多年草・宿根草

カラー(湿地性)

学名…Zantedeschia aethiopica
和名…オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
別名…エチオピカ
科名…サトイモ科
属名…オランダカイウ属(ザンテデスキア属)
原産国…南アフリカ、レソト、スワジランド
花色…白
草丈…40㎝~100㎝
日照…日なた(夏は半日蔭)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:8 to 11

カラー(湿地性)とは

カラー(湿地性)

カラーの仲間は、南アフリカに約8種が分布するサトイモ科オランダカイウ属(ザンテデスキア属)の球根植物です。
内1種のみが水を好む湿地性のカラーで、その他の7種は水はけの良い土地を好む畑地性のカラーです。
ここでは水を好む湿地性のカラー、エチオピカについて紹介しています。

エチオピカとして流通しているのは、オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)の変種で四季咲き性のチルドシアナ種を元に作出された園芸品種が主流です。
オランダカイウはアフリカ南東部の南アフリカ、レソト、モザンビーク、スワジランドに分布するカラーで、海岸から標高2250mまでの湿地帯に大きなコロニーを作って自生しています。
17世紀にはヨーロッパに紹介されており、美しい花を咲かせることから世界で広く栽培されています。

カラー(エチオピカ)の花期は6月~7月。
花期になると、葉の間から花茎をスラリと伸ばし、紙を巻いたような特徴的な花を咲かせます。
花弁のように見える部分は葉が変化した苞(ほう)と呼ばれるもので、本来の花は中心にある棒状の部分です。
棒状の部分は肉穂(にくすい)と呼ばれ、上部に雄花、下部に雌花を付けます。
エチオピカは畑地性のカラーに比べると、苞の先が広く開いているのが特徴です。
花色は白のみ。

▼エチオピカの花

カラー エチオピカ

最近では、本来の花である肉穂の部分にも小さな花弁のような苞を持つ、「プレア」という吹き詰め咲き品種も流通しています。

葉は矢じり形で濃い緑色をしており、長い葉柄を持ちます。

▼カラー(エチオピカ)の葉

カラー

畑地性のカラーに比べると耐寒性が高く、適地であれば放任でもよく育ちます。
水辺や湿地ではよく増え、よく花を咲かせます。
適した場所がない場合は、鉢植えにして腰水栽培をします。
温度があれば常緑で冬を越し、その他の場合は地上部を枯らせて春に再び芽吹きます。

和名「オランダカイウ」の名前の由来

和名の「オランダカイウ(阿蘭陀海芋)」は、オランダ原産という意味ではなく、江戸時代にオランダ船によって持ち込まれたことに由来するものです。
「カイウ(海芋)」とは、水を好み、芋のような塊根を持つことに由来します。

※畑地性のカラーについて下記を参照下さい。

カラー(湿地性)の育て方

カラー(湿地性)の育て方

栽培環境

基本的に日当たりを好みますが、真夏の強い日差しは苦手です。
夏場の直射日光を避けられる場所で育てて下さい。
一年中半日蔭のような場所だと、花付きが悪くなります。
夏場は半日蔭が望ましいですが、その他の季節はよく日のあたる場所が適しています。

原種の自生地は、水辺の近くの湿地です。
庭植えにする場合は、湿り気のある土地で育てて下さい。
水辺などで育てると水切れの心配がなく、元気に育ちます。
適した場所がない場合は、鉢植えにして腰水栽培にします。

冬越し、夏越し

冬越し

球根が凍るような寒さでなければ、そのまま庭植えで冬越し可能です。
球根の上を腐葉土やバークチップなどでマルチングをしたり、盛り土をして保温して下さい。
凍結の心配がある場合は、球根を掘り上げて保管し、春に植え付けます。

鉢植えの場合は、腰水栽培をしていると凍結しやすいので、気温が下がって凍結の心配がある場合は、室内に取り込みます。

夏越し

鉢植えの場合は、高温期に腰水栽培をしていると球根が腐りやすくなります。
夏場は風通しの良い半日蔭の場所に移動し、水温が上がりすぎるようなら、腰水栽培を止めて管理します。

水やり

春に水切れをさせると花が咲かないことがあります。
鉢植えの場合は、受け皿に水を溜めて腰水栽培にして下さい。

庭植えで湿り気のある土地で育てている場合は、特に水やりの必要はありません。

肥料

あまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。
庭植えの場合は、肥料はほとんど必要ありません。
鉢植えの場合は、春に芽が出た頃に緩効性化成肥料を施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は春の3月中旬~4月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで土を作ります。
植え付けの深さは、球根の頭がちょうど地面と同じ高さになる程度の浅植えです。
株間は30㎝程度です。

鉢植えの場合は、水持ちの良い土が適しています。
土の種類はあまり選びませんが、田土で育てると生育が非常によくなります。
自分で土を作る場合は、赤玉土(小粒)4・腐葉土2・パーライト2・ピートモス2などの配合土を使います。
6号鉢に1~2球が目安で、球根の頭が少し見える程度の浅植えにします。

植え替え

鉢植えの場合は、株が混み合ってくると生育が悪くなります。
1~2年に一度、株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。

庭植えの場合は、数年は植えっぱなしで大丈夫です。
株が混み合って生育が悪くなるようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。

花茎切り

花が終わったら、花茎の根元から切り取って下さい。

増やし方(株分け)

株分け(分球)で増やすことが出来ます。

株分け(分球)

適期は早春の植え替え時です。
掘り上げた球根を切り分けて植え付けて下さい。

病気・害虫

軟腐病

高温期に腰水栽培をしていると発生することがあります。
夏場は風通しの良い半日蔭に移動し、水温が上がり過ぎるようなら受け皿の水を捨てて下さい。

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