観葉植物

ポインセチア

  • 学名…Euphorbia pulcherrima Willd. ex Klotzsch
  • 和名…ショウジョウボク(猩々木)
  • 別名…ポインセチア、クリスマスフラワー
  • 科名…トウダイグサ科
  • 属名…トウダイグサ属
  • 原産国…メキシコ、グァテマラ
  • 葉色…赤、白、ピンク、複色
  • 草丈…10㎝~100㎝力
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

ポインセチアとは

ポインセチア

ポインセチアは、メキシコ、グァテマラに分布するトウダイグサ科トウダイグサ属の常緑低木です。
分布域は、メキシコ、グァテマラの太平洋側山地にあり、樹高4m程度に成長します。

流通しているのは、原種であるユーフォルビア・プルケリマ(Euphorbia pulcherrima)を元に品種改良された園芸品種です。
日本へは明治20年に渡来しており、赤と緑の鮮やかな葉色から「クリスマスフラワー」とも呼ばれ、12月になると店頭を賑やかに飾る鉢物の定番となっています。
和名はショウジョウボク(猩々木)。


ポインセチアの花期は12月~2月。
花期になると、茎の頂部に多数の花序を出し、小さな花を咲かせます。
花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序(はいじようかじょ)です。

※杯状花序(はいじょうかじょ)…合着してカップ状になった総苞の中に、雄花数個と雌花1個が包まれる形になった花序。

▼ポインセチアの杯状花序の様子

ポインセチアの花序の様子

ポインセチアの杯状花序は、茎頂に15~25個が密生して付きます。

▼ポインセチアの密生する杯状花序

ポインセチアの密生する杯状花序

杯状花序には、雄花数個が付くもの、雌花1個が付くもの、雄花数個と雌花1個が付くものがあります。

▼ポインセチアの杯状花序の構造(雄花数個の花序)

ポインセチアの花の構造

①総苞(そうほう)
総苞は壺形で、上部が裂けており、裂片は5個。

②雄花
雄花は多数付きます。

③腺体(せんたい)
花序には1~2個の腺体が付きます。
腺体には蜜がたたえられています。

▼ポインセチアの雌花と雄花の花序

ポインセチアの雄花と雌花の花序

①雌花
雌花は花序に1個付きます。
柄があり、壺状の総苞から突出します。
子房は楕円形、花柱は3裂し、柱頭は2裂します。

②雄花
雄花は多数。

▼ポインセチアの雌花のみの花序

ポインセチアの雌花のみの花序

①雌花
花序には雌花が1個付きます。

②腺体
腺体は1~2個付きます。


密生した花序群の下には、5~7個の苞葉(ほうよう)が付きます。

※苞葉(ほうよう)…花序や花の基部に付く特殊化した葉

苞葉には柄があり、原種では長さ3~7㎝、幅1~2㎝の楕円形です。
苞葉は花期になると赤く色付きます。

▼ポインセチアの色付いた苞葉

ポインセチアの色付いた苞葉

苞葉の色は定番の赤の他、ピンク、白、紫、複色。
人工的に彩色したものもよく流通しています。

▼様々な色のポインセチア

白いポインセチア
赤いポインセチア
ピンク色のポインセチア
斑入りのポインセチア
青いポインセチア

葉は互生し、長さ6~25㎝、幅4~10㎝の楕円形~長楕円形~披針形です。
しばしば浅く裂け、葉柄は2~5㎝。

枝は多数分枝し、樹高10~100㎝に成長します。

▼ポインセチアの葉の様子

ポインセチアの葉の様子

耐寒性が低く、冬場は室内での管理が基本になります。
また、翌年も美しい葉色を楽しむためには短日処理が必要になり、育てるには少し手間のかかる植物です。
※近年作出される園芸品種には、短日処理をしなくても美しく発色する品種があります。

ポインセチアの原種

ユーフォルビア・プルケリマ(Euphorbia pulcherrima)

ポインセチアの原種

メキシコ南部、グァテマラに分布するポインセチアの原種です。
短日性植物で、日照時間が12時間以下になると花芽を作る性質があります。
苞が赤く色付くのは花の時期だけで、花期以外は緑葉の低木です。
この性質は園芸品種にも受け継がれています。

ポインセチアの名前の由来

1825年、アメリカ大使のポインセット氏がメキシコ駐在中に自生種を発見し、アメリカに持ち帰りました。
ポインセチアの名前は氏の名前に由来しています。
その後、欧州に渡り盛んに品種改良が行われ、葉色や大きさなどの異なった様々な品種が流通するようになりました。

ポインセチアの近縁種

ポインセチアが属するトウダイグサ属(ユーフォルビア属)は、世界に約2000種が分布する巨大な植物群です。
多くは熱帯の乾燥地域に分布しており、多肉植物として栽培される種を除くと1000~1500種の種が分類されています。

観賞用として栽培されているトウダイグサ属の代表的な植物(多肉植物以外)には以下のようなものがあります。

ポインセチアの育て方

ポインセチアの育て方

※ここでは鉢植えでの管理について紹介しています。

冬越し・夏越し・季節の管理

冬越し

日光を好み、寒さが苦手です。
生育温度は20~30℃で、最低でも気温が10℃以上の場所で管理します。
日中は窓際で太陽の光に十分当て、夜間は窓際から離して冷え込みから守ります。
暖房器具の風が直接当たると、乾燥で株が傷んでしまうので注意して下さい。
また、昼と夜の温度差が10℃以上の環境も好ましくありません。

水切れではないのに葉が萎れた場合は、寒さで弱ってしまった可能性があります。
気温が下がりすぎない場所で管理して下さい。

落葉することがありますが、枝が生きていれば再び芽吹きます。

春の管理

春になって気温が上がってくると芽が動き出します。
3月~4月になったら徐々に外の環境に慣らしていきます。
慣れたらしっかりと日光に当てて育てて下さい。
この時期に剪定を行うと、美しい樹形が保てます。

※剪定の方法については下記「剪定」の項目を参照ください。

夏越し

夏の強い日差しを浴びると葉焼けを起こしてしまいます。
半日蔭か日陰の場所で管理して下さい。

秋の管理

秋になったらしっかりと日に当てて育てます。
最低気温が15℃を下回るようになったら室内に取り込んで下さい。

※この時期に短日処理を行います。
購入時のような美しい葉色を楽しむために必要な作業です。
短日処理の詳しい方法については下記「短日処理」の項目を参照下さい。

水やり

どちらかと言うと乾燥気味の環境を好む植物です。
特に2月から新芽が動き出すまでの時期は、成長はほとんど止まっているので乾燥気味に管理して下さい。
用土の表面が乾いてから数日後に水やりをします。

新芽が動き出してから10月までの間は生育期です。
用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行って下さい。

肥料

5月~10月までの生育期に、緩効性化成肥料を月に1回程度置き肥するか、液体肥料を月に3~4回程度施します。

植え替え

適期は3月~5月です。
植え替えと同時に剪定も行って下さい。

用土は市販の観葉植物の培養土を使うか、赤玉土(中粒)5・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)2などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
根鉢を少し崩して、一回り大きな鉢に植え替えて下さい。

剪定

適期は3月~5月です。
剪定しなくても育ちますが、株の上部から新芽が芽吹くため腰高な姿になってしまいます。
各枝の節を3節以上残して剪定をして下さい。

※切り口から出る乳液は、皮膚が弱いとかぶれることがあるので注意して下さい。

短日処理

ポインセチアは短日性植物で、日照時間が12時間以下にならないと花を咲かせない性質があります。
このため人工的にこのような環境を作り、花芽分化を促します。
※近年新しく作出された品種では、短日処理をしなくても美しく発色する品種もあります。

短日処理を行う時期は9月~11月です。
夕方17時から翌朝8時まで、段ボール箱などを被せて短日条件を作り出します。
期間は40日~50日です。
葉が完全に色づくまでこの作業を行って下さい。
なお、この期間は夜間でも気温が15℃を下回らないよう注意が必要です。
気温が低すぎると、花芽がうまく出来ないことがあります。

※短日処理を行わなくても多少は色づきます。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月頃です。
新芽の先端を5~7㎝程度の長さに切り取って、下葉を2枚ほど取り除きます。
切り口から出る乳液を洗い流してから水揚げをして下さい。
挿し木用土に挿して、発根を待ちます。
発根までには1ヵ月程度かかります。

病気・害虫

オンシツコナジラミ

室内で管理していると発生することがあります。
葉裏に寄生して樹液を吸い取ります。
風通しをよくすると発生をある程度防ぐことができます。

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