育て方のポイント
セイヨウフジバカマの育て方早見表
セイヨウフジバカマは、夏から秋に青紫色のふんわりとした花を咲かせる多年草です。 日なたから半日陰で育ちますが、日照不足では徒長して花付きが悪くなります。 丈夫で地下茎でもよく増えるため、広がりすぎる場合は株分けや間引きで整理します。
- 分類
- 多年草・宿根草
- 開花期
- 7月~10月
- 花色
- 青紫、白
- 草丈
- 50cm~100cm。花壇の中段~後方に向く
- 日照
- 日なた~半日陰。少なくとも半日程度は日が当たる場所がよい
- 適した場所
- 日当たりと水はけのよい場所
- 水やり
- 庭植えはほぼ降雨のみ。鉢植えは表土が乾いたら水やりをする
- 肥料
- 春と秋に少量。多肥では茂りすぎて草姿が乱れやすい
- 植え付け
- 3月~4月中旬
- 植え替え
- 鉢植えは毎年、株分けを兼ねて植え替える
- 切り戻し
- 6月頃までに切り戻すと草丈を低く抑えられる
- 冬越し
- 冬は地上部が枯れ、春に再び芽吹く
- 増やし方
- 株分け、挿し芽
- 注意点
- 地下茎で広がりやすいため、増えすぎる場合は整理する
- 病害虫
- 春と秋にアブラムシが発生することがある
育て方のコツ: 日照不足では枝が間延びして花付きが悪くなるため、明るい場所で育てます。 草丈を抑えたい場合は6月頃までに切り戻します。 地下茎でよく増えるので、株が混み合ったら春に株分けして整理します。
セイヨウフジバカマの基本情報
- 学名…Conoclinium coelestinum (L.) DC.
- 別名…ユーパトリウム、ヨウシュフジバカマ、アオバナフジバカマ、ミストフラワー他
- 科名…キク科
- 属名…コノクリニウム属
- 原産国…アメリカ南東部、メキシコ
- 花色…青紫、淡い紫、白
- 草丈…50cm~100cm
- 日照…日なた~半日陰
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:5 to 10
セイヨウフジバカマ

セイヨウフジバカマは、北アメリカ原産のキク科コノクリニウム属の多年草です。
分布域はアメリカ南東部からメキシコにかけて広がっており、自生地は森林や茂みの縁、河川や池に沿った地域に多く自生しています。
セイヨウフジバカマの名前は、かつて同属であったフジバカマに花姿が似ていることに由来します。
セイヨウフジバカマの花期は7月~10月。
花期になると、茎の頂部に多数の頭花(とうか)が集まった花序を出し花を咲かせます。
頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、多数の小さな花で構成されています。
多くの場合、中心部分の管状花(かんじょうか)と、外周で花弁のように見える舌状花(ぜつじょうか)で構成されます。
▼セイヨウフジバカマの花序

セイヨウフジバカマの頭花は直径0.7~1cm程度の大きさで、管状花のみで構成されています。
▼セイヨウフジバカマの頭花

管状花は先が小さく5裂した筒状で、35~70個が密生しています。
花冠から長く突出しているのは2裂した雌しべの花柱です。
雄しべは雌しべを取り囲むように、筒部の中にあります。
▼セイヨウフジバカマの管状花

花は長い花期の間、次々と開花します。
花色は基本種の青紫の他、淡い紫色、白もあります。
▼白い花を咲かせるセイヨウフジバカマ

果実は長さ1.6~2.4mmの痩果(そうか)です。
痩果には多数の毛状の冠毛があります。
※痩果(そうか)…果実の種類で、果皮が乾いて1個の種子を包み、裂開しないもの。キク科、キンポウゲ科などに見られる。
▼セイヨウフジバカマの果実

葉は対生し、長さ1~10cmの卵形に近い三角形で縁に荒い鋸歯があります。
▼セイヨウフジバカマの葉の様子

茎は紫色を帯びることが多く、細かな毛がありますが、個体によって色や毛の量には差があります。
茎はよく分枝して花を咲かせながら草丈50~100cm程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるセイヨウフジバカマ

耐寒性、耐暑性に優れており、育てやすい植物です。
放任でもよく花を咲かせ、地下茎でよく増えます。
冬には地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。
「ユーパトリウム」という名前について
セイヨウフジバカマは、かつてはヒヨドリバナ属に分類されていました。
そのため、ヒヨドリバナ属の学名であるユーパトリウムの名前で呼ばれることがあります。
その他、洋種フジバカマ、青花フジバカマ、ミストフラワーなどの名前でも流通します。
セイヨウフジバカマとアゲラタム
| 植物名 | 分類・性質 | 花の特徴 | 主な違い |
|---|---|---|---|
| セイヨウフジバカマ | コノクリニウム属の多年草 | 青紫色の細かな花がふんわりと集まる | 痩果の冠毛が毛状。地下茎で増える |
| アゲラタム | カッコウアザミ属の一年草 | 青紫、白、ピンクなど。セイヨウフジバカマによく似る | 冠毛が鱗片状またはトゲ状 |
| ユーパトリウム・チョコレート | アゲラティナ属の多年草 | 白い小花。濃紫色の葉も観賞する | セイヨウフジバカマとは別属。マルバフジバカマの園芸品種 |
| フジバカマ | ヒヨドリバナ属の多年草 | 淡い紅紫色~白色の花 | 日本でも古くから親しまれる秋の七草の一つ |
よく似た花を咲かせる植物にアゲラタムがあります。
アゲラタムはカッコウアザミ属の一年草です。
▼アゲラタムの花

花や草姿がよく似ているため、セイヨウフジバカマは宿根アゲラタムと呼ばれることもあります。
両種の違いは種子の冠毛にあります。
セイヨウフジバカマ…冠毛は毛状
アゲラタム…冠毛は鱗片状、またはトゲ状
▼アゲラタムの種子の様子(ムラサキカッコウアザミ)

セイヨウフジバカマは旧学名からユーパトリウムとも呼ばれますが、ユーパトリウムとして流通している中には、セイヨウフジバカマ以外の植物も含まれています。
例えば、ユーパトリウム・チョコレートとして流通する品種は、マルバフジバカマ(Ageratina altissima)の園芸品種であり、現在はアゲラティナ属に分類されています。
これは、詳細な研究が進んだ結果、ユーパトリウム属の植物の分類が大幅に変更されたためです。
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セイヨウフジバカマの育て方

栽培環境
日なたから半日陰の水はけが良い場所が適しています。
日照時間が足りないと徒長し、花付きも悪くなるので少なくとも半日程度は日が当たる場所で育ててください。
セイヨウフジバカマの花が咲かない原因
セイヨウフジバカマの花が咲かない場合は、 日照不足、肥料の与えすぎ、切り戻し時期が遅いことなどが原因として考えられます。
日照不足になると茎が間延びして、花付きも悪くなります。
半日陰でも育ちますが、少なくとも半日程度は日が当たる場所で育てます。
また、肥料を多く与えると枝葉ばかりが茂ることがあります。
生育に問題がなければ施肥は控えめにします。
草丈を抑えるための切り戻しは6月頃までに終え、それ以降は花芽を付ける枝を伸ばします。
冬越し
耐寒性、耐暑性共に優れており、暖地、温暖地では特に対策の必要はありません。
地面が凍るような寒冷地の場合は、敷き藁や盛り土をして凍結対策をしてください。
また鉢植えの場合は、凍らない場所に移動するか、鉢を土の中に埋めるなどの対策を施します。
春の芽吹きは遅めです。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
肥料
やせ地でもよく育ち、必ずしも肥料を必要とする植物ではありません。
庭植え、鉢植えともに、春と秋に様子を見ながら緩効性化成肥料を置き肥してください。
多肥にする必要はありません。
肥料が多いと茂りすぎたり、草姿が乱れます。
植え付け、植え替え
適期は春の3月~4月中旬です。
植え付け(用土)
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作ります。
やせ地の場合は、緩効性化成肥料を元肥として用土に混ぜてください。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
植え替え
生育旺盛で、根詰まりを起こしやすい植物です。
鉢植えの場合は、基本的に毎年株分けを兼ねて植え替えを行います。
庭植えの場合は、株が込み合っているようなら掘り上げて、株分けを行ってください。
セイヨウフジバカマが増えすぎる場合
セイヨウフジバカマは地下茎を伸ばして株を広げます。
生育条件が合うと周囲まで広がり、ほかの宿根草の場所へ入り込むことがあります。
増えすぎた場合は、3月~4月中旬の植え替え時期に株を掘り上げ、 不要な地下茎を取り除いて株分けします。
広がりすぎるのが心配な場合は、鉢植えにするか、 根域を制限できる場所に植えると管理しやすくなります。
切り戻し
6月頃までに何度か切り戻すと、草丈を低く抑えることができます。
増やし方(株分け、挿し木)
株分けと挿し木(挿し芽)で増やすことができます。
株分け
適期は3月~4月中旬です。
植え替え時に、掘り上げた株を分けて植え付けます。
あまり小さく分けず、2~3芽ずつに分けるようにしてください。
挿し木(挿し芽)
適期は5月~6月です。
茎の先端を数節切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをし、挿し木用土に葉を取り除いた節が埋まるように挿してください。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
病気・害虫
春と秋にアブラムシが発生することがあります。
見付け次第駆除します。
よくある質問
セイヨウフジバカマのよくある質問
セイヨウフジバカマを育てるときによくある疑問をまとめました。 アゲラタムとの違い、花が咲かない原因、切り戻し、増えすぎる場合の管理、冬越しなどを確認しておきましょう。
セイヨウフジバカマはアゲラタムと同じ植物ですか?
別の植物です。 セイヨウフジバカマはコノクリニウム属の多年草で、アゲラタムはカッコウアザミ属の一年草です。 花姿はよく似ていますが、果実に付く冠毛の形などに違いがあります。
セイヨウフジバカマとユーパトリウムは同じですか?
セイヨウフジバカマは以前ヒヨドリバナ属に分類されていたため、現在も「ユーパトリウム」の名前で流通することがあります。 ただし、現在はコノクリニウム属に分類されています。 また、「ユーパトリウム」の名前で流通する植物には、別属の植物も含まれるため、学名を確認すると分かりやすくなります。
セイヨウフジバカマの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、肥料の与えすぎ、切り戻し時期が遅いことなどが原因として考えられます。 少なくとも半日程度は日が当たる場所で育てます。 切り戻しは6月頃までに終え、その後は花芽が付く枝を伸ばします。
セイヨウフジバカマは増えすぎますか?
セイヨウフジバカマは地下茎でよく増えます。 環境が合うと株が横へ広がるため、増えすぎた場合は春に掘り上げて株分けし、不要な地下茎を取り除きます。 スペースが限られる場所では鉢植えで管理すると扱いやすくなります。
セイヨウフジバカマは切り戻した方がよいですか?
草丈を低く抑えたい場合は、6月頃までに切り戻します。 切り戻すと脇芽が伸び、株がまとまりやすくなります。 遅い時期に強く切ると花芽が付く枝が減るため、夏以降の強剪定は避けます。
セイヨウフジバカマは冬越しできますか?
セイヨウフジバカマは耐寒性の高い多年草です。 冬は地上部が枯れますが、地下部は残り、春に再び芽吹きます。 地面が凍るような寒冷地では、株元を敷き藁や腐葉土などで覆って凍結を防ぎます。
春になっても芽が出ません。枯れていますか?
セイヨウフジバカマは春の芽吹きがやや遅い植物です。 周囲の宿根草が芽吹いても、すぐに枯れたと判断せず、しばらく様子を見ます。 根や地下茎が生きていれば、気温が上がると新しい芽が伸びてきます。


