草本 野の花

オドリコソウ

  • 学名…Lamium album var. barbatum
  • 和名…オドリコソウ(踊子草)
  • 科名…シソ科
  • 属名…オドリコソウ属
  • 原産国…日本、朝鮮半島、中国、ロシア
  • 花色…白~淡紅紫色
  • 草丈…30㎝~50㎝
  • 日照…半日蔭
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

オドリコソウとは

オドリコソウ

オドリコソウは、日本、朝鮮半島、中国、ロシアに分布するシソ科オドリコソウ属の多年草です。
日本では、北海道から九州にかけて分布しており、山野や道端の半日蔭の場所などで群生しているのが見られます。


オドリコソウの花期は4月~6月。
花期になると、茎の上部の葉腋に花序を出し花を咲かせます。
花序は集散花序で、対生する葉の葉腋に2~3個が茎を囲むように付きす。
一つの花序には5~7個の花が付いています。

▼オドリコソウの花序の様子

オドリコソウの花序

花はシソ科の植物に多く見られる唇形花です。
唇形花とは、筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれている花のことで、この様子を口に見立て、上部を上唇(ジョウシン)、下部を下唇(カシン)と呼びます。

オドリコソウの唇形花は長さ3~4㎝の大きさです。
上唇は大きく湾曲して笠状になり、毛が密生しています。
下唇は3裂しており、側裂片は小さくとげ状で、中央裂片は大きく突き出し、浅く2裂しています。

▼オドリコソウの唇形花(上唇と下唇)

オドリコソウの唇形花

雄しべは4個で葯は黒く、外側2個がやや長くなっています。
雌しべは1個、花柱の先端が2裂しています。

▼オドリコソウの雄しべ

オドリコソウの雄しべ
下から見た花の様子。雄しべの黒い葯が目立つ。雌しべは見えないが雄しべの背後にある。
photo by:Andy Morffew

萼は5裂しており、裂片は細く線形です。
萼筒の基部には黒い斑紋が入っています。

▼オドリコソウの萼

オドリコソウの萼

オドリコソウの名前は、この花の形が笠をかぶった踊り子のように見えることに由来します。
花色は白~淡紅紫色。

▼淡紅紫色のオドリコソウ

淡紅紫色のオドリコソウ

葉は十字対生し、長い葉柄があり、5~10㎝の卵状三角形~広卵形です。
縁には荒い鋸歯があり、先端は鋭く尖り、網目状の葉脈が目立ちます。

▼オドリコソウの葉の様子

オドリコソウの葉

茎は陵のある四角形で、中は中空、下向きの毛がまばらに生えます。
直立し、花を咲かせながら草丈30~50㎝に成長します。

▼群生するオドリコソウ

群生するオドリコソウ

オドリコソウの近縁種

オドリコソウが属するオドリコソウ属の植物は、世界に約40種が知られています。
日本には本種オドリコソウの他、ホトケノザが自生しており、またヒメオドリコソウなど数種の帰化種の分布が確認されています。

海外産のオドリコソウ属の植物には観賞用として栽培される種もあり、属名であるラミウムの名前で流通します。

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