多年草・宿根草 観葉植物

ニューサイラン

  • 学名…Phormium
  • 和名…マオラン(真麻蘭)
  • 別名…ニュージーランド麻
  • 科名…ツルボラン科
  • 属名…マオラン属
  • 原産国…ニュージーランド
  • 草丈…60㎝~150㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

ニューサイランとは

ニューサイラン

ニューサイランは、ニュージーランド、ノーフォーク島に分布するツルボラン科マオラン属の常緑多年草です。
ニューサイランが属するマオラン属の植物は、マオラン(Phormium tenax)と、フォルミウム・クッキアナム(Phormium cookianum)の二種が知られいます。

ニューサイランとして流通するのは主にマオランでしたが、近年ではフォルミウム・クッキアナムも流通するようになり、両種の交雑種も含めてニューサイランと呼んでいます。
雄大な草姿から観賞用として栽培される他、生け花の花材、フラワーアレンジメントの材料としても多用されています。

マオランは、ニュージーランドおよびオーストラリア領のノーフォーク島に分布しており、ニュージーランドでは繊維作物として広く栽培される植物です。
葉から採れる繊維は、ニュージランド麻と呼ばれ、ロープや帆布、網や製紙などの原料として用いられています。
日本には明治時代に繊維作物として渡来し、現在でも静岡以西の地域で栽培されています。

クッキアナムはニュージーランド固有の植物で、テナックス種よりも全体的に小型です。
テナックス種と同様に繊維植物として利用されますが、あまり一般的ではありません。


ニューサイランの花期は夏。
花期になると、葉の間から花茎を伸ばし、花序に多数の花を咲かせます。
花序は円錐形で、総状花序(そうじょうかじょ)が組み合わさって構成されています(複総状花序)。

※総状花序(そうじょうかじょ)…柄のある花が花序軸にほぼ均等に付く花序の形。
花は多数。

▼ニューサイランの花序

ニューサイランの花序
フォルミウム・クッキアナム(Phormium cookianum)

花には外花被片3枚と内花被片3枚があります。

※花被片(かひへん)…萼片と花弁を合わせて花被片と呼び、その全体を花被と呼ぶ。
スイセンやユリ、モクレンなど萼片と花弁が類似する、あるいはほとんど区別できない場合に用いられる。
内外2列になっている場合、外側にあるものを外花被(がいかひ)、内側を内花被(ないかひ)と呼ぶ。

▼ニューサイランの花

ニューサイランの花
マオラン(Phormium tenax)

花被片派の色はマオランでは赤褐色~暗赤色~橙色。
クッキアナムでは内花被片は淡緑色、外花被片は黄色。

▼フォルミウム・クッキアナムの花

ニューサイラン(フォルミウム・クッキアナム)の花

果実は蒴果(さくか)。

※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。

マオランでは紡錘形、フォルミウム・クッキアナムでは細長く垂れ下がります。

▼マオランの果実

ニューサイラン(マオラン)の果実

▼フォルミウム・クッキアナムの果実

ニューサイラン(フォルミウム・クッキアナム)の果実

葉は根生し、長さ1~3mの剣形で左右に広がります。

▼ニューサイランの葉の様子

ニューサイランの葉の様子

葉に黄色やクリーム色の斑が入る品種の他、銅葉や紫葉など、数多くの園芸品種が流通しています。

▼様々な葉色のニューサイラン

ニューサイラン
ニューサイラン
ピンクの斑入りニューサイラン

常緑で耐寒性もあり、暖地では戸外でそのまま冬越し可能です。
※品種によっては耐寒性の低いものもあります。
病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい植物です。

オーナメンタルグラス

ニューサイランの他では以下のようなものがオーナメンタルグラスとして栽培されています。
大半はイネ科の植物ですが、一部キジカクシ科、カヤツリグサ科などの植物もあります。

ニューサイランの育て方

ニューサイランの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日陰でも葉色が褪せることなく育ちますが、葉の硬さがやや損なわれ枝垂れるようになります。

冬越し

品種によって耐寒性が異なりますが、耐寒温度は-5℃~0℃程度です。
暖地の場合はそのまま戸外で冬越し可能です。
ある程度の積雪にも耐える強さもあります。

耐寒性が低い品種は株元をマルチングしたり、霜対策として葉を藁などですっぽり覆うなどの防寒対策が必要になります。
特に葉色のカラフルな品種は耐寒性が低いものが多いので、品種に応じて対策を施して下さい。

鉢植えで耐寒性の低い品種は、室内に取り込んで管理します。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が続くと根腐れを起こすので注意して下さい。

肥料

元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
庭植えの場合は、毎年春に固形の油粕や緩効性化成肥料を株元に施します。
鉢植えの場合は、3月~8月の生育期間中は、固形の油粕や緩効性化成肥料などを定期的に施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月中旬~4月上旬です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、水はけの良い土を作って下さい。
鉢植えの場合は、草花用の培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・軽石や川砂1の配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので1年~2年に一度、植え替えを行います。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

日常の管理

枯れた葉や傷んだ葉は株元から切り取って下さい。

増やし方(株分け)

株分けで増やすことが出来ます。

株分け

適期は3月中旬~4月上旬です。
掘り上げた株をスコップなどで割って植え付けます。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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