多年草・宿根草

ガウラ

  • 学名…Oenothera lindheimeri (Engelm. et A.Gray) W.L.Wagner et Hoch
    Synonym:Gaura lindheimeri Engelm. et A.Gray
  • 和名…ヤマモモソウ(山桃草)
  • 別名…ハクチョウソウ(白蝶草)、ガウラ
  • 科名…アカバナ科
  • 属名…マツヨイグサ属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…白、ピンク、赤、複色
  • 草丈…50㎝~150㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ガウラとは

ガウラ

ガウラは、北アメリカに分布するアカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。
分布域は、アメリカ・テキサス州およびルイジアナ州に広がっており、森林の開けた場所や草原、池の縁など、日当たりの良い場所に自生しています。

ガウラは以前ヤマモモソウ属(ガウラ属)に分類されていましたが、現在はマツヨイグサ属に統合されています。
ガウラの名前は旧学名(Gaura lindheimeri)が流通名として定着したもので、和名のヤマモモソウも旧学名に因んでいます。

日本には明治時代中期に渡来し、観賞用として栽培されていたものが逸出し、一部の地域で野生化しているのが見られます。


ガウラの花期は5月~10月。
花期になると、長く伸ばした茎の頂部、または上部の葉腋から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は10~80㎝の穂状、または総状花序です。

▼ガウラの花序

ガウラの花序

花は直径2~3㎝の4弁花です。
花弁は花の上側に一列に並び、花は咲き進むとピンク色を帯びます。

▼ガウラの花

ガウラの花

雄しべは8個、雌しべは1個。
雌しべは雄しべより長く、柱頭は4裂しています。

▼ガウラの雄しべと雌しべ

ガウラの雄しべと雌しべ

別名のハクチョウソウは、この花姿に由来します。
細い茎に咲いた花がゆらゆらと風に揺れる姿は、白い蝶が舞っているようで風情があります。

花色は白の他、ピンク、赤、複色。
一つの花は短命ですが、初夏から秋にかけて花は途切れることなく次々と開花します。

▼ピンク色の花を咲かせるガウラ

ピンク色の花を咲かせるガウラ

果実は紡錘形の小堅果(しょうけんか)。

※堅果(けんか)…乾燥して硬い果皮が種子を包み、裂開しない果実のこと。
小型のものを小堅果(しょうけんか)と呼ぶ。

▼ハクチョウソウの果実

ガウラの果実
Created by modifying "102126100" (Dan Johnson / CC BY 4.0)

葉は基部ではロゼット状になり、茎葉は互生。
長さ0.5~9㎝、幅0.1~1.3㎝の披針形で、縁に粗い鋸歯があります。

▼ガウラの葉の様子

ガウラの葉の様子

茎は多数分枝し、草丈50~150㎝程度に成長します。
近年では草丈40㎝程度に収まる矮性種もコンパクトガウラとして流通しています。

▼たくさんの花を咲かせるガウラ

たくさんの花を咲かせるガウラ

耐寒性、耐暑性に優れており、放任でもよく花を咲かせます。
こぼれ種でもよく発芽します。
冬は根出葉を残して地上部を枯らし、春に再び成長を始めます。

ガウラの育て方

ガウラの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所であれば、やせ地でも育ちます。
半日蔭でも育ちますが花付きが悪くなります。
多くの花を楽しむためには、よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し、夏越し

耐寒性、耐暑性共に優れており、日本全国で栽培可能です。
※一部には寒さにあまり強くない品種もあります。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に少量混ぜ込みます。
追肥の必要はありません。

鉢植えの場合は、真夏を除く生育期に緩効性化成肥料を月に1回程度、置き肥をして下さい。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、用土に少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は30㎝~35㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

生育旺盛で根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合は1年に1回の植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。

庭植えの場合は株が込み過ぎているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
年々大株になるので3~4年に1度が目安です。

切り戻し

花が咲き終わった茎は、半分くらいの高さで切り戻すと、新しく伸びた茎に花が付きます。
秋になって花が少なくなったら、地際10㎝ほどの高さでバッサリと切り取って下さい。
根出葉を残して冬越しをし、春になれば再び成長を始めます。

増やし方(挿し木、株分け、種まき)

こぼれ種でも増えますが、挿し木、株分け、種まきでも増やすことが出来ます。
種まきについては、下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し木(挿し芽)

適期は5月~6月です。

茎の先端から2節くらいを切り取り、挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
葉を取り除いた節が土に埋まるように挿して下さい。
水を切らさないように明るい日蔭で管理して発根を待ちます。

株分け

適期は4月~6月です。
太い根を傷つけないように株を堀り上げて、ハサミ等で切り分けて植え付けて下さい。

種まき

種の採取

花後にできた果実が茶色くなると中の種が熟しています。
熟した果実は風などで落下するため、注意して下さい。

収穫した種は、紙袋などに入れて涼しい場所で種まきまで保管します。

種まき

適期は4月~6月です。

播種箱やポットに、種が重ならないように注意して蒔きます。
こぼれ種でもよく増えるので、直まきでも大丈夫です。
覆土は種が隠れる程度に薄く2㎜ほど。
発芽温度は20℃~25℃です。
乾かさないように管理したら20日程度で発芽します。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が3~4枚になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回ってきたら定植します。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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