育て方のポイント
シュウメイギクの育て方早見表
シュウメイギクは、晩夏から秋に白やピンクの花を咲かせる丈夫な多年草です。 日なたでも育ちますが、高温乾燥を嫌うため、午後に日陰になる半日陰の場所が向いています。 地下部からよく広がり、環境が合うと群生するため、増えすぎた場合は株分けや間引きで整理します。
- 分類
- 多年草・宿根草
- 開花期
- 8月下旬~11月
- 花色
- 白、ピンク
- 草丈
- 50cm~100cm。花壇の中段~後方に向く
- 日照
- 半日陰が適する。日なたでは株元の乾燥と強い西日に注意
- 適した場所
- 半日程度日が当たり、株元が乾燥しにくい場所
- 水やり
- 乾燥を嫌う。鉢植えは表土が乾き始めたら水やりをする
- 肥料
- 春と秋に少量。真夏の施肥は避ける
- 植え付け
- 3月~5月、9月~10月
- 植え替え
- 鉢植えは毎年を目安に、株分けを兼ねて植え替える
- 冬越し
- 耐寒性は高い。冬は地上部が枯れ、春に再び芽吹く
- 増やし方
- 株分け、根伏せ、種まき
- 注意点
- 地下部からよく広がるため、増えすぎる場合は整理する
- 病害虫
- うどんこ病などに注意
育て方のコツ: シュウメイギクは高温乾燥を嫌います。 葉には適度に日が当たり、株元は直射日光で乾燥しにくい場所が理想です。 地下部からよく広がるため、株が混み合ったら春か秋に株分けして整理します。
シュウメイギクの基本情報
- 学名…Eriocapitella hupehensis
Synonym:Anemone hupehensis - 和名…シュウメイギク(秋明菊)
- 別名…キブネギク(貴船菊)
- 科名…キンポウゲ科
- 属名…Eriocapitella属
- 原産国…中国、台湾
- 花色…白、ピンク
- 草丈…50cm~100cm
- 日照…半日陰
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:5 to 8
シュウメイギクとは

シュウメイギクは、中国、台湾原産のキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。
日本の山野でも見られますが、これは古い時代に中国から渡来したものが帰化したと考えられています。
日本で古くから野生化しているものはキブネギクと呼ばれることが多く、かつてシュウメイギクの変種( Anemone hupehensis var. japonica)とされていましたが、現在は 別種(Eriocapitella japonica)とされています。
本州、四国、九州の山野や里山など、多くは人家の周辺に分布しています。
「キク」と名前に付きますが、キク科の植物ではありません。
シュウメイギクの花期は8月下旬~11月。
花期になると、分枝した茎の頂部に、花径5~7cm程度の花を咲かせます。
▼シュウメイギクの花の様子

花弁は退化しており、花弁状の萼片が5~6個付きます。
▼シュウメイギクの花

中央には180個以上の雄しべと雌しべの集合体があります。
▼シュウメイギクの雄しべと雌しべ

花色は白のほか、ピンク。
▼ピンク色の花を咲かせるシュウメイギク

一重咲きの他、八重咲き品種も流通しています。
▼八重咲きのシュウメイギク

果実は長さ1~2mmの痩果(そうか)で、白い綿毛に覆われており、風に乗って散布されます。
※痩果(そうか)…果実の種類で、果皮が乾いて1個の種子を包み、裂開しないもの。キク科、キンポウゲ科などに見られる。
▼シュウメイギクの果実の様子

葉は3出複葉で、小葉は浅く3~5裂します。
根生葉は長い柄を持ち、茎葉は短い柄、または無柄で互生します。
▼シュウメイギクの葉の様子


茎は上部で分枝し、花を咲かせながら草丈50~100cm程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるシュウメイギク

耐寒性に優れた育てやすい植物です。
儚げな姿に反して丈夫な性質で、地下茎でよく増えます。
冬は地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。
シュウメイギクの名前の由来
「シュウメイギク」は漢字で「秋明菊」と書き、秋に美しい花を咲かせることに由来する名前とされています。
別名の「キブネギク」という名前は、京都の貴船神社の周辺に多くが自生していることに由来します。
本来はこのキブネギクをシュウメイギクと呼んでいましたが、近年では交配種も含めてシュウメイギクの名前で流通しています。
シュウメイギクの交配種には、タイワンシュウメイギク(Anemone vitifolia)を掛け合わせて作られたアネモネ・ヒブリダ(Anemone x hybrida)があり、多数の園芸品種が作出されています。
▼キブネギク

「シュウメイギク」の名前は、園芸では近縁種や交配種を含めて広く使われています。 主な違いを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 学名 | 特徴 | 園芸での扱い |
|---|---|---|---|
| シュウメイギク | Eriocapitella hupehensis | 中国から台湾などに分布する多年草。白やピンクの花を咲かせる。 | シュウメイギクの名前で栽培される基本的な種類の一つ。 |
| キブネギク | Eriocapitella japonica | 日本では古くから野生化しているタイプ。京都・貴船との関係からキブネギクと呼ばれる。 | 古くから「シュウメイギク」と呼ばれてきた植物。 |
| 園芸交配種 | 交配組み合わせにより異なる | 白、ピンク、一重咲き、八重咲きなど多くの園芸品種がある。 | 近年はこれらもまとめてシュウメイギクとして流通する。 |
シュウメイギクの育て方

栽培環境
日なたから半日陰まで適応しますが、半日陰の場所の方が美しく生育します。
高温乾燥を嫌うので、株元に強い日差しが当たらない場所で育ててください。
一日中強い日差しが当たる場所でも育ちますが、草丈が伸びずあまり繁殖しません。
葉には日が当たり、株元は日陰になるような場所が理想的です。
水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすいので、水はけが良いことも大切です。
シュウメイギクの葉が枯れる・茶色くなる原因
シュウメイギクの葉が夏に枯れ込んだり、葉先が茶色くなったりする場合は、 強い直射日光や乾燥、水切れなどが原因として考えられます。
シュウメイギクは高温乾燥を嫌います。 特に真夏の西日が強く当たる場所では葉焼けを起こしやすいため、 午後から日陰になる半日陰が向いています。
鉢植えは庭植えより乾きやすいため、用土の表面が乾き始めたら十分に水やりをします。 ただし、常に水がたまるような環境では根腐れを起こすことがあるため、水はけも大切です。
冬越し
耐寒性は高く、全国で植栽可能です。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
極端に乾燥するようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾き始めたらたっぷりと。
乾燥を嫌い、水切れすると葉が枯れ込むので注意してください。
冬越し中の株は、乾燥気味に管理します。
肥料
庭植えの場合は、春の3月頃に緩効性化成肥料を置き肥します。
鉢植えの場合は、3月~5月、10月~11月に緩効性化成肥料の置き肥をするか、液体肥料を10日に1回程度施します。
夏場に肥料を施すと、根を傷めることがあるので注意してください。
植え付け、植え替え
適期は3月~5月、9月~10月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、完熟堆肥などの有機肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)4・鹿沼土(小粒)3・腐葉土3などの配合土を使います。
生育旺盛でよく増えます。
鉢は大きめの鉢を使用してください。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので、毎年植え替えを行います。
根鉢を崩して古い土を落とし、新しい用土で植え付けます。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行ってください。
庭植えの場合は、株が込み合って生育が悪くなるようなら株分けを兼ねて植え替えを行います。
※株分けや植え替えの際は、植物の汁で肌が刺激されることがあるため、肌が弱い方は手袋を着用すると安心です。
シュウメイギクが増えすぎる場合
シュウメイギクは地下部から新しい株を出し、環境が合うと少しずつ群生します。 広がるスペースが十分にある場所では美しい群植になりますが、 花壇が狭い場合は周囲の植物の場所まで広がることがあります。
増えすぎた場合は、3月~5月または9月~10月に不要な株を掘り上げて整理します。 株分けを兼ねて植え替えると、株の混み合いも解消できます。
広がりすぎるのが心配な場所では、鉢植えで育てるか、 周囲に十分なスペースを確保して植え付けます。
増やし方(株分け、根伏せ、種まき)
株分け、根伏せ、種まきで増やすことができます。
株分け
適期は植え替え時の3月~5月、9月~10月です。
地下部から子株が出るので、掘り上げて植え付けてください。
根伏せ
根を5cm程度の長さに切り、育苗箱や鉢に寝かせて軽く土を被せておきます。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、芽が出るのを待ちます。
種まき
種ができる品種は、種まきで増やすことができます。
花後に綿毛のついた種ができます。
触るとぽろぽろ落ちるようであれば種が熟しているので、採取してください。
採取した種は、採りまきですぐにまくか、ビニールなどに入れて冷蔵庫で保管し、翌春にまきます。
病気・害虫
うどんこ病
風通しが悪い環境で育てていると発生することがあります。
発生した場合は、被害が拡大しないうちに殺菌剤などで対処してください。
よくある質問
シュウメイギクのよくある質問
シュウメイギクを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、葉が枯れる場合、増えすぎる場合の管理、冬越し、春の芽吹きなどを確認しておきましょう。
シュウメイギクは日陰でも育ちますか?
シュウメイギクは半日陰でよく育ちます。 一日中暗い日陰では花付きが悪くなりやすいため、午前中などに数時間日が当たる明るい半日陰が向いています。 強い西日や真夏の乾燥は避けます。
シュウメイギクの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、乾燥、株の混み合い、肥料の与えすぎなどが原因として考えられます。 半日程度は日が当たり、株元が乾燥しすぎない場所で育てます。 株が混み合っている場合は、春か秋に株分けして整理します。
シュウメイギクの葉が枯れる・茶色くなる原因は?
夏に葉が茶色く枯れ込む場合は、強い直射日光や乾燥、水切れなどが原因として考えられます。 特に鉢植えは乾きやすいため、表土が乾き始めたら十分に水やりをします。 真夏の強い西日が当たる場合は、半日陰へ移動するか遮光します。
シュウメイギクは増えすぎますか?
シュウメイギクは地下部から新しい株を出し、環境が合うと群生します。 広がりすぎる場合は、春または秋に不要な株を掘り上げて整理します。 植えるスペースが限られる場合は、鉢植えで管理する方法もあります。
春になってもシュウメイギクの芽が出ません。枯れていますか?
冬は地上部が完全に枯れるため、春先には何もないように見えることがあります。 地下部が生きていれば、気温が上がると新芽が伸びてきます。 春先にすぐ枯れたと判断せず、しばらく様子を見ます。
シュウメイギクは冬越しできますか?
シュウメイギクは耐寒性の高い多年草です。 冬は地上部が枯れますが、地下部は残って春に芽吹きます。 通常は特別な防寒を必要としませんが、鉢植えでは強い凍結を避けます。
シュウメイギクの花びらに見える白い部分は花弁ですか?
花びらのように見える部分は、花弁ではなく萼片です。 シュウメイギクの花弁は退化しており、白やピンクに色づいた萼片が花弁のように見えます。
シュウメイギクは鉢植えでも育てられますか?
シュウメイギクは鉢植えでも育てられます。 生育旺盛で根がよく張るため、大きめの鉢を使用します。 根詰まりすると生育が悪くなるため、毎年を目安に植え替えるか、株分けして整理します。