別名…ユリアザミ、キリンギク
科名…キク科
属名…ユリアザミ属(リアトリス属)
原産国…北アメリカ
花色…紫、ピンク、白
草丈…30㎝~100㎝
日照…日なた
難易度…

USDA Hardiness Zone:3 to 8
リアトリスとは
リアトリスは、北アメリカに約35種が分布するキク科ユリアザミ属(リアトリス属)の多年草です。
その中で観賞用として栽培されるのは、アメリカ東部を中心に分布する、リアトリス・スピカタ種(Liatris spicata)とリアトリス・スカリオサ種(L. scariosa)、リアトリス・リグリスティリス種(L. lighlistylisu)の3種リアトリスで、それぞれの園芸品種の他、交配種も数多く流通しています。
地下茎が球根のように肥大することから球根植物として扱われることもあります。
日本には大正時代末期に渡来し、花がアザミに、葉がユリに似ていることから「ユリアザミ」の和名があります。
リアトリスの花期は6月~9月。
花期になると、真っすぐに伸びた茎の上部に花序を出し、アザミに似た頭状花を多数咲かせます。
頭状花は、筒状花のみで形成されており、キク科の植物に多く見られる花弁のような舌状花はありません。
リアトリスの頭状花は花冠が5裂した星形です。
5本の雄しべの葯は合着しており、葯筒からは雌しべが突出し、咲き進むに従って先端が2裂して長く伸びます。
▼リアトリスの花の様子
花序には穂状のものと玉状のものがあり、それぞれ「槍咲き」と「玉咲き」と呼ばれ区別されます。
花色は紫の他、ピンク、白。
花序は上から下へと咲き進みます。
▼リアトリスの花序
葉は株元では披針形、茎の上部では線形になり、互生します。
茎は真っすぐ上に伸び、草丈60~120㎝程度に成長します。
▼リアトリスの葉の様子
耐寒性、耐暑性ともに優れ、育てやすい植物です。
冬に地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。
リアトリスの主な品種
スピカータ系(槍咲き)
リアトリス・スピカータ種(Liatris spicata)とスカリオサ種(L. scariosa)を元に作出された品種群です。
スピカータ種はアメリカ北東部に、スカリオサ種はアメリカ東部に分布するリアトリスです。
茎の上部の花序は穂状で、頭状花が密に付きます。
花穂の長さは20~30㎝程度になり、群生させると見事です。
リグリスティス系(玉咲き)
リアトリス・リグリスティリス種(L. lighlistylisu)を元に作出された品種群です。
リグリスティリス種はカナダ・アルバータ州、アメリカ・ニューメキシコ州、ウィスコンシン州、ミズーリ州に分布するリアトリスです。
それぞれの頭状花がやや離れているため、茎に段々と玉状に咲きます。
リアトリスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと徒長し、花付きが悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し・夏越し
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
寒冷地で苗が小さい場合は、霜よけを設置すると安心です。
夏越し
高温多湿な環境がやや苦手です。
風通しを良くしてやり、蒸れるのを防いで下さい。
春に出た新芽の中からひ弱なものは取り除いて、芽数を減らすのも効果的です。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場で極度に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は新芽の出る前の3月、花後の9月に緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様に、芽出し前の3月、花後の9月に緩効性化成肥料を置き肥します。
多肥にすると葉ばかりが茂るので肥料は少な目に施します。
植え付け・植え替え
適期は3月~4月、10月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
元肥として、堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおいて下さい。
株間は30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行い、新しい用土で植え付けて下さい。
庭植えの場合は、数年間は植えっぱなしでも大丈夫ですが、連作を嫌うため、経年と共に株の勢いがなくなってきます。
その場合は、植え替えを行って下さい。
増やし方(株分け、種まき)
株分け、種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。
株分け
適期は3月~4月、10月です。
1株に2~3芽が付くように、株分けを行い植え付けます。
種まき
種の採取
種を採取する場合は、花後にすぐに切り戻さずに、茶色く枯れるまでそのままにしておきます。
枯れた花茎を切り取ったら、しっかりと乾燥させて種を採取して下さい。
種まき
適期は5月~6月です。
発芽温度は20℃前後。
ポットに数粒ずつ蒔き、種が隠れるように覆土をします。
水を切らさないように管理したら2週間程度で発芽します。
元気な芽を残して適当に間引き、根が回ってきたら定植します。
開花は翌年からになります。
病気・害虫
白絹病
連作障害で発生しやすくなります。
庭植えの場合も数年に一度は植え替えを行って下さい。
株が混み合って風通しの悪い環境でも発生しやすくなるので、風通しの良い環境で育てて下さい。