多年草・宿根草 グランドカバー

宿根バーベナ・テネラ

  • 学名…Glandularia tenera (Spreng.) Cabrera
    Syn. Verbena tenera Spreng.
  • 和名…ヒメビジョザクラ(姫美女桜)
  • 別名…バーベナ・テネラ
  • 科名…クマツヅラ科
  • 属名…ビジョザクラ属
  • 原産国…南アメリカ
  • 花色…白、ピンク、紫
  • 草丈…15cm~25cm
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:7 to 11

宿根バーベナ・テネラとは

宿根バーベナ・テネラ

宿根バーベナ・テネラは、南アメリカに分布するクマヅツラ科ビジョザクラ属の多年草です。
宿根バーベナ・テネラとして流通しているのは、ヒメビジョザクラの和名を持つグランダラリア・テネラ(Glandularia tenera)です。

グランダラリア・テネラは近年までクマツヅラ属(バーベナ属)に分類されていた経緯があり、バーベナ・テネラの名前で呼ばれることもあります。
※現在でもバーベナ属で分類される場合もあります。

グランダラリア・テネラの分布域は、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイにあり、牧草地や草原、森林の開けた場所、道ばたなどに自生しています。
観賞用として世界で広く栽培されており、現在フィリピンやインド、アジアの一部の地域で、導入されたものが逸出して帰化植物として定着しています。

一般的にバーベナとして流通する品種は寒さに弱く、一年草として扱うことが多いのですが、グランダラリア・テネラは耐寒性が高く、冬を越して翌年以降も花を咲かせます。
そのため宿根バーベナとも呼ばれますが、「宿根バーベナ」の名前はバーベナ・リギダの和名であるため、区別して「宿根バーベナ・テネラ」と呼ばれています。


宿根バーベナ・テネラの花期は5月~10月。
花期になると、分枝した茎の頂部に花序を出し、小さな花を密に咲かせます。
花序は散房状で、咲き進むと伸びていきます。

▼宿根バーベナ・テネラの花序

宿根バーベナ・テネラの花序

花は直径1㎝程度の高杯形で、先が5裂して平らに開きます。
裂片はさらに浅く2裂しています。

▼宿根バーベナ・テネラの花

宿根バーベナ・テネラの花

花色は、白、ピンク、紫。

▼白い花を咲かせる宿根バーベナ・テネラ

白い花を咲かせる宿根バーベナ・テネラ

葉は対生し、長さ1.5~3.5㎝の卵形で、3全裂し、さらに羽状に細かく裂けます。
小さな裂片は線形になります。

▼宿根バーベナ・テネラの葉の様子

宿根バーベナ・テネラの葉の様子

茎はよく分枝して地面を這うように横に広がります。
グランドカバーとしてよく利用されます。

▼宿根バーベナ・テネラの草姿

宿根バーベナ・テネラの草姿

冬になると地上部はほぼ枯れてしまいますが、春になると再び芽吹いて花を咲かせます。

宿根バーベナ・テネラの主な品種

「タピアン」シリーズ(Tapien Series)

バーベナ・タピアン
タピアンシリーズ・ローズ

タピアンはサントリーフラワーが開発したハイブリッド品種です。
宿根バーベナ・テネラに比べると格段に花付きが良くなっています。
紫、紅色、ピンク、やや紫を帯びた白など、豊富な花色が揃います。

関連図鑑

宿根バーベナ・テネラが属するビジョザクラ属は、世界に約100種が知られる多年草、または亜低木です。
美しい花を咲かせることから本種以外にも観賞用として栽培されます。
かつてクマツヅラ属(バーベナ属)に分類されていた経緯があり、バーベナの名前で呼ばれることの方が一般的です。

本来のバーベナであるクマツヅラ属では、バーベナ・リギダ、三尺バーベナなどが栽培されるています。
また、野の草花では在来種のクマツヅラ、帰化種のアレチハナガサなどがあります。

宿根バーベナ・テネラの育て方

宿根バーベナ(バーベナ・テネラ)

栽培環境

日当たりの良く、水はけの良い環境が適しています。
耐暑性は高く、真夏の直射日光に当たっても元気に花を咲かせます。

冬越し

秋に完全に花が終わったら、短く刈り込みます。

耐寒性は高い方ではありませんが、暖地ではそのまま戸外で冬越し可能です。
その他の地域では、霜よけなどを設置して下さい。
寒冷地の場合は、根を崩さないように掘り上げてプランターに移し、温かい場所で冬越しさせます。

小さな苗の場合は、暖地であっても寒さには注意が必要です。
その場合は株元をマルチングして防寒対策を施します。

水やり

庭植えの場合は、一度根付けば、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
真夏に乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
乾燥には比較的強い性質です。

肥料

花期が5月~10月と非常に長いので、肥料が必要になります。

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、緩効性肥料の置き肥か、液体肥料を月に2回程度、施します。

鉢植えの場合も同様です。

肥料が切れると花付きが悪くなります。

植え付け・植え替え

適期は4月~5月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行って下さい。

花がら摘み・切り戻し

花がら摘みをしないと、徒長して草姿が乱れます。
花が終わった花茎は付け根から切り取ります。
花期の途中でも姿が乱れたら、切り戻しを行って下さい。
1週間~10日ほどで新しい芽が出てきます。

切り戻しの位置は、草丈の1/2~1/3位で、必ず株元の葉を数枚残します。

増やし方(挿し芽)

挿し芽で増やすことが出来ます。

挿し芽

適期は春~初夏、または秋です。
しっかりした茎を先端から5~10㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。

地面に触れている部分から発根している事もあるので、そちらを移植しても増やすことが出来ます。

病気・害虫

うどんこ病

高温多湿の時期にバーベナに発生しやすい病気ですが、宿根バーベナ・テネラではあまり発生しません。

発生すると、葉や茎が白い粉をまぶしたように白くなります。
放置していても枯れてしまうことはありませんが、株が弱ります。
風通しを良くして発生を予防して下さい。

発生してしまった場合は、薬剤で病気の拡大を防ぎます。

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