別名…ロータス・ヒルスツス ‘ブリムストーン’、ドリクニウム・ヒルスタス ‘ブリムストーン’
科名…マメ科
属名…ドリクニウム属
原産国…地中海沿岸、ポルトガル
花色…白
草丈…30㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…

USDA Hardiness Zone:8 to 10
ロータス・ヒルスタス【ブリムストーン】とは
ロータス・ヒルスタスは、ポルトガル南部を中心に地中海沿岸部に分布する、マメ科の常緑性亜低木です。
亜低木というのは、根元が木質、先が草質になる樹高のごく低い木のことです。
自生地はポルトガルの他、スペイン、ギリシャ、イタリア、トルコに広がっており、日当たりの良い草原や斜面の、水はけの良い土壌を好んで自生しています。
そのロータス・ヒルスタスの園芸品種の一つであるのが、本種ブリムストーン(Dorycnium hirsutum ‘Brimstone’)です。
以前ロータス・ヒルスタスはミヤコグサ属に分類されていましたが、現在ではドリクニウム属に分類されています。
そのため「ドリクニウム・ヒルスタス」が正しい名前ということになりますが、旧学名であるロータス・ヒルスタスの名前が定着しています。
ブリムストーンは、明るい葉色の新葉が美しいリーフプランツです。
葉は三出複葉、いわゆる三つ葉で、基部に2枚の托葉が付き、枝に互生します。
葉茎には細かい毛が密生しているため、全体がシルバーグリーンに見えます。
葉は触ると柔らかい手触りをしています。
新葉はクリームイエローの明るい葉色をしており、枝先から変化する葉色のグラデーションが非常に美しい植物です。
品種名であるブリムストーンとは硫黄の意味で、若葉の葉色に由来しています。
▼ブリムストーンの葉の様子
美しい葉色を楽しむブリムストーンですが、初夏には花を咲かせます。
花期は5月~7月で、花はピンク味を帯びた白色の小花です。
花後には果実を実らせ、果実は熟すと褐色になります。
▼ロータス・ブリムストーンの花
耐寒性は高く、常緑で冬越しします。
枝はよく分枝して横に伸びるため、ヨーロッパではグランドカバーとして使われています。
環境が合えば生育旺盛でよく広がりますが、日本の気候が合わないのか突然枯れることがあります。
保険として常に挿し木株を作っておくと安心です。
ロータス・ヒルスタス【ブリムストーン】の育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
過湿な環境が苦手なので、風通しが良いと最適です。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-10℃程度です。
暖地、温暖地では対策無しで冬越し可能です。
その他の地域では、防寒対策を施すか、室内に取り込んで冬越しをさせます。
夏越し
蒸れに弱い性質の植物です。
花が終わったら梅雨前に短めに丸く切り戻しを行って下さい。
鉢植えの場合は、雨の当たらない軒下などに避難します。
水やり
庭植えの場合は、根付いた後はほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
乾燥気味の環境を好むので、水の遣りすぎには注意して下さい。
肥料
庭植え、鉢植え共に、春と秋に緩効性化成肥料を適量、置き肥して下さい。
植え付け、植え替え
適期は、3月~5月、10月です。
移植を嫌う性質です。
植え付け、植え替えの際は、根鉢を崩さないようにして下さい。
植え付け
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら腐葉土を混ぜて水はけの良い土壌を作ります。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行います。
根鉢を崩さずに、一回り大きな鉢に植え替えて下さい。
庭植えの場合は特に必要ありません。
切り戻し、剪定
花後に切り戻しを行う他、蒸れ防止と下葉の成長のために定期的に剪定を行います。
株元まで木漏れ日が届くように適当に小枝を間引いて下さい。
常に風通しの良い状態をキープすることで、蒸れから枯れることを防ぎます。
増やし方
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は4月中旬~6月です。
枝の先端から10㎝~15㎝程度を切り取って挿し穂にします。
一番下の節の葉を取り除いたら水揚げをし、葉を取り除いた節が土に埋まるように挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
移植を嫌うマメ科の植物なので、定植の際は根を傷めないように気を付けて下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。