多年草・宿根草

ガーデンダリア

  • 学名…Dahlia x hortensis Guill.
  • 和名…ダリア
  • 別名…テンジクボタン(天竺牡丹)
  • 科名…キク科
  • 属名…ダリア属
  • 原産国…メキシコ
  • 花色…赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、紫など
  • 草丈…20㎝~100㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

ガーデンダリアとは

ガーデンダリア

ガーデンダリアは、キク科ダリア属の多年草です。

ガーデンダリアというのは、ダリアの品種の中の一つのグループです。
明確な分類があるわけではありませんが、花が小輪~中輪程度で草丈が20~100㎝、庭植えしやすく花を繰り返し咲かせ、長い期間楽しむことが出来る品種をガーデンダリアと呼んでいます。

原種であるダリア属の植物は、メキシコから中央アメリカに約36種が知られています。
その中で現在の多種多様な品種のもとになったのは、メキシコに自生していたダリア・ピンナタ(Dahlia pinnata)です。

ピンナタが初めてヨーロッパに導入されたのは1789年で、翌年マドリード王立植物園で最初の花が開花します。
その後、ピンナタを元に交配、改良が繰り返され、長い栽培の歴史を経て現在のダリアに繋がります。
※ダリア・ピンナタは現在絶滅したと考えられています。

ダリアの品種改良は現在も盛んに行われており、その数は優に3万を超え、最も品種が多い栽培植物となっています。
ここではその品種の一グループであるガーデンダリアについて紹介しています。


ガーデンダリアの花期は6月~10月。
※真夏は休みます。

花期になると、伸びた茎の頂部に、大きな頭花(とうか)を横向き、または下向きに咲かせます。

頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(かんじょうか)と、周辺の舌状花(ぜつじょうか)です。

▼ガーデンダリアの頭花

ガーデンダリアの頭花

舌状花は雌性、または稔性が無く、管状花は両性花です。

▼ガーデンダリアの舌状花と管状花

ガーデンダリアの舌状花と管状花

管状花は外側から内側へと咲き進みます。

雄性先熟で、先に雄しべが成熟した後、雌しべが伸びてきます。
雌しべの柱頭は2裂しています。

▼ガーデンダリアの管状花

ガーデンダリアの管状花

花色は赤、オレンジ、白、ピンク、黄色、紫など。
一重咲きから八重咲きまでバラエティーに富んだ花色と花姿の品種が揃います。
※八重咲き品種では管状花が舌状花に変化しています。

▼様々な花を咲かせるガーデンダリア

赤い花を咲かせるガーデンダリア
黄色い花を咲かせるガーデンダリア

葉は多くの品種で対生し、1~3回羽状複葉(うじょうふくよう)になります。

※羽状複葉(うじょうふくよう)とは、葉軸の左右に小葉が並んだもの。
羽状複葉が集まってさらに大きな羽状複葉を構成している場合、その回数に合わせて2回羽状複葉、3回羽状複葉と呼ぶ。

▼ガーデンダリアの葉の様子

ガーデンダリアの葉の様子

ガーデンダリアでは銅葉(黒葉)の品種が多いのも特徴の一つとなっています。
銅葉の品種は葉と花のコントラストが美しいだけでなく、カラーリーフとしての観賞価値もあります。

▼銅葉の品種ミッドナイトムーン(‘Midnight Moon’)

ガーデンダリア・ミッドナイトムーン

やや暑さに弱い性質ですが、切り戻しをすることで夏越しの確率が格段に上がります。
冬は地上部を枯らせて休眠し、春に再び芽吹きます。
寒い地域の場合は、球根を掘り上げて冬越しをすることになります。

ガーデンダリアの育て方

ガーデンダリア(プチダリア)の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日照時間が足りないと、徒長して花付きが悪くなります。
少なくとも半日以上は日が当たる場所で育てて下さい。

夏越し、冬越し

夏越し

鉢植えの場合は、梅雨の間は雨の当たらない軒下に移動します。

鉢植え、庭植え共に、7月頃に一度切り戻しを行うと夏越しが容易になります。
草丈の1/2程度の高さでバッサリと切り戻して下さい。

冬越し

地上部を枯らせて球根で冬越しします。
凍結の心配がある場合や、雪に埋まって多湿になる場合は球根を掘り上げて春まで保管します。
掘り上げの時期は、初霜が降りる前です。
地上部の茎を切って球根を掘り上げ、一週間ほど日陰で乾燥させます。
その後、段ボールなどに入れたピートモスやおがくずに埋めて、凍らない場所で春まで乾燥保管して下さい。

暖地や温暖地では庭で冬越しすることが出来ます。
マルチングや盛り土をして、球根を霜や凍結から守って下さい。
無事に冬越し出来れば春に芽吹きます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
蕾が付き始めた春頃に水切れをさせると、その後の生育に影響するので、水切れには注意して下さい。

肥料

4月~7月上旬、9月中旬~10月の間に、緩効性化成肥料を株元に1ヶ月に1回程度施すか、液体肥料を施します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は3月下旬~5月です。
球根は横向きに寝かせるか、斜めにして芽が上に伸びやすいようにして植え付けます。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、牛糞堆肥などを混ぜ込んでおきます。
植え付けの深さは5~10㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3の配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで使います。
植え付けの深さは3~5㎝程度です。

植え替え

鉢植えの場合は、3月中旬頃になって春の芽が動き出す前に、球根を掘り上げて新しい用土で植え替えを行います。
庭植えの場合は、株が込み合っているようなら分球を兼ねて植え替えを行って下さい。

摘心、切り戻し

摘心

摘心をすることで脇芽が増えて、花数が増えます。
芽が伸びて3~4節位の高さになったら、先端の芽を切って下さい。
一輪一輪はやや小さくなりますが沢山の花を付けるようになります。

切り戻し

ダリアの茎は筒状になっており、切り口から水が入ると腐ってしまうことがあります。
雨の時期の切り戻しは避けて下さい。

7月頃に草丈の1/2程度の高さで一度切り戻しを行います。
こうすることで夏越しをしやすくなります。
秋になって地上部が枯れたら、株元から切り取って下さい。

増やし方(分球)

分球で増やすことができます。

分球

分球は2月~3月頃になって芽が確認できるようになってから行います。
1つの球根に1つの芽が付くように分球して下さい。
芽が付いていないと、芽は出ないので注意が必要です。
芽が付いている部分は折れやすいので、カッターナイフなどで丁寧に切り分けます。

病気・害虫

うどんこ病

葉や茎に白い粉をまぶしたような病変が出来ます。
発見したら早期に、殺菌剤を散布します。
定期的に薬剤を使う事で予防もできます。

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