和名…シャグマユリ(赤熊百合)
別名…クニフォフィア、トーチリリー
科名…ツルボラン科
属名…シャグマユリ属(クニフォフィア属)
原産国…南アフリカ、熱帯アフリカ
花色…オレンジ、黄色
草丈…60㎝~120㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:6 to 10
トリトマとは
トリトマは、熱帯アフリカ、南アフリカに約70種が分布するツルボラン科の常緑性多年草です。
南アフリカ原産の植物ですが、自生種の多くは標高1000m以上の高地に分布しいるため、耐寒性が高いのが特徴です。
かつてはユリ科に分類されていましたが、近年になってツボラン科に変更され、それに伴い属名もトリトマ属からシャグマユリ属に変更されました。
トリトマの名前は、旧属名がそのまま流通名として定着したものです。
日本へは明治時代中期に渡来しています。
トリトマの花期は6月~10月。
花期になると、真っ直ぐに伸ばした花茎の先に総状花序を出し、多数の花を下向きに咲かせます。
花は先が浅く6裂した細長い筒状で、蕾の段階では鮮やかなオレンジ色をしており、咲き進むと黄色に変化します。
花序は下から上へと咲き進むため、オレンジ色から黄色へと変化する美しいグラデーションを見ることが出来ます。
和名の「シャグマユリ(赤熊百合)」の名前は、この花穂を帽子などの装飾に使うシャグマ(赤熊)に見立てたものです。
花色はオレンジ、黄色。
▼トリトマの花
葉は根生して線形で長く伸び、株元で茂ります。
花茎を高く伸ばし、草丈60~120㎝程度に成長します。
経年と共に大株になり、多数の花穂を立ち上げて独特の存在感を放ちます。
耐暑性、耐寒性ともに優れた植物で、日当たりさえ良ければ放任でもよく育ちます。
大きく育つので、植栽にはそれなりのスペースが必要です。
トリトマの主な品種
オオトリトマ(Kniphofia uvaria)
南アフリカ・ケープ地方に分布するトリトマを代表する種で、多くの園芸品種の元になっています。
美しい花を咲かせることから世界の広い地域で観賞用として栽培されており、現在オーストラリアの一部の地域で帰化植物として定着しています。
花序の長さは15~20㎝、草丈は80~120㎝に成長する大型種です。
ヒメトリトマ(Kniphofia rufa)
南アフリカ・ナタール地方原産のトリトマです。
草丈60~80㎝程度に成長し、花序の長さは12~20㎝程度でやや小型の品種です。
花色はオレンジの他、黄色。
日本ではこちらの方が普及しています。
トリトマの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと生育、花付き共に悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し
寒さには強い性質なので、特に対策の必要はありません。
土まで凍ってしまう寒冷地の場合は、敷き藁や腐葉土などで株元を覆うなどして凍結対策を施して下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理します。
肥料
元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
庭植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を追肥して下さい。
鉢植えの場合は、春から秋の生育期間中に、緩効性化成肥料を定期的に置き肥するか、液体肥料を施します。
植え付け、植え替え
適期は春の3月~4月中旬、秋の9月~10月上旬です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合は、株が混み合って生育が悪くなるようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
花茎切り
花が咲き終わった花茎は、付け根の部分で切り取って下さい。
増やし方(株分け)
株分けで増やすことが出来ます。
株分け
適期は芽出し前の3月、秋の9月~10月上旬です。
掘り上げた株を、3~5芽が一株になるように分けて植え付けて下さい。
小さく分けすぎると開花までに時間がかかるので、少なくとも3芽以上が付くように分けます。
病気・害虫
アブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤で駆除して下さい。