多年草・宿根草

トリテレイア

  • 学名…Triteleia
  • 別名…ヒメアガパンサス、ブローディア
  • 科名…キジカクシ科
  • 属名…トリテレイア属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…紫、青、白、黄色など
  • 草丈…20㎝~50㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

トリテレイアとは

トリテレイア

トリテレイアは、北アメリカ原産のキジカクシ科トリテレイア属の多年草です。
トリテレイア属には約15種の植物が分類されていますが、主にカナダ西部・ブリティッシュコロンビア州~アメリカ・カリフォルニア州を中心に分布しており、一種がメキシコ北西部にも広がっています。

その中で観賞用に栽培されるのは、トリテレイア・ラクサ(Triteleia laxa)、トリテレイア・ブリッジシー(Triteleia bridgesii)、トリテレイア・イキシオイデス(Triteleia ixioides)の三種です。
三種共にアメリカに自生するトリテレイアで、美しい花を咲かせます。


トリテレイアの花期は5月~6月。
花期になると、長い花茎を真っすぐに伸ばして花序を出し、多数の花を咲かせます。

▼トリテレイアの花序

トリテレイアの花序

花は直径1.5~3㎝の漏斗状で、外花被片3個と内花被片3個で構成されています。

※花被(かひ)…花において雄しべと雌しべの外側にある葉的な要素。
通常内外2列になっており、外側にある外花被(がいかひ)と、内側にある内花被(ないかひ)からなる。
外花被は「萼」、内花被は「花冠」と呼ばれますが、トリテレイアのように不明瞭なものは外花被・内花被と呼びます。

※個々の要素はそれぞれ外花被片・内花被片、あるいは萼片・花弁と呼ばれます。

花被片の中央には濃色の線が入ります。

▼トリテレイアの外花被片と内花被片

トリテレイアの外花被片と内花被片

雄しべは6個。雌しべは1個。
雄しべには交互に長短があり、湾曲し、葯は白~青色。
雌しべの柱頭は3裂しています。

▼トリテレイアの雄しべと雌しべ

トリテレイアの雄しべと雌しべ

トリテレイアの名前はギリシャ語で「3」を意味するトリアス(trias)から来ており、花を構成する花被片、雄しべ、柱頭がそれぞれ3個ずつあることに由来します。

花色は青、紫、白、黄色など。

▼トリテレイアの花

紫色のトリテレイア
ピンク色のトリテレイア
トリテレイア・ブリッジシー

葉は細い披針形~線状で、1~3枚が根生します。
花を咲かせながら草丈20~50㎝に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるトリテレイア

トリテレイア

丈夫な性質で、数年間は植えっぱなしでもよく増え、よく花を咲かせます。
花後は地上部が枯れて休眠に入り、秋に再び芽吹きます。

トリテレイアは、アガパンサスを小さくしたような花姿をしている事からヒメアガパンサスとも呼ばれています。
また、以前はブローディアエア属に分類されていたため、ブローディアの名前で呼ばれることもあります。

関連図鑑

トリテレイアの主な品種

トリテレイア・ラクサ(Triteleia laxa)

トリテレイア・ラクサ

アメリカのカリフォルニア州に自生しているトリテレイアです。
花色は青、紫、白。
花茎は30~60㎝に成長します。

園芸品種では、美しい青紫色の花を咲かせるクイーンファビオラ(cv. Queen Fabiola)が有名です。

トリテレイア・ブリッジシー(Triteleia bridgesii)

トリテレイア・ブリッジシー

カリフォルニア州からオレゴン州の、丘陵地帯や低山の傾斜地などに自生するトリテレイアです。
花色はライラック色~ピンク、青紫~赤紫色で、花茎は30~60㎝程度に伸びます。

トリテレイア・イキシオイデス(Triteleia ixioides)

トリテレイア・イキシオイデス

カリフォルニア州からオレゴン州に分布するトリテレイアです。
花色は黄色、または紫がかった白色で、花茎は10~80㎝程度に成長します。
写真は鮮やかな黄花を咲かせる園芸品種のゴールデンスター(cv. Golden Star)です。

他にも数種の原種が流通しています。

トリテレイアの育て方

トリテレイアの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、花付きが多少悪くなります。
寒風に当たると葉先が傷むことがあるので、風の避けられる場所で育てて下さい。

冬越し、夏越し

冬越し

強い霜に当たったり寒風に当たると葉が傷みます。
鉢植えの場合は霜や強い風を避けられる軒下などに移動をして下さい。
寒冷地の場合は霜よけを設置します。

夏越し

花後に葉が枯れて休眠期に入ります。

休眠期に水をやると球根が腐ってしまうことがあります。
鉢植えの場合は、雨の当たらない場所で管理して下さい。
庭植えの場合はそのまま夏越ししますが、心配なら葉が枯れてから球根を堀り上げ、秋まで風通しの良い場所で保管します。

水やり

庭植えの場合はほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾き始めたらたっぷりと。
休眠期には水やりの必要はありません。
花後から徐々に水やりを減らし、夏の間は完全に水を断ちます。

肥料

植え付け時に元肥として、緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
追肥は、液体肥料を3月下旬~5月の間に施します。

肥料が多すぎると球根が腐ってしまうことがあるので、少な目を心掛けて下さい。

植え付け、植え替え

適期は10月~11月です。

植え付け

庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておきます。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけを良くし、植え付け後は元肥として緩効性化成肥料を置き肥します。
株間は7~10㎝、覆土は3㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・軽石1などの水はけの良い配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
5号鉢に3~5球、深さ2~3㎝程度で植え付けます。

植え替え

鉢植えの場合は増えすぎると花付きが悪くなるので、2~3年に1度、分球を兼ねて植え替えます。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

増やし方(分球)

分球で簡単に増やせます。
自然に分球するので、植え替えの時に球根を分けて植え付けます。

病気・害虫

病害虫発生はほとんどありません。

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