一年草・二年草

ムギワラギク(ヘリクリサム)

育て方のポイント

ムギワラギク(ヘリクリサム)の育て方早見表

ムギワラギクは、カサカサとした独特の花姿を楽しめるキク科の植物です。 日当たりと水はけのよい場所を好み、乾燥には比較的強い一方、高温多湿を苦手とします。 秋まきまたは春まきで育てることができ、切り花やドライフラワーにも向いています。

分類
一年草、または短命な多年草
開花期
5月~8月。種まき時期によって変わる
花色
赤、オレンジ、黄色、ピンク、白など
草丈
40cm~100cm。矮性種から高性種まである
日照
日なた。日照不足では生育や花付きが悪くなる
適した場所
日当たりと水はけがよく、風通しのよい場所
水やり
やや乾燥気味に管理。鉢植えは表土が乾いてから水やりをする
肥料
多肥は不要。植え付け時の元肥でほぼ足りる
種まき
秋まきは9月中旬~10月中旬、春まきは3月中旬~6月
発芽温度
20℃前後
植え付け
株間20cm~30cm。水はけのよい土に植える
夏越し
高温多湿に弱い。日本では夏に枯れることが多い
冬越し
秋まき株は霜よけをして冬越しする
増やし方
種まき
病害虫
アブラムシ、過湿時の病気に注意

育て方のコツ: ムギワラギクは乾燥気味の環境を好み、高温多湿を苦手とします。 日当たりと風通しを確保し、水を与えすぎないことが大切です。 ドライフラワーにする場合は、花が完全に開ききる前に切り取ると色や形を残しやすくなります。

ムギワラギク(ヘリクリサム)の基本情報

  • 学名…Xerochrysum bracteatum (Vent.) Tzvelev
    旧学名:Helichrysum bracteatum
  • 和名…ムギワラギク(麦藁菊)
  • 別名…ヘリクリサム、テイオウカイザイク(帝王貝細工)
  • 科名…キク科
  • 属名…ムギワラギク属
  • 原産国…オーストラリア
  • 花色…赤、オレンジ、黄色、ピンク、白
  • 草丈…40cm~100cm
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:8 to 10

ムギワラギク(ヘリクリサム)とは

ムギワラギクは、オーストラリアに分布するキク科ムギワラギク属の一年草、または多年草です。
分布域はオーストラリア全土にあり、日当たりがよく、水はけのよい場所に自生しています。
海外に流通する多くの種や苗は多年性ですが、高温多湿の日本では夏越しが難しく、一年草として扱うのが一般的となっています。

ムギワラギクの栽培の歴史は長く、1791年にイギリスに導入されたのを発端として、1800年代にはヨーロッパ全土に普及しています。
その後ヨーロッパとオーストラリアで様々な色の品種が作出され、現在に至ります。
日本には明治初年に渡来しており、観賞用や切り花として栽培される他、ドライフラワー用の花としてよく知られています。
※旧属名からヘリクリサムと呼ばれることもあります。


ムギワラギクの花期は5月~8月。
※種まきの時期によって変化します。

花期になると、茎の頂部に、直径3~5cm程度の頭花(とうか)を咲かせます。

頭花(とうか)…花序の形の一種で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、小さな花が集まってできてます。

▼ムギワラギクの頭花

花弁のように見えるのは、総苞片(そうほうへん)と呼ばれる、花序を包む葉が変化したものです。
ムギワラギクの総苞片はドライフラワーのようにカサカサとした独特の感触をしており、美しい光沢を持ちます。

英名のストローフラワー(strawflower)は、この花の感触を麦ワラに例えたものです。

▼ムギワラギクの総苞片の様子

頭花の中心には筒状の小さな花が多数付いています(管状花:かんじょうか)。
管状花は先が5裂した筒状で、外側から中心へと咲き進んでいきます。

▼ムギワラギクの管状花

花色は赤、オレンジ、黄色、ピンク、白など、バラエティに富んでいます。

▼様々な色のムギワラギク


果実は長さ約3mmの痩果(そうか)です。
果実の先には、長さ5~9mmの黄色い冠毛があります。

※痩果(そうか)…果実の種類で、果皮が乾いて1個の種子を包み、裂開しないもの。キク科、キンポウゲ科などに見られる。

▼ムギワラギクの果実


葉は互生し、長さ2~5cm(最大12cm)の、狭楕円形から長楕円形、長楕円状披針形~線形です。
茎は硬く真っ直ぐ上に伸び、上部で分枝して花を咲かせます。
草丈40~50cm程度の矮性種から、100cm程度に育つ品種まであります。

▼ムギワラギクの葉の様子

基本的に丈夫な性質で、種まきからも容易に育てることができます。
耐寒性が高くなく、霜や凍結には弱い性質です。
秋まきの場合は霜よけを設置して冬越しをさせます。
寒冷地の場合は、春まきにして夏に花を咲かせます。

ムギワラギクをドライフラワーにする方法

ムギワラギクは、花弁のように見える総苞片が乾燥しても色や形を保ちやすく、 ドライフラワーに向いています。

ドライフラワーにする場合は、花が完全に開ききる少し前に、 晴れた日の午前中など花が乾いている時間帯に茎ごと切り取ります。

下葉を取り除き、数本ずつ小さく束ねて、 風通しがよく直射日光の当たらない場所に逆さにつるして乾燥させます。

花が開きすぎてから収穫すると、乾燥中に種ができたり花形が崩れたりすることがあります。 少し早めに切り取るのがきれいに仕上げるポイントです。

ムギワラギク(ヘリクリサム)の育て方

ムギワラギクの育て方

※花期は播種時期により異なります。

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日照時間が足りなかったり、ジメジメとした場所では上手く育たないので注意してください。
水はけの悪い場所の場合は、一段高い場所に植えるなどの工夫をしてください。

冬越し

耐寒性はあまり高くありませんが、関東以南の地域であれば、霜よけをして戸外での冬越しが可能です。
強い霜の心配のない暖地の場合は霜よけを設置しなくても大丈夫なことが多いですが、心配な場合は霜よけを設置してください。

その他の地域では春まきにして夏に花を咲かせます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
やや乾燥気味の環境を好むので、水のやりすぎには注意してください。

肥料

多くの肥料を必要とする植物ではありません。

庭植え、鉢植えともに、植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として施しておきます。
追肥の必要はほとんどありません。

種まき

まき方 種まき時期 特徴 注意点
秋まき 9月中旬~10月中旬 冬を越して株が充実し、春から初夏に花を楽しめる 霜に注意し、必要に応じて霜よけをする
春まき 3月中旬~6月 寒冷地でも育てやすく、夏に花を楽しめる 遅まきになると高温多湿の時期と重なり、開花期間が短くなりやすい

適期は9月中旬~10月中旬です。
春まきの場合は、3月中旬~6月です。
高温多湿の環境に弱く、多くの場合夏に枯れてしまうので、春まきの場合は時期が遅くならないように注意してください。
※発芽温度は20℃前後です。

種は播種箱やポットに蒔き、覆土は種が隠れる程度に薄く。
霜の心配がないようなら花壇に直まきもできます。
乾かさない程度に水やりをし、発芽を待ちます。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が3~4枚程度になったらポット上げし、ポットに根が回ったら定植します。

植え付け

庭植えの場合は、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておきます。
さらに腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで、水はけの良い環境を作り、元肥として少量の緩効性化成肥料を施しておきます。
株間は20~30cm程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

暖地では霜よけ無しでも冬越し可能ですが、設置しておいた方が安心です。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことができます。

種の採取

花後にたんぽぽの種のような綿毛の付いた種ができます。
種が熟したら花ごと切り取って種を取り出し、涼しい場所で保管してください。

種まきについては上記「種まき」の項目を参照ください。

病気・害虫

病気

高温多湿で風通しが悪い環境では、葉に病気が発生することがあります。
株間を確保し、水のやりすぎを避けて風通しよく育てます。

害虫

春から初夏にアブラムシが付くことがあります。
新芽や蕾を確認し、発生初期に取り除くか薬剤で対処します。

よくある質問

ムギワラギク(ヘリクリサム)のよくある質問

ムギワラギクを育てるときによくある疑問をまとめました。 種まき、夏越し、冬越し、花が咲かない原因、ドライフラワーの作り方などを確認しておきましょう。

ムギワラギクは一年草ですか?

原産地では一年草または多年草として生育しますが、日本では高温多湿の夏を越しにくいため、一年草として扱うのが一般的です。 秋まきまたは春まきで育て、花後に種を採取して翌年まきます。

ムギワラギクは秋まきと春まきのどちらがよいですか?

暖地や温暖地では秋まき、寒冷地では春まきが育てやすいです。 秋まきでは冬越しが必要ですが、春から初夏に充実した株で開花します。 春まきでは、暑くなる前に株を育てるため、遅まきになりすぎないようにします。

ムギワラギクの花が咲かない原因は?

花が咲かない場合は、日照不足、水のやりすぎ、種まき時期が遅いことなどが原因として考えられます。 日当たりと風通しのよい場所で育て、水はけの悪い土や過湿を避けます。 春まきの場合は、暑くなる前に十分に株を育てることが大切です。

ムギワラギクは夏越しできますか?

ムギワラギクは乾燥には比較的強いものの、日本の高温多湿を苦手とします。 多くの場合は夏に株が弱り、一年草として扱います。 長く楽しむには、風通しと水はけのよい場所で育て、水のやりすぎを避けます。

ムギワラギクは冬越しできますか?

秋まきした株は、暖地や温暖地では霜よけをすれば戸外で冬越しできます。 強い霜や凍結が続く地域では、春まきの方が育てやすくなります。

ムギワラギクの花びらが硬いのはなぜですか?

花びらのように見えるカサカサした部分は、花弁ではなく総苞片です。 総苞片は乾燥しても形や色を保ちやすいため、ムギワラギクはドライフラワーに適しています。

ムギワラギクをドライフラワーにするにはいつ切りますか?

花が完全に開ききる少し前に切り取ると、乾燥後も形や色を保ちやすくなります。 茎ごと切り取り、数本ずつ束ねて風通しのよい日陰に逆さにつるして乾燥させます。

ムギワラギクの種は採取できますか?

花後に綿毛の付いた種ができます。 種が熟したら花ごと切り取り、種を集めて十分に乾燥させます。 採取した種は、高温多湿を避けて涼しい場所で保管します。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

-一年草・二年草
-,