多年草・宿根草 野の花

シオン

  • 学名…Aster tataricus
  • 和名…シオン(紫苑)
  • 別名…オニノシコグサ(鬼の醜草)、ジュウゴヤソウ(十五夜草)
  • 科名…キク科
  • 属名…シオン属
  • 原産国…日本、東アジア
  • 花色…薄紫
  • 草丈…50㎝~200㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:3 to 9

シオンとは

シオン

シオンは、日本、中国、朝鮮半島、シベリアに分布するキク科シオン属の多年草です。
日本では本州、九州の一部地域に少数が自生しています。
観賞用としては平安時代から栽培されている植物ですが、栽培種は中国から伝わったとされています。


シオンの花期は9月~10月。
花期になると茎の上部に、花径2.5~3.5㎝程度の頭花を、散房状に多数咲かせます。
頭花とは、主にキク科の植物に見られる花序の形です。
一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ゼツジョウカ)と、中心部分の小さな管状花(カンジョウカ)から作られた集合花です。

▼シオンの頭花

シオンの花

シオンの頭花は、14~30個の舌状花と多数の管状花で形成されています。
舌状花は薄紫色で雌性、管状花は両性花となっています。

▼シオンの舌状花の雌しべ

シオンの舌状花の雌しべ

管状花は長さ5~7㎜で、先が浅く5裂しています。
雄しべは合着しており、雄蕊が伸びた後、雌しべが雄しべを押し上げる形で伸びてきます。

▼シオンの管状花

シオンの管状花

舌状花は薄紫ですが、生育環境によって濃淡が出ます。


茎葉は互生し、長さ2~18㎝、幅0.6~5㎝の長楕円形~卵形で先が尖り、縁にはまばらに鋸歯があります。
茎葉は下部になるほど大きくなります。
根生葉は花の時期には枯れていますが、長さ30~50㎝、幅6~12㎝のへら状です。
大きいものになると50㎝を超えることもあります。
茎は直立し、上部で分枝しながら多数の花を咲かせて、草丈50~200㎝程度に成長します。

▼シオンの葉の様子

シオンの葉の様子

日本の気候によく合った植物で荒地でもよく育ちます。
耐寒性、耐暑性ともに優れており、育てやすく、手のかからない植物です。
摘心しないと草丈が200㎝近くに伸びますが、茎がしっかりしており倒れにくい性質です。
冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。

シオンの近縁種

シオンが属するシオン属は、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに約180種が分布しており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。
観賞用として栽培されているシオン属の植物には本種の他以下のようなものがあります。

シオンの育て方

シオンの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でもよく育ちますが、日照時間が足りないと徒長し花付きも悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

土が凍ってしまうような寒冷地でなければ、そのまま戸外で冬越し可能です。
花が終わって地上部が枯れて来たら、株元から10㎝程度の高さでバッサリと刈り込んで下さい。
春になれば再び芽吹きます。

冬越し中は乾燥気味に管理して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として少量の緩効性化成肥料や堆肥などを用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は春に緩効性肥料を株元に置き肥する程度で十分です。

鉢植えの場合は、春と秋に緩効性肥料のを置き肥して下さい。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は3月~4月、10月~11月上旬です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として、堆肥と少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおいて下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3の配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで用土を作ります。

植え替え

適期は3月~4月です。

生育旺盛な植物なので、鉢植えの場合は毎年、株分けを兼ねて植え替えを行います。
庭植えの場合も、株が込みすぎると生育に影響するので、3~4年に一度は株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。

摘心

摘心をしないと草丈が2m近くに成長します。
草丈が40㎝~50㎝程度になったら全ての芽の先端を2節ほど摘み取って下さい。
摘心をすることで草丈を抑えることができ、花数も増えます。

増やし方(株分け、挿し木)

株分けと挿し木(挿し芽)で増やすことが出来ます。

株分け

適期は3月~4月です。
掘り上げた株を、2~3芽ずつに分けて植え付けて下さい。

挿し木(挿し芽)

適期は5月~6月です。
茎を5㎝~10㎝程度の長さで切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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