多年草・宿根草 観葉植物

ムラサキゴテン

学名…Tradescantia pallida ‘Purple Heart’
和名…ムラサキゴテン(紫御殿)
別名…パープルハート、セトクレアセア
科名…ツユクサ科
属名…ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)
原産国…メキシコ
花色…ピンク
草丈…40㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:10 to 11

ムラサキゴテンとは

ムラサキゴテン

ムラサキゴテンは、メキシコ東部の沿岸地域に分布するツユクサ科ムラサキツユクサ属の常緑性多年草です。
メキシコ固有の植物で、自生地ではあまり栽培されることはありませんが、美しい葉色を持つことから観賞用として様々な地域で栽培されています。

ムラサキゴテンは現在ムラサキツユクサ属に分類されていますが、以前はセトクレアセア属に分類されていたため「セトクレアセア」の名前で呼ばれることもあります。

栽培されるのは、パープルハートの名前で流通することもある園芸品種(Tradescantia pallida ‘Purple Heart’)で、原種は現在のところ流通していないようです。
日本へは1955年に渡来しています。

ムラサキゴテンは、地上部全体が濃紫に染まった草姿が美しいリーフプランツです。
葉は長楕円形で先端が尖り、やや多肉質で、茎に互生します。
葉の表面は細かい軟毛で覆われており、雨露を弾き、光の当たる角度によって葉色が変化します。
葉に淡い縞模様が入る斑入り品種も流通しています。

茎はよく分枝して、草丈40~60㎝程度に成長します。
美しい葉色から観葉植物として扱われることもあります。

▼ムラサキゴテンの葉の様子

ムラサキゴテン

カラーリーフとしての利用価値が高いムラサキゴテンですが、夏から秋にかけて花を咲かせます。
ムラサキゴテンの花期は7月~10月。
花期になると、分枝した茎の頂部の葉の付け根に、花径2㎝程度のピンク色の花を咲かせます。
花は3枚の花弁を持ち、中央には黄色い葯が目立つ雄しべが6本あり、雄しべの花糸には細かい毛が密生しています。
花は昼には萎んでしまう一日花ですが、最盛期の夏場には毎日数輪の花を咲かせます。

▼ムラサキゴテンの花

ムラサキゴテン

耐暑性が高く強健な性質で、育てやすい植物です。
耐寒性はあまり高くなく、冬越しには-1℃以上の気温が必要になります。
霜に当たると枯れてしまいますが、根が生きていれば春に再び芽吹きます。

ムラサキゴテンの近縁種

ムラサキゴテンが属するムラサキツユクサ属は、熱帯アメリカを中心に約70種が分布しています。
大半の種は雑草ですが、観賞用に栽培されるものもあります。

観賞用として栽培されているムラサキツユクサ属の植物には本種の他、以下のようなものがあります。

ムラサキゴテンの育て方

ムラサキゴテンの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日陰でも育ちますが、葉色が褪せ、本来の美しい草姿で楽しむことが出来ません。
年間を通して、よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

耐寒性はあまり高くなく、冬越しには-1℃以上の気温が必要になります。
霜に当たると地上部が枯れますが、根が生きていれば春に再び芽吹きます。

中国地方(最低気温-3℃、積雪無し)の管理人宅では、戸外の軒下で冬越しをしていますが、心配な場合は室内に取り込んで下さい。
庭植えの場合は、鉢上げをするか、挿し木苗を作って冬越しをさせます。
室内ではよく日の当たる場所で、乾燥気味に管理して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥に強く、過湿な環境で根腐れを起こしやすい性質です。
水のやりすぎに注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を株元に置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様で、春と秋に緩効性化成肥料を施します。
または、4月~6月、9月~10月の生育期に、液体肥料を10日に1回程度施して下さい。

肥料が多いと徒長して草姿が乱れるので、注意して下さい。

植え付け、植え替え

適期は4月~9月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として完熟堆肥を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土も使えますが、川砂を2割ほど混ぜると水はけが良くなり、根腐れの心配が少なくなります。
または、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・川砂2などの水はけの良い配合土を使って下さい。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので、1~2年に一度、植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

摘心、切り戻し

放っておくと茎がだらしなく伸びて草姿が乱れます。
伸びすぎた茎は、株元から1~2節を残して切り戻して下さい。
脇芽が伸びて草姿が整います。

ボリュームのある株に育てたい場合は、春になって新芽がある程度伸びた段階で、摘心します。

増やし方(株分け、挿し芽)

株分けと挿し芽で増やすことが出来ます。

株分け

大きく育った株は、株分けで増やすことが出来ます。
適期は4月~9月の生育期です。
掘り上げた株の根鉢を軽く崩し、ハサミなどで切り分けて植え付けて下さい。
ムラサキゴテンの茎や根はすぐにポキッと折れてしまうので、扱いには注意して下さい。
株分け後は、半日陰の場所で1~2週間ほど育て、新しい根が出てきた頃に日なたに移動します。

挿し芽

適期は5月~9月です。

茎を4~5節の長さで切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

病気・害虫

ナメクジ

柔らかい新芽を好んで食害します。
ナメクジによる食害があれば、キラキラと光る粘液のようなものが付着することが多いので、比較的簡単に判断することが出来ます。
食害を見つけた場合は、夜間に見回って捕殺するか、専用の薬剤で駆除して下さい。

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