多年草・宿根草 ハーブ

コモンセージ

学名…Salvia officinalis
和名…セージ
別名…サルビア・オフィシナリス、ヤクヨウサルビア、ガーデンセージ
科名…シソ科
属名…アキギリ属(サルビア属)
原産国…地中海沿岸部
花色…紫、白、青、ピンク
草丈…60㎝~80㎝
日照…日なた(夏場は半日陰)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:4 to 8

コモンセージとは

コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)

コモンセージは、地中海地域原産のシソ科アキギリ属(サルビア属)の常緑多年草です。
料理に使用されるスパイスのセージは、コモンセージの葉を乾燥させたものです。
古代ローマでは、不死と健康、知恵、家庭の調和をもたらすハーブとしてしばしば言及されており、薬用として、あるいは神聖な儀式で使用されていました。
ヨーロッパでは何世紀にも渡って栽培されているハーブです。

コモンセージの花期は5月~6月。
花期になると、茎の頂部に花序を出し、長さ2㎝程度の花を多数咲かせます。
花序の各節には花が輪生し、花序の長さは4~20㎝程度になります。

▼コモンセージの花序の様子

コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)の花序

花はシソ科の植物に見られる唇形花です。
唇形花とは、筒状になった花の先が上下に分かれ、唇のように見える花の事です。

▼コモンセージの唇形花

コモンセージの唇形花

原種の花色は淡い紫色~青色ですが、ピンクや白の花を咲かせる品種もあります。

▼ピンクや白の花を咲かせるコモンセージ

ピンク色の花を咲かせるコモンセージ(サルビア・オフィシナリス)

白い花を咲かせるコモンセージ(サルビア・オフィシナリス)

葉は長さ1~8㎝、幅0.6~3㎝の長楕円形~卵形で縁に細かい鋸歯があります。
葉には微細な毛があるため、やや白みを帯び、花の無い時期にもカラーリーフとしての観賞価値があります。

▼コモンセージの葉の様子

コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)の葉の様子

茎は多数分枝しながら草丈60~80㎝程度に成長します。

▼コモンセージの草姿

コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)

地中海地域北部原産の植物のため、高温多湿の環境が苦手な性質です。
暖地、温暖地での夏越しは難易度が高めな上、無事に夏を越せたとしても株が弱り、なかなか美しい草姿を保てません。
耐寒性は高いのですが、強い霜に当たると落葉することがあります。

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コモンセージの近縁種については下記を参照下さい。

コモンセージの主な品種

葉色の違う品種が幾つか流通しています。
基本種に比べるとやや耐寒性に劣ります。

パープルセージ(Salvia officinalis ‘Purpurascens’)

パープルセージ(コモンセージ)

USDA Hardiness Zone:6 to 8

紫葉の品種で、やや矮性です。
葉には強い風味があり、草丈40㎝程度に成長し、ラベンダーピンクの花を咲かせます。

ゴールデンセージ(Salvia officinalis ‘Aurea’)

ゴールデンセージ(コモンセージ)

USDA Hardiness Zone:6 to 8

葉に黄色の覆輪が入る品種です。
草丈60㎝程度に成長し、淡い紫色の花を咲かせます。

トリコロールセージ(Salvia officinalis ‘Tricolor’)

トリコロールセージ(コモンセージ)

USDA Hardiness Zone:6 to 8

葉の縁に白い覆輪が入り、新芽は紫色を帯びます。
気温の低い時期には覆輪は淡いピンク色になります。
矮性で草丈40㎝程度に成長し、淡い青紫色の花を咲かせます。
トリカラーセージとも呼ばれます。

コモンセージの育て方

コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
ジメジメした水はけの悪い場所では上手く育たないので注意して下さい。

基本的に日当たりを好みますが、暖地・温暖地で庭植えの場合は、午後から日陰になるような半日陰の場所に植えると、夏越しの確率が上がります。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒性は高いのですが、強い霜に当たると葉が傷んだり、落葉したりします。
鉢植えの場合は、霜の当たらない場所に移動して下さい。
落葉しても茎が生きていれば、春に再び芽吹きます。

夏越し

花が終わった花茎は早めに切り取り、株の風通しを良くしておきます。
または全体をバッサリと切り戻します。

鉢植えの場合は、梅雨の時期になったら、雨の避けられる場所に移動して下さい。
夏場は明るい日陰~半日陰の場所に移動します。

水やり

乾燥気味の環境を好みます。

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に酷く乾燥するようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。

肥料

多くの肥料を必要とする植物ではありません。

庭植えの場合は、生育に問題がないようなら肥料は特に必要ありません。

鉢植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を定期的に施します。

植え付け、植え替え

適期は春の4月~5月、秋の9月下旬~10月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで水はけの良い環境を整えて下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年に一度、植替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

比較的短命な多年草なので、庭植えの場合も数年に一度株分けを行い、株を若返らせて下さい。

増やし方(株分け、挿し芽)

株分けと挿し芽で増やすことが出来ます。

株分け

植え替え時に掘り上げた株を分けて植え付けます。

挿し芽

茎を2~3節程度の長さに切り取って挿し穂にします。
切り戻した茎も挿し穂として利用することが出来ます。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理して、発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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