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アンゲロニア

  • 学名…Angelonia
  • 和名…ホソバアンゲロンソウ
  • 別名…エンジェルラベンダー
  • 科名…オオバコ科
  • 属名…アンゲロンソウ属
  • 原産国…中央アメリカ~南アメリカ
  • 花色…ピンク、紫、白、青、複色
  • 草丈…30㎝~60㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

アンゲロニアとは

アンゲロニア

アンゲロニアは、オオバコ科アンゲロンソウ属の多年草です。
アンゲロンソウ属の植物は、中央アメリカから南アメリカを中心に約30種が分布しています。
その中でアンゲロニアとして流通しているのは、主にホソバアンゲロンソウ(Angelonia angustifolia)を元に作出された園芸品種です。

ホソバアンゲロンソウは、メキシコから西インド諸島に分布しており、カリブ海の低地で最も多く自生が見られます。
近縁種であるアンゲロニア・インテグリマとのハイブリッド品種も多数あり、ホソバアンゲロンソウの品種として流通しています。

その他ではアンゲロンソウ(Angelonia gardneri)、ヤナギバアンゲロンソウ(Angelonia salicariifolia)なども流通することがあります。

どの種も本来は多年草ですが耐寒性が低いため、日本では一年草として扱われています。
「エンジェルラベンダー」という名前で流通することがありますが、ラベンダーの仲間ではありません。


アンゲロニアの花期は6月~10月。
花期になると、伸びた茎の上部に花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は長さ20㎝程度の穂状です。

▼アンゲロニアの花序

アンゲロニアの花序

花は花径2㎝前後の唇形花(しんけいか)です。

※唇形花(しんけいか)…シソ科、ゴマノハグサ科の植物に多く見られる花の形。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれ、唇のような形になっている。上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼ぶ。

アンゲロニアの唇形花は、上唇が2裂、下唇が3裂しており、ややキンギョソウの花に似ています。

▼アンゲロニアの花の様子

アンゲロニアの花

雄しべは4個、葯は2裂しています。

▼アンゲロニアの雄しべ

アンゲロニアの雄しべ

雌しべ1個は雄しべの間にあり、花が咲き進むと雄しべがしおれ見えるようになります。

▼アンゲロニアの雌しべ

アンゲロニアの雌しべ

花は長い花期の間、次々と咲き続けます。
花色は紫、ピンク、白、ブルー、複色。

▼ピンク色の花を咲かせるアンゲロニア

ピンク色の花を咲かせるアンゲロニア

葉は対生し、長楕円形~披針形です。

▼アンゲロニアの葉

アンゲロニアの葉の様子

茎は直立し、花を咲かせながら草丈30~60㎝程度に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるアンゲロニア

たくさんの花を咲かせるアンゲロニア

耐暑性が高く、育てやすい植物です。
ある程度の耐陰性も兼ね備えており、数時間程度の日照があれば育ちます。

関連図鑑

アンゲロニアの育て方

アンゲロニアの育て方

栽培環境

日当たりと風通しの良い場所が適しています。
ある程度の耐陰性があるので、1日2~3時間程度の日照が確保できれば元気に育ちます。
水はけの良い土壌を好むので、水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土をするなどして環境を整えて下さい。

夏越し、冬越し

夏越し

高温多湿の環境に強い植物です。
特に対策の必要はありません。

冬越し

本来は多年草なので、冬越しをさせれば翌年も花を楽しむことが出来ます。

冬越しさせる場合は、花後に室内に取り込んで下さい。
花が終わったら、株元から数えて3段目の枝の上くらいで切り戻します。
5℃以下にならない場所で、極端に水切れをさせないように管理して下さい。
上手く冬越しができれば、春に新しい芽を出します。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

肥料

庭植えの場合は、元肥として腐葉土や完熟堆肥、緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は庭植え、6月~10月の間に緩効性化成肥料を定期的に置き肥して下さい。

鉢植えの場合も同様で、6月~10月の間、緩効性化成肥料と液体肥料を併用して肥料を切らさないようにします。

植え付け

適期は5月~6月です。
水はけが良く、保水力のある土壌を好みます。

庭植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
水はけの悪い土地の場合は、盛り土をするなどして工夫して下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(中粒)5、腐葉土3、ピートモス2などの混合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んだものを使います。

切り戻し

花が終わった花穂は、脇芽のついている上で切り戻してやると、脇芽が伸びて2~3週間で再び花を付けます。
たくさん植えていて手が回らない場合は、夏になって咲き終わった花茎が目立つようになってから、草丈の1/2位の高さで脇芽が残るようにバッサリと切り戻して下さい。

種まき

種の採取

花後に丸い果実が出来るので、茶色く熟したら採取します。
種は果実の中に入っているので取り出して、紙袋などに入れて涼しい場所で保管して下さい。

種まき

適期は4月下旬~6月です。
発芽には23℃前後の温度が必要なので、十分に暖かくなってから種を蒔いて下さい。

種はポットなどに蒔き、覆土はしません。
水を切らさないように管理して発芽を待ちます。
早ければ一週間前後で発芽します。
発芽後はしばらく育苗し、定植して下さい。

増やし方(挿し木、種まき)

挿し木、種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては、上記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し木

適期は6月~7月上旬です。

茎を2~3節くらいの長さで切り取って挿し穂にします。
一番下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
発根には4週間前後かかります。
芽が伸び始めたら定植して下さい。

秋の9月頃に挿し木をして冬越しすることもできます。
寒さには弱いので、気温が下がり始めたら室内に取り込んで冬を越して下さい。

病気・害虫

アブラムシ

新芽によくアブラムシが付きます。
見付け次第駆除して下さい。

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