ヒペリカム

  • 学名…Hypericum
  • 科名…オトギリソウ科
  • 属名…オトギリソウ属
  • 原産国…中央アジア~地中海沿岸部
  • 花色…黄色
  • 樹高…20㎝~100㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 8

ヒペリカムとは

ヒペリカム

ヒペリカムは、世界に広く約460種が分布するオトギリソウ科オトギリソウ属の植物です。
分布の中心はユーラシア大陸の温帯~亜熱帯地域ですが、熱帯低地や砂漠、極地を除けばほぼ世界中に野生種が分布する巨大な植物群です。
その形態は一年草から多年草、低木まで多岐に渡りますが、観賞用として栽培されるのは美しい花を咲かせる低木です。

オトギリソウ属の中で園芸植物として古くから栽培されているのは、中国原産のキンシバイやビヨウヤナギです。
近年ではそれらに加え、海外から導入された新しい品種が栽培されるようになり、これらを総して学名である「ヒペリカム」の名前で呼んでいます。


ヒペリカムの花期は6月~7月。
花期になると、伸びた枝先に、鮮やかな黄色の花を咲かせます。
花は径3~7㎝程度で5弁花で、多数ある雄しべが特徴的です。
※花の大きさ、雄しべの長さは品種により異なります。

花は花期の間次々と開花し、花後には赤く愛らしい果実を実らせる品種もあります。
樹高は大きく育っても1m程度で、大型の宿根草のように扱うことが可能です。

耐寒性、耐暑性共に優れており、病害虫の心配もほとんど無く育てやすい花木です。

ヒペリカムの主な品種

ビヨウヤナギ(Hypericum monogynum)

ビヨウヤナギ

中国原産の半常緑の低木で、日本には江戸時代に渡来しています。
花は径5㎝前後で、雄しべは基部で5つの束となっています。
それぞれの束には30個前後の雄しべがあり、花弁より長く目立ちます。

葉は長楕円形~披針形で、十字対生します。

※十字対生とは、節ごとに付く葉が90度ずつ捻じれており、上から見ると十字の形に見える葉の付き方のことです。

▼ビヨウヤナギの葉の様子

ビヨウヤナギの葉の様子

樹高1mほどに育ちますが強剪定ができるため、コンパクトに育てることも可能です。

⇒ビヨウヤナギの詳しいページはこちら

キンシバイ(Hypericum patulum)

キンシバイ

中国原産の半常緑の低木で、日本には江戸時代に渡来しています。
花は径3~4㎝程度のカップ形でうつむき加減に咲き、多数の雄しべは基部で5つの束になっています。
それぞれの束には60個前後の雄しべがあり、花弁の半分程度の長さです。

葉は楕円形~長楕円形で、対生します。

▼キンシバイの葉の様子

キンシバイの葉の様子

樹高1mほどに育ち、ビヨウヤナギ同様に強剪定可能で、小さく育てることが出来ます。

大輪キンシバイ(ヒペリカム・ヒドコート:Hypericum patulum ‘Hidcote’)

大輪キンシバイ

キンシバイの園芸品種で大きな花を咲かせます。
花径は5㎝~6㎝で、花弁が大きく開きます。
花期が長く生育旺盛なため、近年ではキンシバイに代わって広く栽培されています。
強剪定可能です。

葉は対生ではなく、ほぼ十字対生となっています。

▼大輪キンシバイの葉

大輪キンシバイの葉の様子

西洋キンシバイ(ヒペリカム・カリキナム:Hypericum calycinum)

セイヨウキンシバイ

南東ヨーロッパ、南西アジア原産の常緑低木です。
世界で広く栽培されており、アメリカやオーストラリアなど多くの地域で帰化植物として定着しています。

ヒメキンシバイとも呼ばれます。
花は径5~10㎝程度で、多数の雄しべは基部で5つの束になっています。
それぞれの束には100個前後の雄しべがあり、花弁より長く目立ちます。
雄しべは真っすぐ伸び、葯はやや赤みを帯びています。
ビヨウヤナギによく似ていますが、ビヨウヤナギの雄しべはフワッとカールしています。

葉は楕円形~卵形で、対生します。

▼セイヨウキンシバイの葉の様子

セイヨウキンシバイの葉の様子

樹高50㎝前後に成長し、地下茎で非常によく増えます。
ある程度の耐陰性もあるためグランドカバーとしてよく利用されています。

黄金葉品種の「ゴールデンフォーム」も流通しています。
こちらは花ではなく葉を楽しむリーフプランツです。

ヒペリカム・トリカラー(Hypericum x moserianum ‘Tricolor’)

ヒペリカム・トリカラー

セイヨウキンシバイとキンシバイの交配種で、葉の縁にクリーム色の斑が入ります。
斑は強い日差しや低温で赤く色付きます。
樹高30㎝程度の矮性で、グランドカバーとして利用される他、寄せ植えにも使われます。

ヒペリカム・アンドロサエマム(Hypericum androsaemum)

ヒペリカム・アンドロサエマム

地中海地域に分布する半落葉低木で、花後に実る果実は熟すと赤くなります。
和名はコボウズオトギリ。

花は径1.5~3㎝程度で、雄しべは花弁と同程度の長さです。
樹高1m程度に成長します。

ヒペリカム・キャンディフレア

ヒペリカム・キャンディフレア

アンドロサエマムの園芸品種で、花後に愛らしい果実を実らせます。
果実の色は赤、ピンク、クリーム色など。
夏の強い日差しで葉焼けを起こすことがあります。

ヒペリカムの育て方

ヒペリカムの育て方

栽培環境

水はけの良い、日なたから半日蔭の場所が適しています。
日陰でも育ちますが、徒長して花付きが悪くなります。
枝が横に張り生育旺盛なので、アンドロイドサエマム以外は通常庭植えで育てます。

アンドロイドサエマムは夏の直射日光で葉焼けを起こすことがあるので、夏は強い日差しを避けられる場所が適しています。
夏以外の季節はよく日に当てることで実付きがよくなります。

カリキナム、アンドロサエマムは風通しが悪い環境ではさび病を発病しやすい品種です。
風通しの良い場所で育てて下さい。

冬越し、夏越し

冬越し

暖地では常緑で冬越しすることが多いです。
耐寒性はあるので、対策無しでそのまま冬越し可能です。

夏越し

アンドロサエマムは夏の強い日差しで葉焼けを起こします。
鉢植えの場合は、夏場は半日陰の場所に移動して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

肥料

庭植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
鉢植えの場合は、春から秋の生育期に、少量の緩効性化成肥料や液体肥料を定期的に施します。

植え付け、植え替え

適期は3月~4月、10月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として、少量の完熟堆肥を混ぜておきます。

鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)1などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、1年~2年に一度の植え替えを行います。

剪定

適期は3月頃です。

カリキシナム、トリカラー

小型品種のため、剪定の必要はありません。
枯れた枝があれば取り除いて下さい。

アンドロイドサエマム

あまり強く刈り込むと枝枯れをする場合があるので注意して下さい。

その他の品種

コンパクトに育てたい場合は、株元から20~30㎝程度の高さで刈り込んで下さい。
萌芽力が高いので、思い切った剪定をしてもすぐに芽吹きます。

増やし方(株分け、挿し木)

株分けと挿し木で増やすことが出来ます。

株分け

適期は3月~4月、10月です。
株を堀り上げて、適当な大きさに株分けをして植え付けて下さい。

挿し木

適期は開花前の5月~6月です。

枝を10cmほの長さに切り取って挿し穂にします。
先端の葉を2~3組残して葉を落とし、蕾がついていれば落とします。
30分ほど水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理して、発根を待ちます。

病気、害虫

さび病

カリキナムやアンドロイドサエマムはさび病が発生することがあります。
気温が下がる10月頃の発生が多く、発病すると葉に茶色の斑点ができ、枯死することもあります。
風通しの良い場所で発生を抑制し、夏以降に殺菌剤を使用すると予防に効果的です。

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