多年草・宿根草

アマリリス

学名…Hippeastrum
科名…ヒガンバナ科
属名…アマリリス属(ヒッペアストルム属)
原産国…南アメリカ
花色…白、赤、ピンク、黄色、複色
草丈…30㎝~50㎝
日照…日なた(夏は半日蔭)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:8 to 10

アマリリスとは

アマリリス

アマリリスは、南米、西インド諸島に約90種が分布するヒガンバナ科アマリリス属(ヒッペアストルム属)の多年草です。
分布の中心はブラジルの中央~南部、ペルー、アルゼンチンにあり、一部の種が西インド諸島、メキシコに分布しています。
約90種の内、少なくとも34種がブラジルで発見されており、アマリリス属の起源はブラジルにあると考えられています。

アマリリスの栽培の歴史は古く、18世紀初頭にヨーロッパに紹介されてから園芸品種の作出が始まり、1870年代には現在流通するような大輪の品種が作出されています。
以来様々な野生種から多様な園芸品種が作出され、現在では600種以上の品種があると言われています。
流通しているのはオランダのルードヴィッヒ社によって改良されたものが多く、見事な大輪の花を咲かせます。

アマリリスの花期は5月~6月。
葉と同時期に、20~70㎝にもなる長く太い花茎を真っすぐに伸ばし、頂部にラッパ形の花を横向きに咲かせます。
花茎の中は空洞で、1本の花茎に2~6輪の花が咲きます。
花は花径10~25㎝程度で6枚の花被片を持ち、花被片は外側に緩やかに反り返ります。
花色は白、赤、ピンク、黄色、複色。
一重咲きの他、八重咲き品種も流通しています。
ちなみに上の写真は、花径20㎝以上になる巨大輪の八重咲き品種 ‘ダンシングクイーン’ です。

▼アマリリスの花

アマリリス

葉は厚みがある扁平な形、または線形の根生葉です。
屋外での栽培では、春になると葉と同時に花茎が出て花を咲かせ、夏には葉を長く伸ばし、冬には枯れて春にまた芽吹く、というサイクルです。

品種によって耐寒性は異なりますが、全般的に寒さにはあまり強い植物ではありません。
暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
その他の地域では防寒対策を施すか、球根を掘り上げて冬越しをします。

アマリリスの育て方

アマリリスの育て方

栽培環境

日当たりと風通しが良く、水はけが良い場所が適しています。
夏の直射日光で球根が傷むことがあるので、夏場は半日蔭になる場所が理想的です。

夏越し、冬越し

夏越し

鉢植えの場合は、半日蔭に移動して、午後からの強い直射日光が当たらない場所で管理します。
庭植えの場合は、西側に背の高い植物を植えるなどして、西日から守って下さい。

冬越し

アマリリスは寒さに弱い植物です。
気温が10℃を下回ると成長が止まり、5℃以下になると球根が腐ってしまう事があり、凍ってしまうと完全に枯れてしまいます。
特に大輪の外来種は寒さに弱い事が多いです。

心配な場合は、球根を掘り上げて保管し、春に植え付けて下さい。
球根の掘り上げについては下記「球根の掘り上げ」を参照下さい。

球根を掘り上げない場合

暖地では腐葉土や盛り土などで霜よけをして冬越し可能です。
被せた腐葉土や土は、遅霜の心配がなくなる頃に取り除いて下さい。

鉢植えの場合は、気温が下がって葉が黄色くなったら水やりを止め、冬場は乾燥させます。
そのまま5℃以下にならない場所か室内で管理して下さい。

球根の掘り上げ

気温が下がってきて葉が黄色くなり始めたら、球根を傷つけないように掘り上げて下さい。
土を取り除いて、2~3日ほど室内の日陰で乾かし、段ボールや木箱に入れておがくずやピートモスを詰めて5℃以下にならない場所で保管します。
保管した球根は4月頃に植え付けて下さい。

水やり

球根の植え付け時に水やりをした後は、葉や蕾が伸び始めるまで2週間程度は水やりを控えて、乾燥気味に管理します。
その後は、鉢の表面が乾いたらたっぷりと水をやりますが、球根に水がかからないようにして下さい。
水がかかると球根が腐ることがあります。
秋に葉が黄色くなって枯れ始めたら、徐々に水やりの回数を減らし冬は完全に乾燥させます。

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

肥料

庭植えの場合

元肥として用土に腐葉土か緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
花後の生育期には、カリ分が多めの液体肥料か固形肥料を施します。

鉢植えの場合

市販の草花用の培養土を使うか、赤玉土5・腐葉土4・パーライト1の配合土を使います。
土を自分で配合した場合は元肥として、緩効性化成肥料を少量混ぜ込んでおきます。
追肥は庭植えと同様です。

植え付け

庭植えの場合は、4月に遅霜の心配がなくなってから植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、球根を入手したらすぐに植え付けます。
植え付けの深さは、球根の頭が1/3程度土から出るくらいの深さです。
大輪系は6号鉢に1球。小中輪系は5号鉢に1球が目安です。
複数の球根を植える場合の株間は30㎝程度です。

花後の管理

花がら摘み

花が咲き終わったら、一輪ずつ花の付け根の部分で切り取ります。
花茎のすべての花が枯れたら、花茎を根元から切り取ります。

枯葉摘み

寒くなって葉が枯れたら、根元から切り取って下さい。
葉は翌年の花のための栄養を作っていますので、枯れたもの以外は取り除かないで下さい。

増やし方(分球)

分球で増やすことが出来ますが、アマリリスの球根はなかなか増えません。
大きく育って自然分球するまで気長に待って下さい。

球根を切り分けて土に挿すことで増やすことも出来ますが(鱗片ざし)、初心者には難しい方法です。

病気・害虫

赤斑病(せきはんびょう)

真夏を除く4月~10月に、葉や茎に不規則な赤茶色の斑点が発生します。
発生したら完治することはないので廃棄するしかありません。
風通しや水はけを良くすることで、ある程度、発生を予防できます。

ダニ類

ハダニやネダニなどが発生することがあります。
見付け次第対処して下さい。

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