別名…ミューレンベッキア、ワイヤーバイン
科名…タデ科
属名…ミューレンベッキア属
原産国…オーストラリア、ニュージーランド、タスマニア
草丈…5㎝~20㎝(ツルの長さ10㎝~2m)
日照…日なた~半日蔭
難易度…

USDA Hardiness Zone:7 to 9
ワイヤープランツとは
ワイヤープランツは、タデ科ミューレンベッキア属のツル性低木です。
ワイヤープランツの仲間であるミューレンベッキア属の植物は、南米、オーストラリア、ニュージーランド、タスマニアなどを中心に南半球に約23種が分布する多年草、または低木です。
その内、ワイヤープランツとして栽培されるのは、ミューレンベッキア・アクシラリス種(Muehlenbeckia axillaris)と、ミューレンベッキア・コンプレクサ種(M. complexa)です。
前種のアクシラリス種は、ニュージーランド、オーストラリアに分布しており、高地の川近くの斜面などで自生が見られます。
後種のコンプレクサ種は、ニュージーランドに分布しており、海の近くの茂みなどに自生しています。
両種の草姿は酷似していますが、アクシラリス種の方がやや葉が小さく、節間も短いのが特徴です。
ただし、流通している品種にはコンプレクサ種の矮性選抜品種もあり、学名の記載もやや混乱気味で同定は困難な状況です。
日本への渡来時期は不明ですが、2000年前後から市場に流通するようになっており、寄せ植えやハンギングの素材として利用価値が高いことから、不動の人気を誇る植物です。
ワイヤープランツは、小さな丸い葉が愛らしいリーフプランツです。
葉は、径0.5~2.5㎝程度の円形~長楕円形で、短い葉柄を持ち、茎に互生します。
茎は針金のように細く、分枝しながら地面を這うように伸び、1~5mの長さに成長します。
壁や樹木によじ登っていく性質を持っており、針金などの枠型に這わせてトピアリーとして仕立てることも出来ます。
▼ワイヤープランツの葉の様子
▼大きく育ったワイヤープランツ
葉色は基本種の緑葉の他、斑入り品種があり、葉がハート型やスペード型になる品種も流通しています。
▼斑入りワイヤープランツ
葉が愛らしいワイヤープランツですが、夏から秋にかけて小さな花を咲かせます。
花は花径2~5㎜程度のごく小さなもので、薄い黄色をしています。
花後にはベル状の実を付けることがありますが、どちらも葉に埋もれて目立たず、観賞価値の高いものではありません。
▼ワイヤープランツの花
ある程度の耐陰性があるので観葉植物としても人気で、室内でも育てる事ができます。
耐寒性はあまり高くありませんが、霜の心配のない暖地であれば、常緑のまま戸外で冬を越します。
放任でもよく育ち、育てやすい植物です。
ワイヤープランツの育て方
栽培環境
日当たりの良い場所から半日蔭の場所に適応します。
ある程度の耐陰性はありますが、室内で育てる場合は窓際などの日が当たる場所で管理します。
日照不足になると徒長し、間の抜けた草姿になります。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-5℃前後です。
地面が凍らなければ戸外での冬越しが可能です。
霜に当たると葉が落ちてしまいますが、茎は生きているので春に再び芽吹きます。
落葉させたくない場合は、霜の当たらない場所に移動するか、室内で管理して下さい。
最低気温が-5℃を下回るような地域では、室内に取り込んで冬越しをさせます。
冬越し中はやや乾燥気味に管理して下さい。
夏越し
水を切らさないように注意します。
また、夏場の直射日光で葉が変色することがあるので、鉢植えで管理している場合は半日蔭の場所に移動して下さい。
水やり
夏場にワイヤープランツが葉を落とす原因の多くは水切れです。
他の多くの植物は一度水を切らしても、再び水をやれば復活しますが、ワイヤープランツの葉は復活しません。
鉢植えの場合は特に注意して水を切らさないようにして下さい。
鉢植えの場合は、生育期の5月~9月は用土の表面が乾きかけたらたっぷりと水やりをします。
秋になって気温が下がってきたら水やりの回数を徐々に減らし、冬場は乾かし気味に管理します。
エアコンの効いた室内で育てている場合は、霧吹きで葉水を与えてやると葉が落ちるのを予防できます。
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
肥料
肥沃な土壌を好みます。
庭植え、鉢植え共に、5月~9月の生育期には緩効性化成肥料を定期的に施して下さい。
または液体肥料を2週間に1回程度施します。
植え替え、植え付け
適期は5月~6月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいので、最低でも2年に一度は植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。
庭植えの場合は植え替えの必要は特にありません。
切り戻し
株のバランスが悪くなったら適宜、切り戻しを行います。
真夏と真冬を除けばいつでも可能です。
ワイヤープランツは木なので、根元からばっさり切ってしまうと芽が出ないことがあります。
鉢植えで株が小さい内は特に気を付けて下さい。
増やし方(株分け、挿し木)
株分けか挿し木で増やすことが出来ます。
株分け
適期は5月~6月です。
植え替え時に株分けを行います。
取り出した根鉢をハサミやスコップで切り分けて、植え付けます。
匍匐した茎から根が出ることがあるので、切り離して植え付ける方法が簡単です。
挿し木
適期は5月~6月です。
茎を6~7㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の方の葉を落として水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
乾かさないように明るい日陰で管理して発根を待ちます。
根が伸びたらポット上げし、ポットに根が回ったら定植して下さい。
病気・害虫
病気の心配は特にありませんが、ハダニが時々発生します。
見つけ次第対処して下さい。
ハダニは水やりの時に葉裏に水をかけることである程度予防できます。
水やりの際には、茎や葉裏にも水がかかるようたっぷりと与えて下さい。