多年草・宿根草 山野草

ヤエドクダミ

ヤエドクダミ

育て方のポイント

ヤエドクダミの育て方早見表

ヤエドクダミは、ドクダミの八重咲き品種で、白い花のように見える苞が重なって咲く多年草です。 半日陰から日陰までよく育ち、湿り気のある場所を好みます。 地下茎で非常によく増えるため、庭植えでは植え場所や広がりすぎに注意が必要です。

分類
多年草・宿根草・山野草
開花期
5月~6月
花色
白。花弁のように見える部分は総苞と小苞
草丈
20cm~30cm。半日陰の下草や鉢植えに向く
日照
半日陰~日陰。日照が少なくても育てやすい
適した場所
やや湿り気のある半日陰。乾燥しすぎない場所
水やり
庭植えはほぼ降雨のみ。鉢植えは用土が乾いたら水やりをする
肥料
ほぼ不要。鉢植えでは春に少量の緩効性肥料を施す程度
植え付け
4月、10月。真冬以外なら植え付け可能
植え替え
鉢植えで根詰まりしたら植え替える
冬越し
冬は地上部が枯れ、春に再び芽吹く
増やし方
株分け。地下茎で自然によく増える
注意点
地下茎で広がりやすく、先祖返りすることがある
病害虫
ほとんど発生しない

育て方のコツ: ヤエドクダミは丈夫で育てやすい反面、地下茎でよく広がります。 花壇に直接植えると他の植物の場所まで広がることがあるため、鉢植えや根域制限をして育てると管理しやすくなります。 一重咲きのドクダミが出てきた場合は、早めに抜き取ります。

ヤエドクダミの基本情報

  • 学名…Houttuynia cordata Thunb. f. plena (Makino) Okuyama
  • 和名…ヤエドクダミ(八重ドクダミ)
  • 別名…ヤエザキドクダミ(八重咲きドクダミ)、ヤエノドクダミ(八重のドクダミ)
  • 科名…ドクダミ科
  • 属名…ドクダミ属
  • 原産国…東アジア、東南アジア
  • 花色…白
  • 草丈…20~30cm
  • 日照…半日陰~日陰
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ヤエドクダミとは

ヤエドクダミは、ドクダミの八重咲き品種で、ドクダミ科ドクダミ属の多年草です。

ドクダミは、日本や中国など東南アジアに広く分布しています。
日本では本州以南の地域に分布しており、空き地や道端、住宅周辺のやや湿った半日陰の場所に自生しています。

一属一種の植物で、ドクダミ属に分類されている植物はドクダミのみです。
十薬(じゅうやく)と呼ばれ、古くから薬草として利用されてきた歴史があり、日本では親しみ深い身近な植物です。


ヤエドクダミの花期は5月~6月。
花期になると茎の頂部、または上部の葉の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は長さ1~3cmの穂状で、密に花が付いています。

▼ヤエドクダミの花序

ヤエドクダミの花序

白い花弁に見える部分は総苞(そうほう)と小苞(しょうほう)です。

※総苞(そうほう)と小苞(しょうほう)
総苞は花序の下に付く苞葉(ほうよう)で一つ一つを総苞片(そうほうへん)と呼ぶ。
小苞は個々の花に付く苞葉。

※苞葉(ほうよう)…花序や花の基部に付く特殊化した葉。

一番下にある4個の大きな花弁状のものが総苞です。

▼ヤエドクダミの総苞

ヤエドクダミの総苞

総苞の上にある花弁状のものが小苞で、各花の基部に付いています。
基本種のドクダミでは小苞は小さな突起状ですが、ヤエドクダミでは花弁状に変化しています。

▼ヤエドクダミの小苞の様子

ヤエドクダミの小苞の様子

花は雄しべ3個、雌しべ1個からなり、花弁はありません。

▼ヤエドクダミの雄しべと雌しべ

ヤエドクダミの雄しべと雌しべ

葉は互生し、長さ4~10cm程度の心形で、暗紫色を帯びます。
茎は分枝しながら草丈20~30cm程度に成長します。
葉や茎にはドクダミ特有の強い匂いがあります。

▼ヤエドクダミの葉

ヤエドクダミの葉の様子

耐寒性、耐暑性があり放任でもよく育ちます。
冬には地上部が枯れますが、春に再び芽吹きます。

性質は野生のドクダミと同様で、非常に強健でよく増えます。
地下茎でどんどん繁殖していくので、植え場所には注意が必要です。

ドクダミには、一般的な一重咲きのドクダミのほか、八重咲きのヤエドクダミや、斑入り葉を楽しむゴシキドクダミがあります。
それぞれの特徴を比較すると、次のようになります。

種類 特徴 見どころ 注意点
ヤエドクダミ ドクダミの八重咲き品種。小苞が花弁状に変化して、白い花が重なって見える。 八重咲きの白花。半日陰の庭で涼しげに咲く。 地下茎でよく増える。普通の一重咲きに先祖返りすることがある。
ドクダミ 日本でも身近な多年草。白い花弁のように見える部分は総苞片。 素朴な白花と丈夫さ。薬草としても知られる。 地下茎で広がりやすく、増えすぎることがある。
ゴシキドクダミ 葉に赤、黄、緑などの斑が入るカラーリーフ品種。 明るい斑入り葉。日陰の庭のアクセントに使いやすい。 普通の緑葉に先祖返りすることがある。緑葉が出たら早めに抜き取る。

ヤエドクダミ、ゴシキドクダミは「先祖返り」をすることがあります。
気が付くと緑葉の一重のドクダミになっていたりするので、先祖返りした部分は早急に処分してください。

ヤエドクダミの育て方

八重咲きドクダミの育て方

栽培環境

半日陰から日陰まで、場所を選ばず適応します。
日照時間が少ないと草丈が伸びますが、花付きに問題はありません。

地下茎を伸ばしてどんどん増えるので、他の植物と一緒に植える場合は注意が必要です。
鉢植えにしたり、根域制限などを行ってください。

ヤエドクダミが増えすぎる場合

ヤエドクダミは地下茎を伸ばして広がるため、環境が合うとよく増えます。
花壇の中に直接植えると、周囲の植物の場所まで広がることがあります。

広がりすぎを防ぎたい場合は、鉢植えで育てるか、地中に仕切りを入れて根域制限をします。
庭植えにする場合も、他の植物から少し離した場所や、広がっても困りにくい場所を選ぶと管理しやすくなります。

増えすぎた株は、地下茎ごと掘り上げて整理します。
地下茎が残っていると再び芽を出すことがあるため、不要な場所では丁寧に取り除きます。

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
根が完全に凍ってしまうと枯れるので、凍結の心配がある場合は凍結対策を施します。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
乾燥すると花付きが悪くなります。
やや湿り気のある環境を好むので、受け皿に水を溜めて腰水栽培にすることも可能です。

肥料

やせ地でもよく育ちます。

庭植えの場合は特に必要ありません。
鉢植えの場合は、春に緩効性化成肥料の置き肥をすると花付きがよくなりますが、絶対に必要という訳ではありません。

植え付け、植え替え

適期は4月、10月ですが、真冬以外ならいつでも植え付けることが出来ます。

植え付け

土質は特に選びません。
とにかく強健でよく増えるので、地植えにする場合は植え場所には注意が必要です。
花壇の中などに植えると他の植物を駆逐する勢いがあります。
根域制限を行うか、鉢植えにすると安心です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土などを使うことが出来ます。

植え替え

庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行ってください。

鉢植えで管理するメリット

ヤエドクダミは地下茎でよく増えるため、鉢植えで育てると広がりすぎを防ぎやすくなります。
半日陰の玄関まわりや庭の一角に置くと、八重咲きの白い花を管理しやすい範囲で楽しめます。

鉢植えでは乾燥しすぎると花付きが悪くなるため、用土が乾いたら水やりをします。
湿り気を好むため、夏場や乾きやすい場所では腰水管理にしても育てやすくなります。

先祖返りした一重咲きのドクダミを見つけたら

ヤエドクダミは、普通の一重咲きドクダミに先祖返りすることがあります。
一重咲きの株を放置すると、地下茎で広がってヤエドクダミより目立つようになることがあります。

一重咲きのドクダミを見つけたら、地上部だけでなく地下茎もできるだけ取り除きます。
特に鉢植えで育てている場合は、植え替え時に一重咲きの地下茎が混ざっていないか確認すると安心です。

※普通のドクダミを処分しても、先祖返りを完全に防げるわけではありません。

増やし方(株分け)

株分けで増やすことができますが、放っておいても地下茎でよく増えます。

株分け

適期は4月、10月ですが、真冬以外ならいつでも可能です。

地下茎を適当に切って植え付けてください。
すぐに根付きます。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

よくある質問

ヤエドクダミのよくある質問

ヤエドクダミを育てるときによくある疑問をまとめました。 増えすぎる場合の管理、先祖返り、鉢植えでの育て方、花が咲かない原因などを確認しておきましょう。

ヤエドクダミは多年草ですか?

ヤエドクダミは多年草です。 冬は地上部が枯れますが、地下茎で宿根し、春になると再び芽吹きます。 耐寒性・耐暑性があり、半日陰から日陰でよく育ちます。

ヤエドクダミは日陰でも育ちますか?

ヤエドクダミは半日陰から日陰で育ちます。 日照時間が少ない場所でもよく育ちますが、乾燥しすぎる場所は苦手です。 やや湿り気のある場所で管理すると、花付きも安定します。

ヤエドクダミは増えすぎますか?

ヤエドクダミは地下茎でよく増えます。 地植えにすると、周囲の植物の場所まで広がることがあります。 増えすぎるのが心配な場合は、鉢植えにするか、根域制限をして育てると管理しやすくなります。

ヤエドクダミは鉢植えでも育てられますか?

ヤエドクダミは鉢植えでも育てられます。 鉢植えにすると地下茎の広がりを抑えやすく、管理しやすくなります。 乾燥すると花付きが悪くなるため、用土が乾いたら水やりをします。 湿り気を好むため、受け皿に水をためる腰水管理も可能です。

ヤエドクダミの花が咲かない原因は?

花が咲かない場合は、乾燥、株の弱り、鉢植えでの根詰まりなどが原因になることがあります。 ヤエドクダミは日陰でも育ちますが、乾燥すると花付きが悪くなります。 鉢植えで長く育てている場合は、根詰まりしていないか確認します。

ヤエドクダミが普通のドクダミに戻ることはありますか?

ヤエドクダミは先祖返りし、普通の一重咲きのドクダミが出てくることがあります。 一重咲きのドクダミを放置すると、そちらが増えて群生することがあります。 見つけたら早めに抜き取って管理します。

ヤエドクダミと普通のドクダミの違いは?

普通のドクダミでは、白い花弁のように見える部分は主に総苞片です。 ヤエドクダミでは、個々の花に付く小苞も花弁状に変化しているため、八重咲きのように見えます。 葉や地下茎で増える性質は、普通のドクダミとよく似ています。

ヤエドクダミの増やし方は?

ヤエドクダミは株分けで増やせます。 地下茎を切り分けて植え付けると、比較的簡単に根付きます。 とても丈夫で自然にもよく増えるため、増やすよりも広がりすぎを抑える管理が大切です。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

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