- 学名…Oxalis triangularis A.St.Hil.
- 和名…サンカクカタバミ(三角片喰、三角酢漿草)
- 別名…インカカタバミ、インカノカタバミ、烏葉オキザリス、紫の舞、オキザリス・レグネリーなど
- 科名…カタバミ科
- 属名…カタバミ属
- 原産国…南アメリカ
- 花色…白・ピンク
- 草丈…10cm~30cm
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 11
オキザリス・トリアングラリスとは
オキザリス・トリアングラリスは、南アメリカに分布するカタバミ科カタバミ属の多年草です。
分布域は、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン、ペルーなどにあり、河川沿いの岩場、森林の開けた場所などに自生しています。
美しい葉を持ち栽培が容易なことから、世界で広く流通している球根植物です。
主に栽培されるのは亜種であるパピリオナケア種(Oxalis triangularis subsp. papilionacea)から作出された品種です。
オキザリス・トリアングラリスの花期は4月~10月。
花期になると、葉の間から花茎を伸ばして花序を出し、小さな花を咲かせます。
花茎は15~35㎝の長さで、花序には1~9個の花が付きます。
▼オキザリス・トリアングラリスの花序
花は白~淡ピンク色~淡紫色の5弁花で、花弁は1.5~2.5㎝の長さです。
▼オキザリス・トリアングラリスの花
雄しべは10個あり、上下2段に分かれて5個ずつ付いています。
▼オキザリス・トリアングラリスの雄しべ
雌しべの柱頭は5個あります。
異形花柱性で、雌しべが雄しべより長い花と短い花が混在します。
▼オキザリス・トリアングラリスの雌しべ
果実は長さ1.2~1.8㎝の蒴果です。
葉は根生し、葉柄は長さ12~20㎝。
小葉は3個あり、長さ3~5㎝の倒三角形~倒卵状三角形で、暗紫色、または淡緑色をしています。
小葉の中心には多くの場合、明るい色の斑点があります。
▼オキザリス・トリアングラリスの葉の様子
葉は日が当たると開き、夜間は閉じます。
株はこんもりと茂り、草丈10~30㎝程度に成長します。
▼大きく育ったオキザリス・トリアングラリス
春に植えて初夏から開花する春植え球根で、冬の間は地上部を枯らせて休眠し、春になると再び芽を出します。
強健な性質で、放任でもよく育ち、花を咲かせます。
自然分球で増えますが、時々こぼれ種でも芽を出します。
オキザリスの名前の由来
オキザリスという名前はギリシャ語の「oxys=酸っぱい」という単語に由来しています。
葉や茎にしゅう酸を含んでいるので、口に含むと酸味があります。
オキザリス・トリアングラリスの品種
オキザリス・トリアングラリスには基本種であるトリアングラリス種(Oxalis triangularis subsp. triangularis)の他、亜種であるパピリオナケア種(Oxalis triangularis subsp. papilionacea)があります。
両種の違いはごくわずかです。
・トリアングラリス…萼片が鋭角で、しゅう酸塩の塊が無い、または小さい。
・パピリオナケア…萼片が鈍角~やや鈍い鋭角で、しゅう酸塩の塊が厚い。
両種共に園芸品種が作出され、流通しています。
オキザリス・トリアングラリス ‘紫の舞’
「紫の舞」という品種があるわけではなく、暗紫色の葉色を持つ品種が「紫の舞」の名前で流通します。
多くの場合、亜種であるパピリオナケア種から作出された園芸品種で、葉には明るい色の斑点が入ります。
花色はピンク色~白色。
オキザリス・トリアングラリス ‘緑の舞’
明るい緑色の葉色を持つ品種で、葉に斑点が入らないものが「緑の舞」の名前で流通します。
多くの場合、基本種であるトリアングラリス種から作出された品種です。
花色はピンク色~白色。
オキザリス・トリアングラリス ‘銀の舞’
明るい緑の葉色に、淡緑色の斑点が入る品種です。
多くの場合、基本種から作出された ‘Marmer’ が「銀の舞」として流通しています。
花色は白色。
オキザリス・トリアングラリスの近縁種
オキザリス・トリアングラリスが属するカタバミ属は世界に約700種が知られており、南半球の熱帯、亜熱帯を中心に、温帯まで広く分布しています。 栽培が容易で花の美しい種が数多くあることから、観賞用として広く親しまれています。 栽培されているカタバミ属の植物には本種の他以下のようなものがあります。
オキザリス・トリアングラリスの育て方
栽培環境
日なたから半日蔭の水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと、徒長して花付きが悪くなります。
半日程度は日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し・夏越し
冬越し
関東以南の地域であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。
寒冷地の場合は、霜や寒風に当たらない場所で管理するか、室内に取り込んで下さい。
15℃以上の気温があれば常緑で冬越しします。
夏越し
夏の直射日光で葉が傷んだり、花付きが悪くなったりすることがありますが、枯れることはありません。
気になるようなら、半日蔭に移動するか遮光して下さい。
水やり
乾燥には強いので、やや乾き気味に管理します。
庭植えの場合はほぼ降雨のみで大丈夫です。
開花期に乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植え、鉢植え共に、春の4月~5月の間に、緩効性化成肥料を置き肥するか液体肥料を施します。
多肥にする必要はありません。
植え付け・植え替え
適期は3月~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりで生育が悪くなるようなら植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、分球して植え付けます。
庭植えの場合は、株が込み過ぎているようなら分球を兼ねて植え替えを行って下さい。
増やし方(分球)
自然分球でよく増えます。
分球
休眠期に球根を堀り上げて下さい。
球根が増えているので、分けて植え付けます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。