多年草・宿根草

ハタザオギキョウ

  • 学名…Campanula rapunculoides L.
  • 和名…ハタザオギキョウ(旗竿桔梗)
  • 別名…カンパニュラ・ラプンクロイデス
  • 科名…キキョウ科
  • 属名…ホタルブクロ属
  • 原産国…ヨーロッパ、西アジア、コーカサス地方
  • 花色…紫
  • 草丈…60cm~130㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:3 to 9

ハタザオキキョウとは

ハタザオギキョウ(カンパニュラ・ラプンクロイデス)

ハタザオギキョウは、ヨーロッパ、西アジア、コーカサス地方原産のキキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。
分布域は標高2000m以下の地域にあり、森の開けた場所や丘陵、牧草地や草原などに自生しています。

美しい花を咲かせること、また、葉や新芽、根がかつては食用として利用されていたため、北アメリカなどに導入さています。
北アメリカでは現在、栽培逸出したものが帰化植物として広い地域で定着しており、畑や道端などで普通に見られる草花の一つとなっています。
優れた環境適応力を有し、旺盛な繁殖力を持つことから、アメリカの一部の地域では特定外来生物に指定され、栽培や移動が禁止されています。

日本には大正時代に導入されており、北アメリカ同様に関東以北の各地で野生化しているのが確認されています。


ハタザオギキョウの花期は5月~7月。
花期になると、真っ直ぐに伸びた茎の上部に花序を出し、紫色の花を多数、穂状に咲かせます。
花序は大きく育つと60㎝を超える長さになり、花は花序の下から上へと咲き進みます。

▼ハタザオギキョウの花序の様子

ハタザオギキョウの花序

花は長さ2~4㎝程度の釣鐘形で、先が5裂しており、各裂片はやや反り返ります。

▼ハタザオギキョウの花の様子

ハタザオギキョウの花

雄しべは5個、雌しべは1個、柱頭は咲き進むに従って3裂します。
雄性先熟で、雄しべは蕾の状態で花粉を放出し、開花時には枯れています。

▼ハタザオギキョウの雄しべと雌しべ

ハタザオギキョウの雄しべと雌しべ

花色は紫色のみ。

▼たくさんの花を咲かせたハタザオギキョウ

たくさんの花を咲かせるハタザオギキョウ

葉は互生し、長さ7~15㎝、幅2~5㎝の卵形~披針形で、基部は心形、先は尖ります。
縁に鋸歯があります。
葉柄は短く、上部では無柄。

▼ハタザオギキョウの葉の様子

ハタザオギキョウの葉の様子
ハタザオギキョウの葉の様子

茎は直立し、花を咲かせながら草丈60~130㎝程度に成長します。

▼大きく育ったハタザオギキョウ

大きく育ったハタザオギキョウ

日本の高温多湿の夏がやや苦手な性質です。
カンパニュラの中では比較的暑さに強い種類ですが、関東以南の地域では夏場に強い西日が当たらないような場所で育てます。

花後には地上部を枯らせてロゼット状の葉を展開し冬越しします。
耐寒性が高く丈夫な性質でよく増え、こぼれ種でも発芽します。

関連図鑑

カンパニュラの仲間は北半球を中心に約300種が知られており、日本にも数種が分布しています。
山野の道端などでよく目にするホタルブクロも同属の近縁種で、カンパニュラの仲間ということになります。

ハタザオギキョウの育て方

カンパニュラ・ラプンクロイデス(ハタザオギキョウ)の育て方

栽培環境

日当たりを好みますが、高温多湿の気候は苦手な性質です。
風通しと水はけが良い場所で育てて下さい。

暖地で庭植えの場合は、西日を避けられる落葉樹の東側などがお勧めです。
日照時間が足りないと徒長して花付きも悪くなるので、少なくとも半日程度は日の当たる場所で育てて下さい。

株は年々大きくなるので、ある程度の広さが必要です。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。

夏越し

関東以北では、そのまま対策無しで夏越し可能です。
暖地で鉢植えの場合は、西日が避けられる半日蔭の場所に移動して下さい。
蒸れを防ぐために花が終わった花茎は、株元から10㎝程度の高さで切り戻します。
時期が早ければ、脇芽が伸びて再び花を咲かせます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬場は乾燥気味に管理します。

肥料

庭植え、鉢植え共に、4月~6月の生育期に緩効性化成肥料を施します。

植え付け、植え替え

3月~4月、9月~10月が適期です。

植え付け

中性~弱アルカリ性の土壌を好みます。
植え場所の土壌が酸性の場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいてください。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作り、元肥として堆肥を混ぜ込んでおきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

直根性で移植を嫌います。
植え付けの際は根鉢を崩さずに植え付けて下さい。

植え替え

鉢植えの場合は、生育旺盛なので、根詰まりをしているようなら植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合は、特に必要ありませんが、増えすぎているようなら株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。

増やし方(株分け)

株分け、種まきで増やすことが出来ますが、地下茎でよく増えるので株分けが簡単です。

株分け

適期は3月~4月、9月~10月です。
掘り上げた株を切り分けて、植え付けて下さい。

病気、害虫

春先にナメクジによる食害が発生することがあります。
発生した場合は、捕殺するか、専用の薬剤などで駆除して下さい。

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