中・高木 庭木

トキワマンサク

学名…Loropetalum chinense
和名…トキワマンサク(常盤万作)
科名…マンサク科
属名…トキワマンサク属
原産国…日本、台湾、中国、インド
花色…白、ピンク
樹高…3m~6m
日照…日なた~明るい日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 10

トキワマンサクとは

トキワマンサク

トキワマンサクは、日本、台湾、中国南部、インド北東部に分布するマンサク科トキワマンサク属の常緑性中高木です。
和名は常緑のマンサクという意味ですが、マンサクはマンサク属に分類される樹木で、マンサクの近縁種というわけではありません。

トキワマンサクは、日本では中部地方以南から九州の限られた地域でのみ自生しています。
古くは中国からの渡来植物と考えられていましたが、1931年に伊勢神宮の森で自生種が発見され、後に静岡県や熊本県でも自生しているのが確認されています。
分布は極めて限定的で、現在確認されているのは、三重県伊勢神宮、静岡県湖西市、熊本県荒尾市のみとなっています。

トキワマンサクの花期は4月~5月。
花期になると、分枝した枝の頂部、または葉の付け根から短い花序を出し、細い花弁を持つ特徴的な花を数輪まとまって咲かせます。
花は花径2㎝程度で細長いひも状の4枚の花弁を持っています。
花付きが非常に良く、最盛期には株全体が花で覆われます。
花色は白、ピンク。

▼トキワマンサクの花

トキワマンサク

葉は2~4㎝程度の楕円形で互生し、枝はよく分枝します。
葉が赤みを帯びる品種もあります。

▼トキワマンサクの葉

トキワマンサク

暑さに強く丈夫な性質です。
よく分枝するので容易に樹形のコントロールが可能で、生垣などにもよく利用される樹木です。
耐寒性はそこそこで、関東以西の地域であれば植栽可能です。
剪定以外はほとんど手がかからず、育てやすい植物です。

※マンサクについては下記記事を参照下さい。

トキワマンサクの主な品種

トキワマンサク(Loropetalum chinense)

トキワマンサク

黄色味を帯びた白い花が咲く基本種です。
緑の葉と白い花のコントラストが美しく、最盛期には花で覆われた株が遠くからでも白く輝くように見えます。

ベニバナトキワマンサク(L. chinense var. rubrum)

ベニバナトキワマンサク

トキワマンサクの変種でアカバナトキワマンサクとも呼ばれています。
花期には、鮮やかなピンク色の花が株を紅く染め上げます。

基本種の新葉は美しい赤色で、夏ごろには普通の緑葉になります。
園芸品種では、葉色が変わらず赤いままの品種もあります。
※赤葉品種は基本種の枝変わりであるため、稀に生育途中で緑葉に戻ってしまうことがあります。

トキワマンサクに比べるとやや耐寒性に劣ります。

トキワマンサクの育て方

トキワマンサクの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
耐陰性があるので、半日蔭や明るい日陰でも育ちますが、花付きは悪くなります。
株を覆うように花を咲かせるためには、よく日の当たる場所で育てることが重要です。

冬越し

関東以西の地域であれば、庭植えでそのまま冬越し可能です。
苗木の場合は、強い寒さに晒されると枯れてしまうことがあるので、敷き藁などで防寒対策を施して下さい。

その他の地域では鉢植えにして、冬場は室内で管理します。

水やり

庭植えの場合は、根付いてしまえばほぼ降雨のみで大丈夫です。
ひどく乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、寒肥として冬の2月頃に、骨粉入りの固形油粕などの有機肥料を株元に施して下さい。
鉢植えの場合は、春の3月頃に、緩効性化成肥料を株元に施します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は4月~5月、9月~10月です。

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んで、水はけの良い肥沃な土壌を作ります。
生垣にする場合の株間は30㎝程度です。
植え付け後しばらくは乾かさないように管理して下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土(中粒)5・腐葉土5などの配合土を使います。
元肥として、鉢底に緩効性化成肥料を施して下さい。

剪定

トキワマンサクの花芽分化は7月~8月です。
夏以降に剪定を行うと、翌年の花芽を落としてしまうことになります。
大きな剪定は、花後すぐに行って下さい。

放任でも自然に樹形がまとまります。
花芽は短い枝に付きます。
長く伸びた徒長枝は分枝している基部で切り落として下さい。
込み入った箇所を間引き、内向枝(樹の内側に向かって伸びている枝)、平行枝を付け根の部分から切り取ります。

生垣に仕立てる場合は、樹形が立方体になるように表面の小枝を刈り込んで下さい。
萌芽力が強く、強く刈り込むことも可能です。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月下旬~8月です。

穂木には今年伸びた枝を使います。
枝を10㎝程度の長さに切り取って、下の節の葉を取り除きます。
1時間ほど水揚げをしてから、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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