多年草・宿根草

ジュズサンゴ

  • 学名…Rivina humilis L.
  • 和名…ジュズサンゴ(数珠珊瑚)
  • 別名…ハトベリー
  • 科名…ヤマゴボウ科
  • 属名…リビナ属
  • 原産国…北アメリカ南部~南アメリカ
  • 花色…白色~ピンク色
  • 草丈…30㎝~100㎝
  • 日照…半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

ジュズサンゴとは

ジュズサンゴ

ジュズサンゴは、北アメリカ南部から南アメリカに分布するヤマゴボウ科リビナ属の多年草です。
分布域はアメリカ・アーカンソー州、オクラホマ州からカリブ海を経て、中央アメリカ、南アメリカの熱帯地域に広がっており、森林や雑木林、道端など、半日蔭になるようなやや湿り気のある場所に自生しています。

日本には大正時代初期に渡来し、現在では小笠原諸島や沖縄などで帰化しています。
やや寒さに弱い性質のため、暖地・温暖地以外では一年草として扱われるのが一般的です。


ジュズサンゴの花期は6月~10月。
花期になると、上部の葉の付け根から花序を出し、小さな花を咲かせます。
花序は長さ4~15㎝の総状で、花序柄は1~5㎝。

▼ジュズサンゴの花序

ジュズサンゴの花序

花は花被片4個を持ち、花被片は長さ1.5~3.5㎜の楕円形~倒卵形~倒披針形です。
白色からピンク色~淡い緑色、紫色を帯びることもあります。

▼ジュズサンゴの花

ジュズサンゴの花

雄しべは4個あり、花被片に互生します。
雌しべは1個。

▼ジュズサンゴの雄しべと雌しべ

ジュズサンゴの雄しべと雌しべ

花被片は果時に緑色になり反り返ります。


果実は直径2.5~5㎜の液果。

▼ジュズサンゴの果実

ジュズサンゴの果実

「ジュズサンゴ」の名前は、数珠のように連なって実るこの果実に由来します。
長い花期の間、花は次々と開花し愛らしい果実を実らせます。

基本種の果実は赤色ですが、園芸品種では黄色やピンクになるものも流通しています。

▼ピンク色の実を付けるジュズサンゴ

ピンク色の実を付けるジュズサンゴ

葉は互生し、長さ4~12㎝、幅1.5~4㎝の先が尖った卵形~楕円形~長楕円形です。
葉柄は1~3.5㎝。

▼ジュズサンゴの葉の様子

ジュズサンゴの葉の様子

草丈30~100㎝程度に成長し、大きく育つと下部の茎は木質化します。

▼大きく育ったジュズサンゴ

大きく育ったジュズサンゴ

性質は基本的に強健で、北アメリカ南部から南アメリカの自生地では雑草化しています。
自生地は湿度が高く半日蔭の場所で、環境さえ合っていればこぼれ種でもよく増えます。

ジュズサンゴの育て方

ジュズサンゴの育て方

栽培環境

夏の強い日差しに当たると葉焼けを起こします。
庭植えの場合は、半日蔭の場所に植えて下さい。
耐陰性があり、日陰でも育ちますが花付きが悪くなります。
鉢植えの場合は、夏になったら半日蔭に移動し、それ以外の季節は日なたで管理して下さい。

冬越し

耐寒温度は-5℃程度です。
強い霜に何度も当たると枯れることがあるので、暖地、温暖地の場合でも、株元を敷き藁や腐葉土でマルチングするなどの対策を施した方が安心です。
心配な場合は、鉢植えにして霜に当たる前に室内に取り込みます。

15℃以上の気温があれば周年開花し、大きく育った株は木質化します。

水やり

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫ですが、乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植え、庭植え共に特に夏場の乾燥には注意して下さい。
何度も水切れをさせると成長が止まって枯れてしまうことがあります。

冬場は成長が止まるので乾燥気味に管理して下さい。

肥料

庭植え、鉢植え共に、生育期の5月~6月に液体肥料を2~3週間に1回程度施します。
多肥にすると花付きが悪くなるので注意して下さい。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月です。

植え付け

夏場に苗が出回ることが多いので植え付ける場合は根付くまで水切れに注意して下さい。
酸性土壌を好みます。

庭植えの場合は、用土に鹿沼土やピートモス(酸度未調整)を混ぜて、土壌を酸性に傾けておきます。
水はけが悪いようならさらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。

鉢植えの場合は市販の草花用培養土や、ブルーベリー専用土なども使えます。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行って下さい。
庭植えの場合は特に必要ありません。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。

種の採取

果実が赤く色付いてガクがしっかりと反り返り、熟した柿のように柔らかくなったら採取時期です。
収穫した果実は水洗いして果肉を取り除きます。
日陰でよく乾燥させて種まきまで保管して下さい。

種まき

適期は3月~5月です。
暖地であれば採りまきも可能ですが、寒さに当たると発芽しないことがあるので春に蒔いた方が無難です。

発芽には22℃前後の温度が必要なので、温かくなってから蒔いて下さい。
播種箱やポットに種をまき、覆土は種が隠れる程度。
明るい日陰で水を切らさないように管理します。
播種箱に蒔いた場合は本葉が3~6枚程度になったらポット上げし、根が回ったら定植して下さい。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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