宿根草・多年草、一年草・二年草の草花、庭木などガーデニング植物の特徴、育て方、増やし方などについて紹介しています。

ガーデニングの図鑑

アガパンサスの育て方

学名…Agapanthus
和名…ムラサキクンシラン(紫君子欄)
科名…ヒガンバナ科
属名…ムラサキクンシラン属(アガパンサス属)
原産国…南アフリカ
花色…青、青紫、白、複色
草丈…30㎝~150㎝
日照…日なた~半日蔭
難易度…星
USDA Hardiness Zone:品種による

アガパンサスとは

アガパンサス

アガパンサスの仲間は、南アフリカを中心に約10種が分布するヒガンバナ科アガパンサス属(ムラサキクンシラン属)の多年草です。
分布域は南アフリカの他、レソト、スワジランド、モザンビークなどにあり、「ナイル・リリー」または「アフリカン・リリー」と呼ばれています。
美しい花を咲かせることから、世界で広く栽培されており、逸出したものがオーストラリアやイギリス、アメリカなど一部の地域で帰化しています。

アガパンサスは交配種、園芸品種の生産が盛んな植物で、現在では300種以上の品種があると言われています。
日本で栽培されているものの多くは、ムラサキクンシランの和名を持つアガパンサス・アフリカヌス種(Agapanthus africanus)であると言われていますが、南アフリカの国立生物多様性研究所によると、アフリカヌス種ではなく、プラエコクス種(A. praecox)およびプラエコクス種の亜種を元に作出された園芸品種だとされています。
※詳細は下記「アガパンサスの主な品種」の項目を参照下さい。
「ムラサキクンシラン」の和名を持ちますが、クンシランとの近縁種という訳ではありません。

アガパンサスの花期は6月~7月。
花期になると、真っ直ぐに伸ばした花茎の頂部に花序を出し、花径2~5㎝程度の花を多数咲かせます。
花序は10~20㎝程度の半球形になり、一つの花序には20~30個の花が付きます。
花は花冠が深く6裂した漏斗形で、裂片は軽く反り返ります。

▼アガパンサスの花の様子

アガパンサスの花

花色は青、青紫、白、複色。

▼白い花を咲かせるアガパンサス

アガパンサス

やや肉厚で光沢のある葉は線形で、地際から多数出て茂ります。
常緑種と落葉種、その中間の種があり、草丈30㎝程度の小型種から1mを超える大型種まで、バラエティーに富んだ品種が流通しています。

▼アガパンサスの葉の様子

アガパンサス

丈夫な性質で育てやすい植物です。
落葉種は耐寒性が高く、常緑種は半耐寒性です。
放任でもよく育ち、たくさんの花を咲かせます。

▼たくさんの花を咲かせたアガパンサス

アガパンサス

※アガパンサスは、2009年に公表されたAPG III分類体系でヒガンバナ科に分類されていますが、かつてはアガパンサス科またはユリ科、ネギ科などに分類されていたこともあります。

アガパンサスの主な品種

アガパンサス・アフリカヌス(Agapanthus africanus)

南アフリカ西ケープ州の希望岬に分布するアガパンサスです。
半耐寒性の常緑種で、草丈50~60㎝程度に成長し、青紫色の花を咲かせます。

日本に限らず世界で最も栽培されているアガパンサスと言われていますが、普及しているのは本種ではなく、下記のプラエコクス種です。
アフリカヌスには2種の亜種がありますが、両種共に栽培は非常に困難とされています。
両種は南アフリカ・希望岬固有の種であり、分布域は酸性の砂質土壌の山岳地帯にあり、暑くて乾燥した夏と湿った冬という特殊な気候を好むからです。
※詳細については、南アフリカ国立生物多様性研究所の「PlantZAfrica」プラエコクス種を参照下さい。

アガパンサス・プラエコクス(Agapanthus praecox)

南アフリカのケープ半島から西ケープ州中部にかけて分布するアガパンサスです。
半耐寒性の常緑種で、3種の亜種があります。

アガパンサス・プラエコクス・オリエンタリス(Agapanthus praecox subs. orientalis)

アガパンサス・プラエコクス

南アフリカの東ケープ州と南クワズール・ナタール州に分布する、プラエコクス種の亜種です。
草丈80~100㎝程度に成長し、薄紫(稀に白)の花を咲かせます。
多くの園芸品種の交配親となっている種で、園芸品種では白花の他、紫、薄紫、ブルーなどの花色が揃い、草丈も矮性種から高性種までバラエティーに富んでいます。

アガパンサス・クイーンマム(Agapanthus praecox subs. orientalis ‘Queen Mum’)

アガパンサス・クイーンマム

プラエコクスの園芸品種で、花の基部が青くなります。
花茎は100㎝程度に伸び、大きな花序に涼し気なグラデーションの花を咲かせます。

アガパンサスの育て方

アガパンサスの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日光を好みますが、半日蔭でも育ちます。
日照時間が足りないと花付きが悪くなるので、少なくとも半日程度は日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

品種によって耐寒性が異なります。
落葉種は耐寒性が高く、常緑種はやや劣ります。
どちらの品種も根まで凍ってしまうと枯れるので、凍結の心配がある時は腐葉土や敷き藁などで対策をしたり、冬の間は鉢上げをして凍らない場所で管理します。

常緑種は霜で葉が枯れてしまう場合があります。
霜よけを設置すれば安心ですが、葉が枯れても根が生きていれば春に再び芽吹きます。
葉を枯らさずに冬を越した方が春からの生育が良くなります。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。

過湿に弱く、やや乾燥気味の環境を好みます。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に堆肥や腐葉土を混ぜておきます。
追肥は必須ではありませんが、早春と秋に緩効性化成肥料を少量施すと、花付き、生育共によくなります。

鉢植えの場合は、4月~5月、9月~10月の生育期に緩効性化成肥料を月に1回程度、置き肥します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は3月~4月、9月~10月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、フカフカの土を作って下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

庭植えの場合は、数年が経過して株が混み過ぎているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
4~5年はそのままでも大丈夫です。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので1~2年に一度、植え替え行って下さい。

花茎切り

放っておくと結実して、養分が取られてしまいます。
種が必要でない場合は花が咲き終わったら花茎の付け根部分から切り取ってしまいます。

増やし方(株分け・種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ますが、株分けの方が簡単です。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照ください。

株分け

適期は3月~4月、9月~10月です。
あまり小さく分けすぎると開花までに時間がかかります。
3~5芽が一株になるように分けて下さい。

種まき

開花までには4~5年かかります。

種の採取

花後にできた鞘が茶色く枯れ、黒い種が見えて来たら採取できます。
長期保存すると発芽率が下がるので、すぐに播いて下さい。

種まき

適期は8月~9月です。
発芽温度は20℃~25℃です。
種は播種箱やポットにまき、覆土は種がやっと隠れる程度に薄く2~3mm。
発芽までには30日~40日程度かかります。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が3枚~4枚になったらポット上げして下さい。

病気・害虫

アブラムシが稀に発生することがあります。
見つけ次第対処して下さい。

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