多年草・宿根草 水生植物

ナガバオモダカ

  • 学名…Sagittaria weatherbiana Fernald
    Synonym:Sagittaria graminea subsp. weatherbiana
  • 和名…ナガバオモダカ(長葉面高)
  • 別名…ジャイアント・サジタリア
  • 科名…オモダカ科
  • 属名…オモダカ属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…白
  • 草丈…20㎝~100㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 10

ナガバオモダカとは

ナガバオモダカ

ナガバオモダカは、北アメリカに分布するオモダカ科オモダカ属の多年草です。
分布域は、カナダ・ニューファンドランドからサスカチェワン州南部、アメリカ・フロリダ州、テキサス州など、北アメリカの東北部および中部にあり、池や湿地帯、溝などに自生しています。

栽培が容易で美しい草姿を持つことから、観賞用の水草として世界に広く普及しています。
近年では栽培を逸出したものが世界各地で帰化状態にあり、元来の生態系への影響が懸念されています。

日本には1975年頃に渡来し、同様に千葉、神奈川、東京、京都、和歌山、岡山で野生化が確認されています。


ナガバオモダカの花期は5月~9月。
花期になると、茎の頂部に花序を出し、白い花を咲かせます。
花序には1~12個の花が付きます。

雌雄異株で日本には雌株のみが流通、帰化しています。

▼ナガバオモダカの花序

ナガバオモダカの花序

花は直径2.3㎝以下、花弁は3個。
雌花の中央には緑色をした雌しべの集合体があります。

▼ナガバオモダカの雌花

ナガバオモダカの雌花

雄花の中央には多数の雄しべがあります。

▼ナガバオモダカの雄花

ナガバオモダカの雄花

葉は水中にあるものと水上に出るものがあります。
葉は7~30㎝程度の長楕円形で、長い葉柄を持ちます。

▼ナガバオモダカの葉の様子

ナガバオモダカの葉の様子

耐寒性もあり、強健な性質で繁殖力旺盛です。
放任でもよく増え、花を咲かせます。
冬になると地上部を枯らし、水の中でロゼット状の葉を出して冬越しします。

ナガバオモダカは重点対策外来種の指定を受けています。

流通しているナガバオモダカは雌株のみのため結実することはありませんが、地下茎で爆発的に増えます。
このため、自然の川や池で大繁殖して元来の生態系を破壊する可能性があることから、現在、重点対策外来種として環境省が注意喚起をしています。

増えすぎたからと言って、野外の川や池に植えたり捨てたりしては絶対に駄目です。
家庭の睡蓮鉢や水槽で栽培する限りは特に問題はありません。

ナガバオモダカの近縁種

ナガバオモダカが属するオモダカ属の植物は、世界に約24種が分布しています。
日本には、水田の雑草として知られているオモダカ(Sagittaria trifolia)など4種が自生しています。
おせち料理の定番であるクワイは、オモダカの栽培品種です。

▼オモダカ

オモダカ

ナガバオモダカの育て方

ナガバオモダカの育て方

栽培環境

日当たりの良い場所が適しています。
冬場は半日蔭でも問題ありませんが、生育期は少なくとも半日以上、日の当たる場所で育てて下さい。

池で育てることも出来ますが、水深は深くても10㎝程度です。
ナガバオモダカは湿地や浅い水辺の植物なので、あまり水深が深い場所には適しません。

冬越し

耐寒性はあるので、屋外でそのまま冬越し可能です。
水や土が全部凍ってしまうような寒冷地では室内に取り込み、凍らない場所で冬越しさせて下さい。
水の表面が凍る程度なら問題ありません。

水やり

常に根が水に浸かる状態を保ちます。
水深は株元から1~10㎝程度で、容器や鉢ごと水に沈めて育てます。

肥料

5月~10月の生育期に、緩効性化成肥料、または発酵済み油粕を与えます。
月に1回程度、用土に埋め込んで浮いてこないように施して下さい。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は4月~9月です。

用土には市販の水生植物の培養土や、荒木田土などが適しています。
赤玉土を使う場合は、植え付ける前に少量の水を混ぜてよく練って下さい。

植え替え

適期は春の4月頃です。

1年~2年に1度、鉢底から根が出て根詰まりしているようなら株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。
地植えの場合は、株が混みすぎたり増えすぎた場合は植替えを行います。

増やし方(株分け)

株分けで簡単に増やすことが出来ます。
掘り出すと自然に株が分かれるので、植え付けて下さい。

病気・害虫

ヨトウムシ、バッタの食害が時々あります。
見つけ次第補殺して下さい。

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