和名…チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)
別名…ダツラ
科名…ナス科
属名…チョウセンアサガオ属(ダチュラ属)
原産国…インド、中東、南北アメリカ
花色…白、紫、黄
草丈…50㎝~100㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:8 to 11
ダチュラ(チョウセンアサガオ)とは
ダチュラ(チョウセンアサガオ)の仲間は、インド、中東、南北アメリカに8種が分布する一年草、または多年草です。
主に栽培されるのは、チョウセンアサガオの和名を持つダチュラ・メテル種(Datura metel)と、アメリカチョウセンアサガオの和名を持つダチュラ・インノクシア種(D. inoxia)です。
日本へは江戸時代に薬用植物として渡来し、本州以南の各地で帰化し野生化したものが見られます。
「チョウセンアサガオ」の「チョウセン」は、朝鮮原産という意味ではなく、海外から入って来たことを意味しています。
また「アサガオ」と名前がついていますが、アサガオはヒルガオ科、チョウセンアサガオはナス科に分類されており、全く類縁関係のない別種の植物です。
チョウセンアサガオの花期は7月~9月。
花期になると、分枝した上部の茎の葉の付け根に、長さ10~15㎝程度の漏斗状の花を咲かせます。
アサガオの名前は、このアサガオに似た花の形に由来しています。
一輪の花は短命ですが、長い花期の間、次々と開花します。
花色は白、紫、黄色。
一重咲きの他、八重咲き品種も流通しています。
▼八重咲きのダチュラ(チョウセンアサガオ)
花後にはハリセンボンのような刺がある特徴的な果実を実らせます。
果実は熟すと弾け、種を飛ばします。
▼ダチュラ(チョウセンアサガオ)の果実
葉は卵形で、時に縁に荒い鋸歯があり、対生します。
茎はよく分枝して草丈50~100㎝程度に成長します。
▼ダチュラ(アメリカチョウセンアサガオ)の葉の様子
耐暑性が高く、強健な性質で、放任でもよく育ち、花を咲かせます。
こぼれ種でも発芽します。
かつてダチュラ属には木本性のエンジェルストランペットも含まれていましたが、現在ではブルグマンシア属(キダチチョウセンアサガオ属)に分類されています。
その名残でエンジェルストランペットもチョウセンアサガオと呼ばれることがありますが、エンジェルストランペットは樹高2mほどに育つ樹木で、性質が異なります。
チョウセンアサガオの主な品種
チョウセンアサガオ(Datura metel)
インドなどアジアの温かい地域に分布するダチュラです。
現在では世界の広い地域で野生化しています。
日本では本州以南の地域で帰化・野生化しています。
草丈100㎝程度に成長する一年草です。
アメリカチョウセンアサガオ(D. inoxia)
南アメリカに分布するダチュラで、ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)とも呼ばれます。
世界の広い地域で栽培され、現在では栽培を逸出して野生化したものが、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパなどでも見られます。
草丈60~150㎝程度に成長する一年草です。
チョウセンアサガオに酷似していますが、葉茎に細かな毛が密生しているため、全体にやや白みを帯びているのが特徴です。
※チョウセンアサガオにも毛がありますが、アメリカチョウセンアサガオほど密生しません。
花は咲き始めは上を向いていますが、咲き進むに従って下垂します。
ダチュラ(チョウセンアサガオ)の毒性
ダチュラは全草にヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンなどのアルカロイド類の有毒物質を含んでおり、誤食すると強い中毒症状を引き起こします。
根をゴボウと間違えたり、蕾をオクラと間違えて誤食するなどの事例があり、食用植物の近くでは育てないなどの配慮が必要です。
必要以上に恐れることはありませんが、手に樹液が付着するとかぶれることがあるので、扱う際は手袋などを着用すると安心です。
ダチュラ(チョウセンアサガオ)の育て方
栽培環境
日当たりの良い場所が適しています。
日光を好み、真夏の強い日差しにも負けない強さがあるので、よく日の当たる場所で育てて下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んでおきます。
追肥は、苗が大きくなってきた頃に、緩効性化成肥料を株元にバラまきます。
鉢植えの場合は、5月~9月の生育期の間に、緩効性化成肥料を月に1回程度施すか、液体肥料を月に2~3回程度施します。
やせ地でも育つ植物ですが、肥料切れをさせると花付きが悪くなります。
生育期間中は定期的に施肥して下さい。
植え付け
適期は4月中旬~6月です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、堆肥を混ぜ込んでおきます。
株間は40㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
種まき
適期は4月中旬~5月です。
種は播種箱やポットに蒔くか、花壇や鉢に直まきします。
覆土は種が隠れる程度に軽く。
乾かさないように管理すれば、2~3週間程度で発芽します。
発芽後、箱まきをしたものは、本葉が出たらポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ます。
種の採取
花後にトゲトゲの果実が実ります。
種が熟すと果実が割れるので、種を採取して下さい。
採取した種は封筒などに入れて乾燥保存します。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。