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ホリホック(タチアオイ)

  • 学名…Alcea rosea
  • Synonym…Althaea rosea
  • 和名…タチアオイ(立葵)
  • 英名…ホリホック(Hollyhock)
  • 科名…アオイ科
  • 属名…タチアオイ属
  • 原産国…地中海沿岸(有力説)
  • 花色…赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫、黒、複色
  • 草丈…60㎝~200㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ホリホック(タチアオイ)とは

ホリホック(タチアオイ)

ホリホック(タチアオイ)は、アオイ科タチアオイ属の一・二年草、または多年草です。
中国経由で渡来したため中国原産と考えられていましたが、現在ではアルセア・セトサ(Alcea setosa)とアルセア・ビエニス(Alcea biennis)の雑種と推察されています。
セトサ種は東ヨーロッパ、ビエニス種は中部~東部ヨーロッパ原産の多年草です。

日本へは薬用として持ち込まれましたが、美しい花を咲かせることから観賞用として広く普及しています。
一般的な品種は二年草または短命な多年草ですが、一年草タイプの品種もあります。


ホリホックの花期は6月~8月中旬。
花期になると、長く伸びた花茎に、多数の花を穂状に咲かせます。
花は径6~10㎝程度の大きさで、一重咲きのものは5弁花です。

▼ホリホック(タチアオイ)の花

ホリホック(タチアオイ)の花

雄しべは多数が癒合して筒状になっており、中には雌しべが入っています。
雄性先熟(ユウセイセンジュク)で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後、雌しべが伸びてきます。

▼雄性期のホリホック(タチアオイ)の雄しべ

ホリホック(タチアオイ)の雄しべ
雄しべの葯からこぼれた花粉が花弁に落ちている

伸びた雌しべの花柱は成熟し、多数分枝します。

▼雌性期のホリホック(タチアオイ)の雌しべ

ホリホック(タチアオイ)の雌しべ

花は一重咲き、八重咲きの他、さらに花弁の多いピオニー咲きなどの品種があります。
花は花茎の下から上へと咲き上がります。

▼様々なホリホック(タチアオイ)の花

ホリホック(タチアオイ)の花
ホリホック(タチアオイ)の花
ホリホック(タチアオイ)の花

葉は互生し、直径6~16㎝の浅く5~7裂した掌状で、基部は心形となり、縁に不規則な鋸歯があります。
表面には皺が目立ち、葉柄は5~15㎝の長さです。

▼ホリホック(タチアオイ)の葉の様子

ホリホック(タチアオイ)の葉の様子

茎は直立し、毛が密に生えています。
花を咲かせながら、草丈60~200㎝程度に成長します。

▼ホリホック(タチアオイ)の茎の様子

ホリホック(タチアオイ)の茎の様子

▼たくさんの花を咲かせるホリホック(タチアオイ)

ホリホック(タチアオイ)

耐寒性、耐暑性共に優れており、育てやすい植物です。
多年草タイプのものであっても株の寿命は短く、花後に枯れることがよくあります。
品種によってはこぼれ種で毎年生えてきます。
ハマキムシによる葉の食害が発生しやすいので、注意が必要です。

よく似た草姿の植物にマロウ(ウスベニアオイ)があります。
マロウは同アオイ科、ゼニアオイ属の多年草、または一年草です。

ホリホック(タチアオイ)の育て方

ホリホック(タチアオイ)の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿にやや弱い性質なので、可能であれば風通しの良い場所で育てて下さい。

冬越し

耐寒性は高いのですが、小さな苗の時期は強い霜で傷んだり、枯れてしまうことがあるので、霜よけがあると安心です。
暖地、温暖地の場合は、株が充実して大きく育っていれば、特に対策の必要はありません。
寒冷地の場合は、株元を腐葉土や敷き藁でマルチングして防寒対策を施して下さい。

水やり

庭植えの場合は根が張れば、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んおきます。
追肥は特に必要ありませんが、多年草タイプで植えっ放しの株には、春に緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様です。

植え付け・植え替え

適期は3月~4月、10月~11月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合は、1~2年に一度、春か秋に植え替えを行って下さい。
株が込みすぎているようなら同時に株分けを行います。

増やし方(株分け・種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照ください。

株分け

適期は3月~4月、10月~11月です。
掘り上げた株を、1株に3~5芽が付くように分けて植え付けます。
出来るだけ根を傷めないように気を付けて下さい。

種まき

種の採取

花後に種が出来ます。
鞘がしっかりと枯れて種が熟したら採取できます。
1つの花から20~40粒ほど採れます。
採取した種は鞘から出し、袋などに入れて冷暗所で保管して下さい。

種まき

適期は4月~5月、9月中旬~10月中旬です。
温暖地、暖地の場合は、秋まきでじっくり育てた方が大きくなり花数も多く見ごたえがあります。

種は油分を含んだ皮に包まれて水をはじくので、まく前に一晩水に付けておきます。
移植を嫌う性質なので、種まきは直まきかポットまきで行います。
2~3粒ずつまいて覆土は5mm程度。
発芽温度は15℃~20℃で、発芽までは2~3週間程度かかります。
丈夫な苗を残して間引き、ポットまきの場合は根が回ってから定植して下さい。

病気・害虫

ハマキムシ

アオイ科の植物に発生しやすい害虫です。
葉がクルっと巻いていたり、糸で綴り合わせられていたら中にハマキムシが潜んでいます。
見つけ次第捕殺するか、数が多いようなら薬剤で対処して下さい。

ホリホックにはよく発生します。
放置しておくと食害で葉がボロボロになってしまうので、注意が必要です。

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