多年草・宿根草 ハーブ

オレガノ

  • 学名…Origanum vulgare L.
  • 和名…ハナハッカ(花薄荷)
  • 別名…ワイルドマジョラム
  • 科名…シソ科
  • 属名…ハナハッカ属
  • 原産国…ヨーロッパ、北アフリカ、ロシア、中国など
  • 花色…ピンク色
  • 草丈…25㎝~60㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 8

オレガノとは

オレガノ

オレガノは、ヨーロッパからロシア、中国、台湾に分布するシソ科ハナハッカ属の多年草です。
分布域は北半球の温帯地域に広く広がっており、草原や雑木林、道ばたなど、石灰質の土壌などに多く自生しています。

オレガノとは広義の意味ではハナハッカ属の植物全般のことを指しますが、大別するとハーブとして利用されるオレガノと花を観賞するオレガノがあり、ここでは前者のハーブとして利用される品種(Origanum vulgare)を「オレガノ」として紹介しています。


オレガノの花期は6月~8月。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は直径5㎝程度の円錐形です。

▼オレガノの花序

オレガノの花序

花は長さ5~7㎜の唇形花(しんけいか)です。

唇形花(しんけいか)とは、シソ科の植物に多く見られる花の形です。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれており、この様子を口に見立て、上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼びます。

オレガノの唇形花は、上唇は卵形で先が浅く2裂、下唇は大きく3裂しています。
雄しべは4個あり、内2個が長く花冠から突出します。

▼オレガノの花の様子

オレガノの花

花冠筒部の外側にはまばらに毛が生えています。

▼オレガノの花の様子

オレガノの花の様子

オレガノには全草にミントに似た爽やかな芳香がありますが、花期には一層香りが強くなります。
ハナハッカの和名は、この芳香に由来しています。
基本種の花色は薄いピンク色ですが、一部では白花を咲かせる品種もあります。


果実は1㎜以下の小堅果です。

▼オレガノの果実

オレガノの果実
オレガノの果実

葉は対生し、長さ1~4㎝、幅0.4~1.5㎝の卵形~長楕円形です。
葉には絨毛があり、緑色~やや紫色を帯びます。
斑入り品種や明るい葉色の黄金葉品種もあり、美しい葉色から花壇にもよく植栽されます。

▼オレガノの葉

オレガノの葉の様子

茎には下向きの毛、または僅かな綿毛が生えており、紫色を帯びます。
草丈25~60㎝程度に成長します。
※横に広がって成長する品種もあります。

▼オレガノの茎に生える毛

オレガノの茎に生える毛

育てやすいハーブですが、夏の湿気が苦手なため、夏場の管理には少し注意が必要です。
冬には地上部を枯らし、春に再び芽吹きます。

オレガノの主な品種

ゴールデンオレガノ(Origanum vulgare ‘Aureum’)

ゴールデンオレガノ

明るい葉色の黄金葉品種です。
白い花を咲かせますが、基本種に比べると花付きはやや劣ります。
草丈80㎝程度に成長します。

オレガノ・カントリークリーム(Origanum Vulgare ‘Polyphant’)

オレガノ・カントリークリーム

葉の縁に入る白い斑が美しい品種です。
白い花を咲かせますが、基本種に比べると花付きはやや劣ります。
小型品種で草丈40㎝程度に成長します。

オレガノの育て方

オレガノの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。

冬越し・夏越し

冬越し

冬に地上部は枯れますが、根が凍らなければ春に再び芽吹きます。
葉が枯れたら地際で切り戻し、寒冷地の場合は、株元をマルチングして防寒対策を施して下さい。

鉢植えの場合は、土が凍らない軒下などで管理します。

夏越し

高温多湿の環境が苦手です。
梅雨前に込み合った枝を間引き、風通しをよくしてやります。
鉢植えの場合は、梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動して下さい。

水やり

乾燥気味の環境を好むので、過湿には注意して下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
庭植えの場合は、極端に乾燥しない限り、降雨のみで大丈夫です。

肥料

庭植え、鉢植え共に、春に緩効性化成肥料を置き肥ます。

オレガノは多肥になると香りが弱くなったり徒長して倒れやすくなります。
少なめの肥料で十分なので、与えすぎには注意して下さい。

植え付け・植え替え

適期は4月~5月、9月中旬~10月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。
さらに腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作ります。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土にパーライトを1~2割ほど混ぜ込んで土を作ります。
または、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの配合土を使います。

植え替え

根詰まりを起こすと生育に影響するので、鉢植えの場合は2年に1度は植え替えを行います。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。

収穫、切り戻し

収穫

葉を利用する場合は、最も香りが良くなるのは、開花直前です。
株元から5㎝程度の高さでバッサリと刈り取って、収穫します。
日陰でよく乾燥させて、密閉容器などで保存します。

花を利用する場合は、花が咲いてから刈り取ります。

切り戻し

冬になって葉が枯れたら、地際で切り戻して下さい。
春になればまた芽吹きます。

増やし方(挿し芽、株分け、種まき)

挿し芽、株分け、種まきで増やすことが出来ます。

挿し芽

適期は4~5月、9~10月です。
芽の先端を10㎝程度の長さに切り、挿し穂にします。
下葉を取り除いたら水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理したら、2週間ほどで発根します。

株分け

大株になれば株分けをすることが出来ます。
植え替え時に、掘り上げた株を分けて下さい。
傷んだ根は取り除き、新しい根を傷つけないように注意します。

種まき

適期は3月下旬~4月、9月中旬~10月中旬です。

種が非常に細かいので、育苗箱に種が重ならないように注意してばらまきます。
覆土は種が隠れる程度に薄く。
発芽したら間引き、本葉が4~6枚程度になったら定植して下さい。

病気・害虫

アブラムシが春先に発生することがあります。
見付け次第駆除して下さい。

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