- 学名…Tanacetum ptarmiciflorum
synonym Gonospermum ptarmiciflorum - 科名…キク科
- 属名…ヨモギギク属
- 原産国…カナリア諸島
- 花色…白
- 草丈…20㎝~60㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 9
シルバーレースとは
![シルバーレース](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-01.jpg)
シルバーレースは、アフリカ大陸北西の大西洋に浮かぶ島、カナリア諸島に分布するキク科ヨモギギク属の常緑多年草です。
分布域はカナリア諸島グラン・カナリア島にあり、森林や内陸の崖など岩の多い場所に自生しています。
現在では個体数が激減しており、国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
シロタエギクと草姿が似ており一品種と思われがちですが、シロタエギクはヤコバエア属、シルバーレースはヨモギギク属に分類された別属の植物です。
シロタエギクの近縁種ではありません。
シルバーレースの花期は5月~6月。
花期になると、伸びた茎の頂部に花序を出し、小さな頭花を多数咲かせます。
頭花(トウカ)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の花で構成されています。
中心部分の管状花(カンジョウカ)と、花弁のような舌状花(ゼツジョウカ)です。
▼シルバーレースの花序
![シルバーレースの花序](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-02-546x364.jpg)
舌状花は白く8~10個あり、管状花は黄色で多数。
▼シルバーレースの花
![シルバーレースの花](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-03-546x364.jpg)
管状花は筒状で先が5裂しており、外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟した後、雌しべが伸びてきます。
雌しべの柱頭は2裂しています。
▼シルバーレースの管状花
![シルバーレースの管状花](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-04.jpg)
葉は羽状複葉で細かい切れ込みを持ちます。
葉茎には短毛が密生しているため、シルバーの葉色を発色すると共に、触ると柔らかい手触りです。
▼シルバーレースの葉の様子
![シルバーレースの葉](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-07-546x364.jpg)
![シルバーレースの葉](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-06-546x364.jpg)
株は分枝しながら草丈60㎝程度に成長します。
▼大きく育ったシルバーレース
![大きく育ったシルバーレース](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/15-tanacetum_ptarmiciflorum-08-546x364.jpg)
シロタエギクに比べると耐寒性、耐暑性共にやや劣り、繊細な性質です。
高温多湿な環境が苦手なため、暖地では梅雨や夏場に枯れてしまうこともあります。
また、強い霜にも注意が必要です。
清楚な白い花は銀葉とよく合いますが、花を咲かせると株が弱ります。
夏越しが難しい場合は、蕾の段階で切り取って下さい。
「シロタエギク」や「ダスティーミラー」の名前で流通することがあり、混同されがちです。
蒸れと寒さに注意すれば、病害虫の発生もあまり無く、育てやすい植物です。
関連図鑑
シルバーレースの育て方
![シルバーレースの育て方](https://shiny-garden.com/wp-content/uploads/2015/03/14_silver_lace_03.png)
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも枯れることはありませんが、徒長して葉色も悪くなります。
乾燥気味の環境を好むので、風通しが良い場所で育てて下さい。
冬越し・夏越し
冬越し
関東以西の平地ではそのまま戸外で冬越し可能です。
強い霜に当たると葉が傷んだり株が弱ってしまうことがあるので、寒冷地では霜よけを設置して下さい。
鉢植えの場合は、霜の心配の無い場所に移動します。
夏越し
花が咲くと株が弱る場合があります。
夏越しが難しい地方では、蕾の段階で切り取ります。
水やり
乾燥気味の環境を好みます。
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が続くと下葉が傷んだり、根腐れを起こします。
年間を通じて、やや乾燥気味に管理して下さい。
肥料
庭植え、鉢植え共に、元肥として緩効性化成肥料を施します。
追肥は春と秋に、緩効性化成肥料を株元に置き肥して下さい。
他の植物と混植している場合は、他の植物の施肥に合わせて問題ありません。
植え替え・植え付け
植え付け
真夏と真冬を除けばいつでも可能です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料を施します。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
適期は春の4月、秋の9月中旬~11月です。
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行います。
根鉢を崩して、新しい用土で植え替えて下さい。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
切り戻し
草丈が長く伸びすぎた場合は、好みの位置で切り戻します。
夏の暑さで間延びしやすく、また大株になると葉色が悪くなってきます。
こまめに切り戻しを行うことで、美しい草姿を保つことが出来ます。
経年と共に草姿が乱れやすくなります。
その場合は挿し木で株の更新をして下さい。
増やし方(さし芽)
さし芽(挿し木)で増やすことが出来ます。
さし芽(挿し木)
適期は4月~6月、9月~10月です。
茎の先端を7~10㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
病気・害虫
まれにアブラムシが発生することがあります。
見つけ次第、駆除して下さい。