多年草・宿根草

宿根アスター

学名…Aster
別名…孔雀アスター、クジャクソウなど
科名…キク科
属名…シオン属(アスター属)
原産国…アジア、ヨーロッパ、北アメリカ
花色…白、紫、ピンク、赤、青
草丈…30㎝~200㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:

宿根アスターとは

宿根アスター

宿根アスターは、キク科シオン属の多年草です。
宿根アスターが属するシオン属の植物は、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに約152種が分布していますが、観賞用として栽培される品種を総じて「宿根アスター」と呼んでいます。
明確な定義があるわけではありませんが、日本では、シオンノコンギクなどが宿根アスターの仲間に入ります。
※シオンとノコンギクについては別ページで詳しく紹介しています。

宿根アスターの花期は品種によって異なりますが、6月~10月。
花期になると、伸びた茎の上部を多数分枝させ、頂部に花径1~3㎝程度の頭花を咲かせます。
頭花は中心部分の筒状花と、周囲で花弁のように見える舌状花から形成されている集合花です。
八重咲き品種では中心にある筒状花が舌状花に変化しています。

▼八重咲きの宿根アスター(クジャクアスター)

宿根アスター

一つ一つの花は小さく派手さはありませんが、野菊のようにどこか素朴で可憐な雰囲気を持つ植物です。
花色は白、紫、ピンク、赤、青。
花付きが非常に良く、一重咲きの他、八重咲き品種もよく流通しています。

▼紫色の花を咲かせる宿根アスター

宿根アスター

草丈180㎝程度になる高性種から30㎝程度の矮性種まであり、花色と共に選択肢の幅が広いのが特徴です。
耐寒性、耐暑性共に優れており、育てやすい植物です。

宿根アスターの代表的な品種

品種改良が非常に盛んで、交雑種も多数あることから正確な分類は困難です。

クジャク(孔雀)アスター

クジャクアスター

小さな花を無数に付けた株姿がクジャクの羽のように見えることからクジャクアスターと呼ばれています。
野生種のシロクジャクにユウゼンギクなどを掛け合わせた園芸品種、またはエリコイデス種やキダチコンギク種の園芸品種です。
クジャクソウの別名を持ちます。

花径1~3㎝の小さな花を株一杯に咲かせます。
草丈は70~180㎝で、主に120㎝前後の高性品種が多く流通しています。
花色は、基本色の白の他、紫、ピンク、ブルー。
最盛期の株は本当に孔雀の羽のようです。

ミカエルマス(ミケルマス)・デージー

宿根アスター

ユウゼンギクやネバリノギクの園芸品種や、北米原産のトラディスカンティー種に前述の2種などを交配した園芸品種です。
「ミカエルマス・デージー」の名は、「ミカエル祭(9月29日)」の頃に咲くことに由来します。
こちらも膨大な数の園芸品種が存在します。

花径3~4㎝の花を、枝分かれした花茎の先に多数咲かせます。
草丈は30~180㎝で、100㎝前後の品種が多く流通しています。
花色は紫の他、ピンク、白、赤。
花付きが非常によく、クジャクアスターに比べると華やかな印象です。

宿根アスターの近縁種

宿根アスターが属するシオン属は、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに約180種が分布しており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。
観賞用として栽培されているシオン属の植物には本種の他以下のようなものがあります。

宿根アスターの育て方

宿根アスターの育て方

栽培環境

日当たりの良い場所が適しています。
半日蔭程度でも育ちますが、徒長して花付きが悪くなり、本来の美しさは楽しめません。
年間を通してよく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

寒冷地の場合は、凍結対策が必要です。
秋の花後に葉が枯れて来たら、地上部を刈り取ります。
庭植えの場合は、株元に土を寄せたり腐葉土や藁で覆い、凍結対策をして下さい。
鉢植えの場合は、凍らない場所に移動して下さい。

水やり

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

やや乾燥気味の環境を好み、多湿な環境が続くと根腐れを起こします。
水のやりすぎに注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、生育期の5月~9月の間に、2000倍に薄めた液体肥料を1ヵ月に2回程度与えるか、春と秋に緩効性化成肥料の置き肥をします。

あまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。
多肥にすると草姿が乱れるので注意して下さい。

植え付け・植え替え

植え付け

適期は4月~6月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。

植え替え

適期は2月~3月の芽出し前です。

鉢植えの場合は、生育旺盛で根詰まりを起こしやすいので毎年の植え替えが必要になります。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。

庭植えの場合は、株が混み合って生育が悪くなって来たら植え替えを行います。
3~4年に一度、株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。

摘芯、切り戻し

摘芯

摘芯を行うことで、枝数が増えたくさんの花を咲かせます。
春に芽が伸びてきて本葉が5~6枚なったら、芽の先を摘んで下さい。
脇芽が出て葉が5~6枚になったら、再び摘芯の作業を行います。
2~3回程度繰り返すことで、株一杯の花を咲かせてくれるようになります。

切り戻し

秋に咲く高性種の場合は、草丈を抑えるために切り戻しを行います。
6月~7月頃に草丈の1/3~1/2の位置でバッサリと切り戻して下さい。
放っておくと草丈が伸びすぎて倒れやすくなります。

秋の花が終わって葉が枯れ始めたら株元から5㎝程度の高さでバッサリと切り戻して下さい。

増やし方(株分け、挿し木)

株分けと挿し木で増やすことが出来ます。

株分け

適期は2月~3月です。
一株に3~5芽が付くようにハサミなどで切り分けて植え付けます。
あまり小さく分けるとその後の生育が遅れるので注意して下さい。

挿し木

適期は5月~6月です。
茎を先端から8㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下部の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理したら、1ヵ月ほどで発根します。

病気・害虫

うどんこ病

葉や茎に小麦粉をまぶしたような病変が現れます。
発生した場合は、殺菌剤で対処して下さい。
風通しの良い環境で育てることで、発生を抑制することができます。

アブラムシ

蕾が見え始めた頃に発生しやすい害虫です。
見つけ次第、駆除して下さい。

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