和名…ウサギノオ(ウサギの尾)
別名…バニーテール、ラビットテール
科名…イネ科
属名…ラグラス属
原産国…地中海沿岸地域
花色…白
草丈…20㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:8 to 11
ラグラスとは
ラグラスは、地中海沿岸地域を中心に分布するイネ科ラグラス属の一年草です。
分布域は、北アフリカのモロッコからエジプト、南ヨーロッパのポルトガルからギリシャ、近東のトルコからイスラエルなど、地中海を囲むように広がっており、沿岸地域の砂地の場所の他、草地や道路脇などで一般的に見られる草花です。
愛らしい花穂から観賞用として世界で広く栽培されており、栽培を逸出したものがオーストラリアやアメリカなどで帰化植物として定着しています。
日本でも帰化しているのが確認されています。
ラグラスの花期は4月~6月。
花期になると、伸びた細い茎の頂部に長さ2~6㎝、径1~2㎝程度の花序を出し、花を咲かせます。
花序は長卵形~卵形で、淡い緑色からクリーム色をしています。
花序を構成するのは小花(ショウカ)と呼ばれる花弁を持たない小さな花で、花序が顔を出してしばらくすると、花糸が伸び、黄色い葯を持つ雄蕊が見えるようになります。
▼ラグラスの花の様子
小花はイネ科特有のうろこ状に変化した苞葉(穎:エイ)の中にあり、穎の先からは芒(ノギ)と呼ばれる長い毛が伸びています。
芒の下部には細かく白い毛が密生しているため、愛らしい花穂となっています。
和名の「ウサギノオ」、英名の「バニーテール」は、ウサギのしっぽのように見えるこの花穂に由来しています。
花穂は花後も残り長期間観賞できる他、ドライフラワーとしてもよく利用されています。
▼ラグラスの花穂(矮性種)
葉は線形~披針形で互生し、葉には細かい毛が密生しています。
株は花穂をつけて草丈20~50㎝程度に成長します。
草丈20~40㎝程度の矮性種も流通しています。
▼無数の花穂を付けたラグラス
耐寒性があり、丈夫な性質です。
放任でもよく育ち、たくさんの花穂を立ち上げます。
病害虫の発生もほとんど無く、こぼれ種でもよく増えます。
ラグラスの主な品種
バニーテール(Lagurus ovatus ‘Bunny Tail’)
草丈20~40㎝程度に成長する矮性種です。
基本種に比べると花穂が短く、丸く愛らしい形をしています。
性質、育て方は基本種と大差ありません。
オーナメンタルグラス
ラグラスの他では以下のようなものがオーナメンタルグラスとして栽培されています。 大半はイネ科の植物ですが、一部キジカクシ科、カヤツリグサ科などの植物もあります。
ラグラスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日光を好み、日当たりの悪い場所ではうまく育たないので、よく日の当たる場所で育てて下さい。
酸性土壌を嫌うので、植え付け場所にはあらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておきます。
冬越し
耐寒性があり、特に対策の必要はありません。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥には強い性質で、過湿な環境では根腐れを起こしやすいので、水のやりすぎには注意して下さい。
肥料
やせ地でも育つ植物で、多くの肥料を施す必要はありません。
庭植えでは、生育に問題がないようであれば、肥料を施す必要はありません。
鉢植えの場合は、植え付け時の元肥の他、春先に緩効性化成肥料を株元に置き肥するか、液体肥料を施して下さい。
植え付け
適期は秋の10月~11月、春の3月~5月です。
移植を嫌う性質です。
植え付けの際には、根を傷めないように注意して下さい。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作っておきます。
株間は20㎝程度です。
※酸性土壌を嫌うので、植え場所が酸性の場合はあらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておいて下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことができます。
※こぼれ種でもよく増えます。
種まき
適期は秋の9月下旬~11月上旬です。
移植を嫌う性質なので、花壇や鉢に直播きするか、ポットに種をまきます。
覆土は種が薄く隠れる程度に。
発芽までは乾かさないように管理します。
発芽後は生育を見ながら間引き、ポットに蒔いたものはポットに根が回ったら根が傷つかないように注意して定植して下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。