多年草・宿根草

センニチコボウ

学名…Alternanthera porrigens
和名…センニチコボウ(千日小坊)
別名…アルテルナンテラ・ポリゲンス
科名…ヒユ科
属名…ツルノゲイトウ属(アルテルナンテラ属)
原産国…南アメリカ
花色…赤紫
草丈…30㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:

センニチコボウとは

センニチコボウ

センニチコボウが属するツルノゲイトウ属の植物は、熱帯から亜熱帯アメリカを中心に約200種が分布する多年草(まれに低木)です。
日本では、ホソバツルゲイトウ(Alternanthera denticulata)やマルバツルゲイトウ(A. pungens)、ナガツルノゲイトウ(A. philoxeroides)などが、本州以南の地域で在来種として定着しています。

その中でセンニチコボウは、ペルー、エクアドルに分布するアルテルナンテラ・ポリゲンス種(A. porrigens)を元に、愛知県の角田ナーセリーによって作出された園芸品種です。
花の少なくなる晩秋から初冬にかけて開花するため、近年急激に人気が上昇している植物です。

センニチコボウの花期は10月下旬~11月。
※室内で管理すれば2月頃まで開花します。
花期になると、茎上部の葉の付け根から花柄を伸ばし、球状の花序を付け花を咲かせます。
花序は長さ1㎝程度で小さな花が密生しており、センニチコウに似ています。
「センニコボウ」の名前は、この花姿に由来します。
花色は赤紫のみ。

※店頭に並んでいるセンニチコボウは、短日処理をして早く花を咲かせています。
自然状態では晩秋からの開花になります。

▼センニチコボウの花

センニチコボウ

葉は先のとがった楕円形で、茎に対生します。
茎はよく分枝し、草丈は30~60㎝程度に成長します。

暑さには強い性質ですが、耐寒性はあまり高くありません。
関東以西の暖地で、霜を避ければ戸外での冬越しが可能です。
寒さにだけ気をつければ、病害虫の発生もほとんどなく、育てやすい植物です。

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「センニチコボウ」の名前からセンニチコウの仲間と思いがちですが、センニチコウはセンニチコウ属、センニチコボウはツルノゲイトウ属で別属の植物です。
同じツルノゲイトウ属の植物では、赤い葉色と白い花が特徴的なアカバセンニチコウがあります。

センニチコボウの育て方

センニチコボウの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日当たりが悪いと花付きが悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。
霜の心配のない暖地であれば庭植えも可能ですが、寒さにはあまり強くないので、鉢植えで育てると安心です。

センニチコボウは短日植物です。
日照時間が短くなると花芽を作る性質を持っています。
花芽が出来る9月以降は、夜間に照明が当たるような場所に置くと花が咲かないことがあるので、注意して下さい。

冬越し

寒さにはあまり強くありません。

霜に当たると地上部が枯れてしまいます。
関東以西の暖地であれば、霜の避けられる軒下の日当たりの良い場所で冬越しが可能ですが、強い冷え込みが予想される場合などは、室内に取り込んだ方が安全です。
庭植えの場合は、花後に草丈の1/2程度の高さで切り戻しを行い、鉢上げをして下さい。

その他の地域では室内で管理します。
最低気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込んで下さい。
室内では日当たりの良い場所で、やや乾かし気味に管理します。
室内では2月頃まで開花しますが、夜間に暗くなる場所でないと花芽が形成されないので注意して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を株元に施します。
鉢植えの場合は、春から秋にかけて、液体肥料を2週間に1回程度施すか、緩効性化成肥料を月に1回程度施して下さい。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は9月中旬~10月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作って下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に、緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

適期は春の4月~5月中旬です。

鉢植えの場合は、春になったら植え替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩して、新しい用土で一回り大きな鉢に植え替えます。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

切り戻し

花後に草丈の1/2程度の高さで切り戻しを行います。

春から夏にかけては生育が早く、放っておくと草丈1m近くに育ち、草姿が乱れます。
春から夏にかけて何度か切り戻すことで、分枝を促し、草丈を低く抑えます。
伸びすぎているようなら好みの高さで切り戻して下さい。
8月下旬になったら一度、草丈の半分程度の高さでバッサリと切り戻してやると、低い草丈で花を咲かせることが出来ます。

切り戻した茎は、挿し穂として利用することが出来ます。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

春から夏の生育期であればいつでも可能です。

茎を2~3節程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

※センニチコボウは(有)角田ナーセリーの登録商標です。
個人で楽しむ分には問題ありませんが、その他の目的での増殖は禁止されています。

病気・害虫

病害虫の発生はあまりありませんが、風通しの悪い環境で育てていると、アブラムシやハダニが発生することがあります。
風通しの良い環境で育てて、発生を抑制して下さい。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。

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