一年草・二年草

ヒマワリ

  • 学名…Helianthus annuus L.
  • 和名…ヒマワリ(向日葵)
  • 別名…ヒグルマ、テンガイバナ、ニチリンソウ
  • 科名…キク科
  • 属名…ヒマワリ属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…黄、茶、オレンジ、複色
  • 草丈…30㎝~300㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:2 to 11

ヒマワリとは

ヒマワリ

ヒマワリは、北アメリカに分布するキク科ヒマワリ属の一年草です。
分布域はアメリカ西部、カナダ、メキシコ北部にあり、乾燥した草原や平原、牧草地などの日当たりの良い場所に自生しています。

花を鑑賞する他、種を食用にしたり、ひまわり油を採取するなど、商業用としての利用価値も高い植物です。
紀元前の時代から食用として利用されており、1510年にはスペイン・マドリード植物園での栽培が始まっています。
以来、世界中で様々な品種が開発され栽培されています。

日本へは17世紀に中国経由で渡来しています。
当初は「ジョウギク」の名で呼ばれていましたが、元禄時代には「ヒマワリ」と呼ばれるようになりました。


ヒマワリの花期は7月~9月。
花期になると、直立した茎の頂部に大きな頭花(とうか)を1~9個付けます。

※頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(かんじょうか)と、周辺の舌状花(ぜつじょうか)です。

▼ヒマワリの頭花

ヒマワリの花序
ヒマワリの頭花

舌状花は筒状になった花弁の片側が舌状に大きく広がっており、基本種で長さ25~50㎜、17~30個(13~100+)が付きます。

▼ヒマワリの舌状花

ヒマワリの舌状花

管状花は先が5裂した筒状で長さ5~8㎜、150個以上(~1000+)が付きます。

▼ヒマワリの管状花

ヒマワリの管状花

管状花は外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し(雄性期)、その後で雌しべが伸びて成熟します(雌性期)。

▼雄性期の管状花

ヒマワリの管状花(雄性期)

▼雌性期の管状花

ヒマワリの管状花(雌性期)

総苞(そうほう)は半球形、総苞片(そうほうへん)は卵形~披針状卵形で、20~30個(100+)が付きます。

※総苞(そうほう)…花序の基部にある苞葉のことを総苞片(そうほうへん)と呼び、その集合体を総苞と呼ぶ。

▼ヒマワリの総苞の様子

ヒマワリの総苞

果実は長さ3~15mmの痩果(そうか)。

※痩果(そうか)…果実の種類で、果皮が乾いて1個の種子を包み、裂開しないもの。キク科、キンポウゲ科などに見られる。

▼ヒマワリの果実の様子

ヒマワリの果実

熟したものを煎って食用にする他、ひまわり油を採取することができます。
また、飼料としても利用されます。

▼ヒマワリの果実

ヒマワリの果実

葉はほとんどが互生し、長さ10~40㎝、幅5~40㎝の卵形~披針状卵形で、縁に鋸歯があります。
葉柄は2~20㎝。

▼ヒマワリの葉の様子

ヒマワリの葉の様子
ヒマワリの葉

茎は直立し、多くの場合、剛毛があります。
草丈30㎝程度の矮性品種から3mにもなる高性種まで、数多くの品種が流通しています。

▼たくさんの花を咲かせるヒマワリ

たくさんの花を咲かせるヒマワリ

暑さに強く、一般的な品種は種から育てるのも容易です。

ヒマワリの主な品種

特徴のある数多くの品種が揃います。

ゴッホのひまわり (Helianthus annuus 'Gogh-no-Himawari')

ゴッホのヒマワリ

ゴッホが描いたヒマワリをイメージした品種で、「サカタのタネ」から販売されている画家シリーズの一つです。

一重、半八重、八重咲きと咲き分け、中心部の花姿も様々です。
花粉が無いので切り花にした時に花粉が落ちません。

モネのひまわり (Helianthus annuus ‘Monet-no-Himawari’)

モネのヒマワリ

同じく画家シリーズの品種で、花はレモンイエローの八重咲きです。
花粉が無く、こちらも切り花に向いています。

ココア (Helianthus annuus ‘Cocoa’)

ヒマワリ・ココア

シックなブラウンの花が印象的な品種です。
茎の上部で5~8本に分枝し、次々と開花するので観賞期間が長いのが特徴です。

ルビーエクリプス (Helianthus annuus 'Ruby eclipse')

ヒマワリ・ルビーエクリプス

ブラウンの花弁の先端が淡いレモンイエローに色づくユニークな品種です。
花粉が出ないので、切り花にも向いています。

マンチキン (Helianthus annuus ‘Munchkin’)

ヒマワリ・マンチキン

鮮やかな黄色の一重咲き品種で、よく分枝し、ボリュームが出ます。
花壇では草丈60~80㎝ですが、小さな鉢で育てると草丈低く花が咲きます。

他にも数多くの品種があります。

ヒマワリの近縁種

ヒマワリが属するヒマワリ属の植物は、北アメリカ、メキシコに52種が分布しています。
栽培されているヒマワリ属の植物には本種の他以下のようなものがあります。

ヒマワリの育て方

ヒマワリの育て方

栽培環境

日当たりと水はけの良い、肥沃な場所が適しています。
日光を好む植物です。
よく日の当たる場所で育てて下さい。

水やり

乾燥に弱い性質です。

鉢植え、庭植えともに根が十分に張るまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
庭植えの場合は、その後は徐々に水やりの回数を減らしていきますが、夏場に乾燥しすぎると下葉が枯れこんで落ちてしまうので、乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
高性種は葉が萎れやすいので、庭植えの場合でも夏場は毎日の水やりが必要になります。

鉢植えの場合は、引き続き用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、庭植え、鉢植えともに、花が咲くまでの期間を通して月に1回程度、緩効性化成肥料の置き肥をします。

ただし、ヒマワリは吸肥力が非常に強い植物なので、肥料のやりすぎには注意して下さい。

植え付け

適期は4月下旬~6月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで、水はけが良く、肥沃な土壌を作って下さい。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
ヒマワリの根は草丈と同じくらい伸びるので、植え穴は大き目に掘って下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使います。

支柱立て、花柄摘み

草丈が高くなる品種は、成長に応じて支柱を立てます。
花が多く付く品種の場合は、種を採取しないのなら花が終わったら花茎の付け根から切り取って下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。

種の採取

ヒマワリの種は中心部分の筒状花の下にできます。
外側から順に熟していくので、中心部分の種まで黒く熟したら採取のタイミングです。
花茎ごと切り取って、日陰で乾燥させます。
種を取り出したら再度、種を乾燥させ袋などに入れて、涼しく日の当たらない場所で保管して下さい。

種まき

適期は4月~7月です。
発芽温度が20~25℃と高めなので暖かくなってから種を蒔きます。

種は花壇やプランターに直まきするか、ポットに蒔きます。
直まきの場合は、高性種で40~60㎝程度、矮性種で20~30㎝程度の間隔で2~3粒ずつ蒔いて下さい。
ポットの場合も、1つのポットに2~3粒ずつ蒔きます。
覆土は1㎝程度。
水を切らさないように管理したら一週間程度で発芽します。
発芽後は日なたで管理し、生育の良い苗を残して間引きます。
本葉が出たら薄めの液体肥料を週に1回程度施し、ポット蒔きの場合は根が回ったら定植して下さい。

病気・害虫

ハダニ

夏場に発生しやすくなります。
吸汁された部分は白っぽい斑点状になり、生育に影響します。
発生したら薬剤を使って駆除して下さい。

べと病

湿度が高い時期に発生しやすくなります。
葉に淡い黄色の斑点状の病変が現れます。
敷き藁などで株元をマルチングすると土壌からの感染を防ぐことが出来ます。

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