低木 庭木

ウキツリボク

  • 学名…Callianthe megapotamica (A.Spreng.) Dorr
  • 和名…ウキツリボク(浮釣木)
  • 別名…チロリアンランプ、アブチロン
  • 科名…アオイ科
  • 属名…ショウジョウカ属
  • 原産国…ブラジル
  • 花色…黄色(萼は赤)
  • 樹高…1m~3m(半つる性)
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:8b to 11

ウキツリボクとは

ウキツリボク

ウキツリボクは、ブラジル原産のアオイ科ショウジョウカ属の半つる性の低木です。
原産地はブラジル南部と推定されていますが、熱帯および亜熱帯地域で広く栽培されおり、逸出したと考えられる個体が野生化しています。
そのため、正確な起源や野生種の分布域が不明瞭となっています。

チロリアンランプ、アブチロンの名前で呼ばれることもあります。
アブチロンの名前はウキツリボクの旧属名で、現在はショウジョウカ属に分類されています。
ショウジョウカ属はイチビ属(アブチロン属)から分離した属で、メキシコから中央アメリカ、および南アメリカに約50種が分布しています。


ウキツリボクの花期は6月~10月。
花期になると、伸びた枝の葉腋から花柄を長く伸ばし、1個の花を下向きに咲かせます。

▼ウキツリボクの花の様子

ウキツリボクの花の様子

花は4~5㎝の長さで、黄色い5個の花弁を持ち、赤い萼からやや突き出す形で咲きます。
萼は大きな袋状となっており、5稜あり、先が5裂します。

▼ウキツリボクの萼と花弁。

ウキツリボクの萼と花弁

雄しべ、雌しべは合着して柱状になっています。
雄しべは多数あり、その先端に雌しべが付きます。
雌しべの花柱は5個。

▼ウキツリボクの雄しべと雌しべ

ウキツリボクの雄しべと雌しべ

葉は互生し、長さ5~15㎝の狭卵形~卵形で、浅く3~5裂し、縁に鋸歯があります。

▼ウキツリボクの葉の様子

ウキツリボクの葉の様子

枝は細いため、何かに寄りかかって成長し、枝先は下垂します。
分枝しながら、1~3mの長さに成長します。

▼たくさんの花を咲かせるウキツリボク

たくさんの花を咲かせるウキツリボク

熱帯原産の植物ですが、比較的耐寒性があり、-6℃以上の気温であれば戸外での冬越しが可能です。
枝が細く垂れるので、フェンスなどに誘引したり、あんどん仕立てなどにして育てます。
寒さにだけ気を付ければ、病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい植物です。

ウキツリボクの仲間

ウキツリボクはかつてイチビ属(アブチロン属)に分類されていました。
イチビ属は熱帯、亜熱帯に約178種が知られており、美しい花を咲かせるいくつかの種が観賞用として栽培されています。
品種の多くはウキツリボクが属するショウジョウカ属の植物との交配種で、アブチロンの名前で流通しています。

ウキツリボクの育て方

ウキツリボクの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
ただし、夏場に強い西日が株元まで差し込むような場所では株が弱ってしまいます。
夏場は午後から日陰になるような場所だと最適です。

寒さに強い植物ではないので、庭植えにする場合は、北風の当たらない場所に植えて下さい。

冬越し

耐寒温度は-9℃程度です。
最低気温が-6℃を下回るような場所では株が損傷を受け、-9℃以下になると枯死する可能性が高くなります。
また、霜に当たると枝が傷みます。

鉢植えの場合は、霜の当たらない場所に移動するか、室内に取り込んで冬越しをします。
庭植えで心配な場合は、株元を腐葉土や敷き藁で覆い、霜よけを設置して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら、水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中の株は、やや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、春と秋に、骨粉入りの油かす、または緩効性化成肥料を株元に施します。

鉢植えの場合は、春から秋までの間、肥料を途切れさせないように定期的に緩効性化成肥料を施して下さい。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は春の4月~6月です。

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍の植え穴を掘り、用土に腐葉土を混ぜて水はけの良い環境を作ります。
植え付け後はたっぷりと水やりをして下さい。
細い枝が良く伸びて下垂するので、フェンスなどに誘引して育てます。

鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。

植え替え

適期は春の4月~5月です。

生育旺盛で根がよく張るので、植え替えは毎年行います。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

剪定

適期は春の4月~5月です。

冬の寒さで枯れた枝があれば取り除き、前年に伸びた枝を1/2~2/3程度、切り戻します。
不要な枝を剪定するだけなら5月~9月の間にも行うことができます。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は4月~6月です。
切り戻した枝を使うことも出来ます。
枝の先端を8~10㎝程度の長さに切り、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理すれば、1ヵ月ほどで発根します。

病気・害虫

アブラムシが付くことがあるので、発生した場合は駆除して下さい。

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