鋸歯があります。

▼アゲラタムの葉の様子

アゲラタムの葉の様子

茎はよく分枝して、こんもりと茂ります。
草丈は矮性種で20㎝前後、高性種で80㎝程度に成長します。

水揚げ、花持ちが良いため、高性種は切り花としてもよく利用されています。

▼たくさんの花を咲かせるアゲラタム

たくさんの花を咲かせるアゲラタム

耐暑性が高く、強健な性質です。
放任でもよく花を咲かせ、品種によってはこぼれ種でもよく増えます。

よく似た草姿の花にセイヨウフジバカマ(ユーパトリウム)があります。

アゲラタムの育て方

アゲラタムの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
生育旺盛で特に土質は選びません。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が続くと根腐れを起こすので注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、5月~6月、9月に緩効性化成肥料の置き肥をしますが、多肥にすると葉ばかりが茂り花付きが悪くなるので、肥料は様子を見ながら与えて下さい。

植え付け

適期は4月~6月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土などを混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3の配合土に少量の緩効性化成肥料を混ぜたものを使います。

切り戻し

夏になって開花が鈍ったら、8月頃に切り戻すと秋に再び美しい草姿で花を咲かせます。
切り戻しの位置は草丈の1/2程度の高さです。
夏の切り戻しが必須という訳ではありませんが、高温多湿にはやや弱い性質なので、混み合っている場合は適宜、切り戻しを行って下さい。

増やし方(挿し芽、種まき)

挿し芽(挿し木)と種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し芽(挿し木)

適期は5月~6月頃ですが、気温が15℃以上あればいつでも可能です。
芽を先端から2~3節の部分で切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いたら水揚げをし、葉を取り除いた節が埋まるように挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

種まき

種の採取

花後に種が出来るので、晴れた日を選んで花茎ごと採取して、種を取り出して下さい。
採取した種は封筒などに入れ、日陰で乾燥させてから涼しい場所で保管します。

種まき

適期は4月~6月中旬です。

種は播種箱かピートバンに蒔きます。
覆土はせず、水は底面給水で与えます。
発芽温度は20℃~25℃。
発芽したら適当に間引き、本葉が2~3枚程度になったらポット上げし、根が回ったら定植して下さい。

病気、害虫

ハダニ

夏場に発生しやすくなります。
食害された部分は白っぽい斑点状になり、生育に影響します。
発生したら薬剤を使って駆除して下さい。

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