和名…センニチコウ(千日紅)
別名…センニチソウ(千日草)
科名…ヒユ科
属名…センニチコウ属(ゴンフレナ属)
原産国…熱帯アメリカ、北アメリカ南部
花色…赤、白、ピンク、黄、紫
草丈…10㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…

USDA Hardiness Zone:品種による
センニチコウとは
センニチコウは、世界の熱帯、亜熱帯、温帯に約100種が分布するヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)の一年草、または多年草です。
世界中に分布していますが、分布の中心は南北アメリカ、および大西洋諸島です。
大半の種は雑草ですが、花の美しい数種が観賞用として栽培されています。
主に栽培されるのはセンニチコウ(Gomphrena globosa)とキバナセンニチコウ(G. haageana)で、数多くの園芸品種が流通しています。
前者のセンニチコウは、ブラジル、パナマ、グアテマラを含む中米原産の一年草ですが、現在熱帯アジア全域で帰化植物として定着しています。
後者のキバナセンニチコウは、アメリカ南部およびメキシコに分布する多年草ですが、寒さに弱く冬に枯れることが多いため、園芸上は一年草として扱われるのが一般的です。
日本への渡来は古く、1695年の書物『花壇地錦抄』に記載があることから、江戸時代初期には渡来していたと推察されています。
センニチコウの花期は7月~11月。
花期になると、分枝した茎の頂部に、径2~2.5㎝程度の球状、または円筒状の頭状花を付けます。
頭状花は多数の小花が集まって形成されており、花に見える部分は実は花ではなく、苞葉(ほうよう)と呼ばれる蕾を包んでいた葉の部分です。
実際の花は苞の間に見える黄色~白色の部分ですが、1㎜程度と小さくあまり目立ちません。
▼センニチコウの花の様子
苞の部分はカサカサとしており、乾燥したドライフラワーのような感触を持っています。
実際にドライフラワーにしても苞の色はあせず、長期間美しい花姿を楽しむことが出来ます。
「センニチコウ」の名前は、この色褪せない花に由来しており、夏から秋にかけて花の色が褪せずに咲き続けることから付けられたと言われています。
▼キバナセンニチコウの頭状花序
葉は長楕円形~披針形で茎に対生し、茎はよく分枝して茂ります。
日本の気候に合った植物で、暑さに非常に強く強健な性質です。
水はけの良い場所で育てていれば、病害虫の発生もほとんどなく、放任でもよく花を咲かせます。
センニチコウの主な品種
キバナセンニチコウ ‘ストロベリー・フィールズ’ (Gomphrena haageana ‘Strawberry Fields’)
キバナセンニチコウの代名詞とも言える代表品種です。
鮮やかな赤橙色の花が夏の花壇に映えます。
草丈60~80㎝にほどに成長し、切り花としてもよく利用されます。
センニチコウ ‘ファイヤーワークス’ (Gomphrena ‘Fireworks’)
特徴的なピンクの花を咲かせる品種で、花にはスパイシーな芳香があります。
よく分枝し、草丈50㎝程度に成長しますが、倒れながら横に広がる性質があります。
センニチコウ ‘ローズネオン’ (Gomphrena 'Rose Neon')
鮮やかな濃いピンクの花が美しい人気品種です。
草丈50㎝程度に成長しますが、茎がしっかりとして倒れにくく、切り花にも向いています。
ネオンシリーズには他に、薄いピンクの花を咲かせる「ネオンラベンダー」、白花の「ネオンホワイト」があります。
センニチコウ バディシリーズ (Gomphrena globosa Birdie Series)
草丈30㎝ほどの矮性品種のシリーズです。
バディシリーズには、写真のピンクの他、紅色、白花があります。
センニチコウによく似た植物
センニチコウによく似た草姿で、小さな赤紫の花を咲かせるセンニチコボウ(千日小坊)は、同じヒユ科ですがアルテルナンテラ属に分類されており、センニチコウとは別属の植物です。
また、銅葉に白い花が美しい「アカバセンニチコウ(レッドフラッシュ)」も、アルテルナンテラ属の植物で、センニチコウの仲間ではありません。
センニチコウの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日当たりが悪いと花付きが悪くなります。
センニチコウは水はけの悪い土壌を嫌います。
水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土をして高植えにし、用土に腐葉土などを混ぜて水はけの良い環境を作って下さい。
冬越し
キバナセンニチコウは、本来は多年草なので温度を保てば冬越しすることが出来ます。
鉢植えにして室内に取り込み、3℃以上の気温を保って下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥気味の環境を好むので水のやりすぎには注意して下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込みます。
追肥は、月に1回程度、緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様に、月に1回程度の置き肥をします。
植え付け
適期は5月~8月です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら腐葉土や川砂などを混ぜて水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は20~30㎝程度です。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4、または赤玉土5・腐葉土3・川砂1などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
花がら摘み
花が色褪せて見苦しくなったら適宜、摘み取って下さい。
種まき
種の採取
センニチコウは花が散る事がありません。
種が出来ると花が徐々に色褪せて来ます。
先まで色褪せたら採取のタイミングです。
種は花びらのような苞葉(ほうよう)の一番下に入っています。
苞葉を裂いて種を取り出してもいいのですが、面倒な場合は花をそのまま紙袋などに入れて涼しい場所で保管します。
種まきの時期になったら保管してカラカラに乾いた花を手で揉むと、種が採取できます。
種まき
適期は4月下旬~5月です。
発芽温度が20℃~25℃と高めなので、気温が十分に上がってから蒔いて下さい。
※自家採取した種には綿毛が付いています。
このままだと吸水率が悪くなり発芽しにくくなるので、砂などに混ぜてよく揉んで、綿毛を取り除いて下さい。
種は箱にばらまきか花壇やプランターに直播きにします。
覆土は種が隠れる程度にし、水を切らさないように管理して下さい。
センニチコウは土を乾燥させてしまうと発芽しにくくなるので、花壇に直播きした場合は特に水切れに注意して下さい。
発芽して本葉が3~6枚程度になったら定植します。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ます。
上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気、害虫
病害虫の発生はほとんどありません。