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ヒメツルニチニチソウ

  • 学名…Vinca minor
  • 和名…ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)ここに入力
  • 別名…ビンカ・ミノール
  • 科名…キョウチクトウ科
  • 属名…ビンカ属
  • 原産国…ヨーロッパ、トルコ
  • 花色…紫、青、白
  • 草丈…10㎝~20㎝(ツルは50㎝)
  • 日照…半日蔭~日陰
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 9

ヒメツルニチニチソウとは

ヒメツルニチニチソウ(ビンカ・ミノール)

ヒメツルニチニチソウ(ビンカ・ミノール)は、中央および南ヨーロッパ、トルコに分布するキョウチクトウ科ビンカ属の常緑亜低木です。
分布域はポルトガル、フランス~オランダ、バルト海諸国、東コーカサス地方、およびトルコにあり、海抜1300m以下の落葉樹林の中や森林の縁、道路脇や荒れ地などに自生しています。
1700年代に観賞用として北米に導入され、現在栽培逸出したものがアメリカ西部の地域を中心に野生化しています。

近縁種のツルニチニチソウによく似ていますが、草丈が低く、葉や花もやや小さいのが特徴です。
また、ツルニチニチソウに比べると耐寒性、耐陰性があります。


ヒメツルニチニチソウの花期は4月~7月。
花期になると、茎の上部の葉腋から花柄を伸ばし、花を咲かせます。
各葉腋には1個の花が付きます。

花は径2.5~3㎝程度の大きさで筒部は細く、花冠は大きく5裂して平らに開きます。

▼ヒメツルニチニチソウの花の様子

ヒメツルニチニチソウの花

花の中央には5角形の副花冠が見られます。
※副花冠とは花被の内部にできる花冠状の構造物で、副花冠を持つ植物ではスイセンなどが良く知られています。

▼ヒメツルニチニチソウの副花冠

ヒメツルニチニチソウの副花冠

花筒の中には細かく白い毛が生えています。
雄しべは5個、花筒の中間から出て内側に曲がっており、黄色い葯が雌しべに蓋をするような形になっています。
雌しべは1個、柱頭は円盤状で細かい毛が生えています。

▼ヒメツルニチニチソウの雄しべ

ヒメツルニチニチソウの雄しべ
花筒の中央に黄色い葯が見える

萼は5裂しており、裂片は狭楕円形で、毛はありません。
※ツルニチニチソウの萼には毛があります。

▼ヒメツルニチニチソウの萼片

ヒメツルニチニチソウの萼片

花色は紫、青、白、赤紫色。

▼白い花を咲かせるヒメツルニチニチソウ

白い花を咲かせるヒメツルニチニチソウ

葉は対生し、長さ1~4.5㎝、幅0.5~2.5㎝の長円形~楕円形、または卵形です。
革質で深緑色、表面には光沢があります。
葉に白い斑が入る斑入り品種もあります。

▼ヒメツルニチニチソウの葉の様子

ヒメツルニチニチソウの葉
写真は斑入り品種の Vinca minor ‘Variegata’

茎は地面を這うように横に伸び、節から発根しながら長さ50㎝程度に伸びます。
分枝した茎はやや立ち上がり、草丈10~20㎝に成長します。

▼成長して広がったツルニチニチソウ

ヒメツルニチニチソウ

繁殖力があり、放任でもよく育ちよく広がります。
斑入り品種の葉は美しく、リーフプランツとしても利用価値があります。
耐陰性もあるので、日陰の庭にも植栽することが出来ます。
グランドカバーの他、寄せ植えなどにも利用されます。

関連図鑑

ヒメツルニチニチソウの育て方

ヒメツルニチニチソウ(ビンカ・ミノール)の育て方

栽培環境

半日蔭~日陰の場所に適応します。
日当たりが良い方が花付きが良くなりますが、夏場の強い日差しが一日中当たるような場所では葉が傷み、成長が鈍ります。
日陰でも育てることが出来ますが、美しい状態で花と葉を楽しむためには、ある程度の日照が必要になります。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。

夏越し

夏場の強い日差しを嫌います。
鉢植えの場合は、半日蔭の場所に移動して下さい。

水やり

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。

追肥は、庭植え、鉢植え共に、春に緩効性化成肥料を株元に施します。
鉢植えの場合は、さらに秋にも肥料を施します。

植え付け、植え替え

適期は春の3月~5月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合は特に必要ありませんが、増えすぎているようなら株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。

増やし方(株分け、挿し芽)

株分けと挿し芽で増やすことが出来ます。

株分け

適期は3月~5月、9月中旬~10月です。
伸びたツルの節から発根するので、根を確認して切り取り、植え付けて下さい。

挿し芽

適期は5月~6月です。
ツルを2~3節分の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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