- 学名…Rudbeckia
- 科名…キク科
- 属名…オオハンゴンソウ属
- 原産国…北アメリカ
- 花色…黄色、オレンジ
- 草丈…40cm~150cm
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:品種による
ルドベキアとは
ルドベキアは、北アメリカに約23種が分布するキク科オオハンゴンソウ属の植物です。
大半の種は多年草で、一部が一年草、または二年草です。
鮮やかな黄色い花が特徴で、幾つかの種が観賞用として栽培されています。
主に流通するのはルドベキア・ヒルタ(Rudbeckia hirta)と、ルドベキア・トリロバ(R. triloba)を元にした園芸品種です。
前者のヒルタは一年草、後者のトリロバは多年草です。
日本へは明治中期に渡来し、当時は切り花用の花として栽培されていましたが、現在では夏花壇を彩る定番植物として広く普及しています。
ルドベキアの花期は品種によりやや異なりますが、7月~10月。
花期になると、伸びた茎の頂部に、花径3~10㎝の頭花(とうか)を咲かせます。
頭花(トウカ)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ゼツジョウカ)と、中心部分の小さな管状花(カンジョウカ)から作られた集合花です。
▼ルドベキアの頭花
多くの品種で舌状花は黄色、管状花は黒褐色~暗紫褐色、または淡緑色~淡黄緑色になります。
▼管状花が淡緑色のルドベキア
管状花は外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべ成熟した後、雌しべが伸びてきます。
雌しべの柱頭は2裂しています。
▼ルドベキアの管状花の雄しべと雌しべ
花期が長く、花は次々と開花します。
花色は黄色、オレンジ、茶色が入る複色。
一重咲きの他、八重咲き、小輪から大輪までバラエティに富んだ品種が揃います。
▼八重咲きのルドベキア
▼小輪のルドベキア
葉は大半の種で、下部では大きな披針形、上部では長楕円形または披針形になります。
草丈は40㎝程度の矮性品種から、1mを超える高性品種まで、数多くの品種が流通しています。
耐暑性が高く、育てやすい植物です。
ルドベキアの主な品種
ルドベキア・ヒルタ(Rudbeckia hirta)
アメリカ、カナダに分布するルドベキアです。
茎に粗い毛が生えていることから、アラゲハンゴンソウの和名を持ちます。
一年草タイプの代表種で、日本で流通するルドベキアの多くが本種から作出された園芸品種です。
カプチーノ(Rudbeckia hirta 'Cappuccino')
ヒルタから作出された品種で、花径10㎝~15㎝の大輪の花を咲かせます。
草丈は30~70㎝程度に成長します。
舌状花の基部付近が赤褐色に染まります。
プレーリー・サン(Rudbeckia hirta ‘Prairie Sun’)
ヒルタ種から作出された品種で、花径10~15㎝の大輪の花を咲かせる品種です。
草丈60~80㎝程度に成長します。
鮮やかな黄色の花弁と、淡いグリーンの筒状花が美しく人気の品種です。
ルドベキア・トリロバ ‘タカオ’(Rudbeckia triloba ‘Takao’)
北アメリカ原産の二年草、または短命な多年草タイプのルドベキアで、ミツバオオハンゴンソウの和名を持ちます。
分布域はカナダ・アメリカ東部から中部にかけて広がっており、河川沿いの森林や茂み、道端などに自生しています。
園芸品種のタカオが有名で、よく流通しています。
花は花径3~4㎝程度の小輪ですが、非常に花付きが良く、最盛期には株を覆うように花を咲かせます。
草丈1m程度になる高性種ですが、切り戻しで低く咲かせることも可能です。
ルドベキア・ラシニアタ(Rudbeckia laciniata)
アメリカ・ミズーリ州原産の多年草タイプのルドベキアで、オオハンゴンソウの和名を持ちます。
河川沿いの森林や茂みなど、やや湿り気のある場所に自生しています。
日本へは明治時代に観賞用として導入されましたが、現在では全国各地で野生化し、生態系に大きな影響を及ぼすとして問題になっています。
草丈50~300㎝に成長し、花弁が細くやや下垂するのが特徴です。
特定外来生物として駆除の対象になっており、栽培、譲渡、保管、運搬などが禁止されています。
他にも数多くの品種が流通しています。
ルドベキアの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
夏の直射日光にも負けない強さがあるので、夏の強烈な西日が当たるような場所で育てることも可能です。
冬越し
耐寒性があり、そのまま対策なしで冬越し可能です。
秋に種を蒔いたものは、強く凍らせないように防寒対策を施して下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおけば、特に追肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、生育期の4月~10月の間に、緩効性化成肥料か液体肥料を定期的に施します。
あまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。
肥料は控え目を心がけて下さい。
植え付け、植え替え
適期は4月~5月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
多年草タイプは植え替えを行います。
鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので毎年植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。
庭植えの場合は、大株に育って増えると生育が悪くなるので、数年に一度、株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。
切り戻し
花がある程度咲き終わったら、半分くらいの高さで切り戻してやります。
脇芽が伸びて、再び花を咲かせます。
増やし方(株分け、種まき)
株分け(多年草タイプ)か種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。
株分け
4月~5月が適期です。
株を掘り上げたらスコップなどでザックリと切り分けて植え付けて下さい。
種まき
種の採取
花が枯れた後に、中心部分が残ります。
ある程度乾いたら切り取って、さらに乾燥させると黒い小さな種が採取できます。
種まき
適期は9月~10月、3月です。
暖地の場合は秋まきの方が、花期が遅れず長く花を楽しむことが出来ます。
発芽温度は20℃~25℃です。
種は播種箱やポットにまき、覆土はしません。
播種箱にまいた場合は、発芽後に間引き、本葉が2~3枚程度でポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。
霜よけを設置すると安心です。
強い霜や凍結の心配がある場合は、ポット苗のまま冬越しをし、春になってから定植します。
または春に種をまいて下さい。
病気、害虫
ハモグリバエによる食害が時々発生します。
葉に白っぽく色が抜けた線のような模様が出来ます。
模様の端に幼虫が潜んでいることが多いので、摘まんでつぶして下さい。