一年草・二年草

アゲラタム(カッコウアザミ)

学名…Ageratum
和名…カッコウアザミ、ムラサキカッコウアザミ
別名…アゲラータム、オオカッコウアザミ
科名…キク科
属名…カッコウアザミ属(アゲラタム属)
原産国…メキシコ、南アメリカ
花色…ブルー、白、ピンク、薄紫
草丈…15㎝~80㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:10 to 13

アゲラタム(カッコウアザミ)とは

アゲラタム

アゲラタムは、中央アメリカ、メキシコを中心に約60種が分布するキク科カッコウアザミ属(アゲラタム属)の一年草、または多年草です。
大半の種は雑草ですが、美しい花を咲かせる2種が観賞用として栽培されています。

栽培されるのは、南アメリカに分布する多年草のカッコウアザミ(Ageratum conyzoides)と、メキシコを中心とした中米に分布する一年草のムラサキカッコウアザミ(A. houstonianum)です。
カッコウアザミは、熱帯地域では多年草ですが耐寒性は低く、日本では一年草として扱われます。
ここでは上述の2種をアゲラタムとして紹介しています。

アゲラタムの花期は5月~11月。
花期になると、茎の頂部に花序を出し、アザミに似た頭状花を多数咲かせます。
頭状花は径0.6~2㎝程度の大きさで、筒状花のみで形成されており、キク科の植物によく見られる花弁状の舌状花はありません。
筒状花は花冠が浅く5裂しており、雌しべの花柱が長く突出します。

▼アゲラタムの頭状花

アゲラタム(カッコウアザミ)の頭状花

花は長い花期の間、次々と開花します。
花色は、白、ピンク、ブルー、薄紫。

▼ピンク色の花を咲かせるアゲラタム

アゲラタム

葉は心形~卵形で縁に鋸歯があり、下部では対生、成長して茎が伸びると互生します。
茎はよく分枝して、こんもりと茂ります。
草丈は矮性種で20㎝前後、高性種で80㎝程度に成長します。
水揚げ、花持ちが良いため、高性種は切り花としてもよく利用されています。

耐暑性が高く、強健な性質です。
放任でもよく花を咲かせ、品種によってはこぼれ種でもよく増えます。

よく似た草姿の花にユーパトリウム(セイヨウフジバカマ)があります。

アゲラタムの主な品種

カッコウアザミ(Ageratum conyzoides)

カッコウアザミ(アゲラタム)

南アメリカ原産のアゲラタムで、現在ではアメリカ南東部の他、アフリカやアジアなど世界の広い地域で帰化状態にあります。
日本でも沖縄で帰化植物として定着しています。

日本には明治時代に渡来し、戦前から栽培されていましたが、現在では花の大きいオオカッコウアザミの方が主流になっています。

葉は長さ2~8㎝、幅1~5㎝の卵形~心形で、花を咲かせながら草丈30~60㎝程度に成長します。

ムラサキカッコウアザミ(Ageratum houstonianum)

ムラサキカッコウアミ(アゲラタム)

メキシコ南東~中央アメリカに分布するアゲラタムで、オオカッコウアザミとも呼ばれます。
カッコウアザミに比べると花が大きく、アゲラタムとして流通しているのは本種が大半です。

葉は長さ3~8㎝、幅2.5~4㎝の卵形~心形で、草丈30~70㎝程度に成長します。
基本種の花色は淡い紫色ですが、様々な花色の園芸品種があります。

他にも両種の交雑種など、様々な園芸品種が流通しています。

アゲラタム(カッコウアザミ)の育て方

アゲラタムの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
生育旺盛で特に土質は選びません。

冬越し

カッコウアザミは原産地では多年草です。
冬越しには0℃以上の気温が必要です。
冬越しをする場合は秋の9月頃に挿し芽(挿し木)で株を更新して、室内の温かい日なたで管理して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が続くと根腐れを起こすので注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、5月~6月、9月に緩効性化成肥料の置き肥をしますが、多肥にすると葉ばかりが茂り花付きが悪くなるので、肥料は様子を見ながら与えて下さい。

植え付け

適期は4月~6月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土などを混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3の配合土に少量の緩効性化成肥料を混ぜたものを使います。

切り戻し

夏になって開花が鈍ったら、8月頃に切り戻すと秋に再び美しい草姿で花を咲かせます。
切り戻しの位置は草丈の1/2程度の高さです。
夏の切り戻しが必須という訳ではありませんが、高温多湿にはやや弱い性質なので、混み合っている場合は適宜、切り戻しを行って下さい。

増やし方(挿し芽、種まき)

挿し芽(挿し木)と種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し芽(挿し木)

適期は5月~6月頃ですが、気温が15℃以上あればいつでも可能です。
芽を先端から2~3節の部分で切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いたら水揚げをし、葉を取り除いた節が埋まるように挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

種まき

種の採取

花後に種が出来るので、晴れた日を選んで花茎ごと採取して、種を取り出して下さい。
採取した種は封筒などに入れ、日陰で乾燥させてから涼しい場所で保管します。

種まき

適期は4月~6月中旬です。

種は播種箱かピートバンに蒔きます。
覆土はせず、水は底面給水で与えます。
発芽温度は20℃~25℃。
発芽したら適当に間引き、本葉が2~3枚程度になったらポット上げし、根が回ったら定植して下さい。

病気、害虫

ハダニ

夏場に発生しやすくなります。
食害された部分は白っぽい斑点状になり、生育に影響します。
発生したら薬剤を使って駆除して下さい。

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