多年草・宿根草

エーデルワイス

学名…Leontopodium alpinum
別名…セイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)
科名…キク科
属名…ウスユキソウ属
原産国…ヨーロッパ山岳地帯
花色…シルバーグリーン
草丈…10㎝~20㎝
日照…日なた(夏は日陰)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:4 to 7

エーデルワイスとは

エーデルワイス

エーデルワイスは、ヨーロッパの山岳地帯に分布するキク科ウスユキソウ属の多年草です。
分布域は、ピレネー山脈からアルプス山脈、バルカン半島東部から中部にかけて広がっており、海抜1500~3400mの石灰岩地帯に自生しています。

エーデルワイスは、アルプスでは高山帯にしか分布しないため、登山家の間では「アルプスの星」と呼ばれる憧れの花となっており、かつては本種(Leontopodium alpinum)を持ち帰ることが登頂の証とされていました。
過去には多数の野生種が採集されましたが、現在では多くの国で規制されています。

エーデルワイスの名は「高貴な白」という意味で、ドイツ語の「edel(高貴な)」と「weiß(白)」に由来しています。
白く美しい草姿は純潔の象徴と捉えられており、様々な事物に名前が登場する、ヨーロッパで最も有名な高山植物です。
日本では、サンウンド・オブ・ミュージックの挿入歌「エーデルワイス」に描かれた花として広く知られています。

エーデルワイスの仲間は、ユーラシア大陸の高山帯に広く分布しています。
日本にもウスユキソウ(L. japonicum)など数種が自生しており、山野草として栽培されることがあります。

エーデルワイスの花期は5月中旬~7月。
花期になると伸びた茎の頂部に、頭花を数輪まとまって咲かせます。
星形に開いた花弁のように見える部分は苞葉(ホウヨウ)と呼ばれる葉が変化したもので、実際の花は中心の黄色い部分です。
花は小さな筒状で、数輪が集まって径5~6㎜の頭花となり、頭花は茎頂部に数輪が集まり、さらにその周りを苞葉が囲むという構造になっています。

▼中央の頭花を咲かせたエーデルワイス

エーデルワイス

ユニークな姿の花はドライフラワーとしても楽しむことが出来ます。

▼エーデルワイスのドライフラワー

エーデルワイスのドライフラワー

葉は細いへら状で、株元ではロゼット状に広がり、茎葉は互生します。
葉茎には白い綿毛が密生しており、過酷な高山の環境から自身を守っています。

▼エーデルワイスの草姿

エーデルワイス

高山植物のため栽培難易度は高めですが、流通している苗は種から平地で育てられたもので、ある程度の耐暑性があります。
とは言うものの、暖地での栽培は少し難しい植物です。
暖地では花がきれいに白くならなかったり、暑さで開花しないこともあります。

冬には地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。

エーデルワイスの育て方

エーデルワイスの育て方

栽培環境

日当たりが良く、風通しが良く、水はけの良い場所が適しています。
寒い地方では花壇に植えることが出来ますが、長雨による過湿に弱いので鉢植えでの栽培の方が安心です。
暖かい地方では基本的に鉢植えで育てます。

弱アルカリ性の土壌を好みます。
庭植えで土壌が酸性の場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。

夏越し

梅雨の長雨の時期は、雨の当たらない軒下などで管理して下さい。
夏場はできるだけ涼しく風通しの良い、半日陰の場所に移動します。
遮光率は50%程度が適しており、強い直射日光が当たる場所は避けて下さい。

水やり

乾燥を嫌いますが、過湿な環境も苦手です。
用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。

肥料

元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は春と秋に、液体肥料を月に1~2回程度施して下さい。

多くの肥料を必要とする植物ではありません。
肥料が多いと茎が伸びて草姿が乱れます。
様子を見ながら控えめに施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は春の3月下旬~5月上旬、秋の9月下旬~10月上旬です。

植え付け

弱アルカリ性の土壌を好みます。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜておいて下さい。

鉢植えの場合は、市販の山野草の培養土を使います。
あらかじめ少量の苦土石灰を混ぜて、弱アルカリ性にしておくと生育がよくなります。
高温多湿に弱いので、鉢は素焼きのものを使用して下さい。

植え替え

根詰まりを起こしやすく、そのままにしておくと株が傷みます。
鉢植えの場合は、1~2年に一度、必ず植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

増やし方(株分け、種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ます。

株分け

適期は春の3月下旬~5月上旬、秋の9月下旬~10月上旬です。
植え替え時に株を分けて植えつけて下さい。

種まき

花後に種が出来るので、採取して冷蔵庫で保管します。
種まきの適期は、春の3月下旬~4月です。
暖地の場合は、秋の9月中旬~10月にまきます。
春まきでは翌年、秋まきでは早ければ翌年の開花になります。
発芽温度は15℃~20℃です。

種はピートバンや播種箱に、重ならないように注意してバラまきます。
覆土は必要ありません。
水やりは底面吸水で行い、水を切らさないように管理すれば20日程度で発芽します。
本葉が2~3枚程度になったらポット上げし、ポットに根が回ったら定植して下さい。

秋まきの場合は、本格的な寒さが来る前にできるだけ大きく育てます。

病気、害虫

アブラムシ

春になるとアブラムシがよく発生します。
見つけ次第駆除して下さい。

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