- 学名…Alkekengi officinarum Moench var. franchetii (Mast.) R.J.Wang
- 和名…ホオズキ(鬼灯、酸漿)
- 科名…ナス科
- 属名…ホオズキ属
- 原産国…中国
- 果実…赤
- 草丈…30㎝~90㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:5 to 8
ホオズキとは

ホオズキは、中国原産のナス科ホオズキ属の一年草、または多年草です。
日本で栽培されるホオズキ(Alkekengi officinarum var. franchetii)は、ヨーロッパ、アジアに分布するヨウシュホオズキ(Alkekengi officinarum var. officinarum)の変種です。
ホオズキは古い時代に中国から渡来し、現在北海道から本州、四国に分布しています。
長い栽培の歴史があり、各地で「ほおずき市」が開催されています。
特に東京・浅草寺の「ほおずき市」は有名で、江戸時代から続いています。
かつては薬として売られていましたが、現在では観賞用のホオズキが並びます。
※ホオズキはかつて Physalis 属(旧ホオズキ属)に分類されていましたが、遺伝子分析の結果、2016年にホオズキ属(Alkekengi)として独立しています。
ホオズキ属はヨウシュホウズキ一種のみの属で、ホオズキの他2種の変種が含まれます。
栽培されているのは主にホオズキとヨウシュホウズキです。
ホオズキの花期は6月~7月。
花期になると、上部の茎の葉の付け根から花柄を伸ばし、小さな白い花を咲かせます。
▼ホオズキの花

花は直径1.5~2㎝の大きさで、浅く5裂して五角形に開き、杯状になります。
花の中心部は淡緑色になっており、花には細かな毛が多数あります。
雄しべは5個、雌しべは1個。
▼ホオズキの雄しべと雌しべ

果実は直径1.5~2㎝の球形の液果(えきか)。
※液果(えきか)…果皮の一部が多肉質、または液質(果肉)となる果実。多肉果(たにくか)とも呼ばれる。
果実は大きく膨れた萼に包まれます。
萼は果実の成長と共に風船のように膨らみ、果実が熟すに連れて朱色に色付きます。
▼ホオズキの果実と萼の様子


葉は互生し、長さ5~10㎝、幅3~8㎝の広卵形で縁に大きな鋸歯があります。
※鋸歯が無い品種もあります。
▼ホオズキの葉の様子

茎は直立し、草丈30~90㎝程度に成長します。
▼ホオズキの株の様子

耐寒性、耐暑性があり、育てやすい植物です。
地下茎を伸ばして増え、よく茂ります。
冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。
網ホオズキ

熟したホオズキの袋状のガクは、風雨にさらされると朽ち果てて葉脈だけが残ります。
細かい網状の繊維から朱色の果実が透けて見え、繊細で美しい飾りになります。
この網ホオズキは、熟した果実を水につけておくことで、人工的に作ることも出来ます。
空き瓶などにホオズキを入れて水を注いで蓋をします。
蓋のない容器の場合は、落とし蓋でホオズキを沈めます。
ポイントはホオズキの全体が水に浸かっていることです。
1~2週間ほどでガクの葉脈以外の部分が腐敗するので、水洗いして取り除きます。
瓶を開ける時には少々勇気が必要ですが、簡単なので是非チャレンジしてみて下さい。
ホオズキの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
連作障害が出やすいナス科の植物です。
ナス科の植物を繰り返し同じ場所に植えると、生育不良を起こしたり病気にかかりやすくなります。
ペチュニア、カリブラコアなどもナス科なので注意して下さい。
水やり
夏場の乾燥を嫌います。
庭植えの場合は、夏場に乾燥が続くようなら水やりを行って下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてきたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、4月頃に緩効性化成肥料を置き肥します。
大きく育てたい場合は、引き続き花が咲き始める頃まで、定期的に肥料を施して下さい。
鉢植えの場合は、4月から花が咲き始める7月頃まで、緩効性化成肥料を定期的に置き肥します。
植え付け、植え替え
適期は3月~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込んで下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)2などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合は一年に一度、株分けを兼ねて植え替えを行います。
掘り上げた地下茎を3~4節に切り分けて、4~5本を一株として植え付けて下さい。
庭植えの場合は、増えすぎているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
増やし方(株分け、種まき)
株分けと種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。
株分け
適期は3月~4月です。
掘り上げた地下茎を、3~4節に切り分けて、4~5本を一株として植え付けて下さい。
種まき
結実するまでに2年ほどかかります。
種の採取
ガクが赤く色づき、種がしっかりと熟したら採取できます。
果実の中の種を取り出して水洗いし、乾燥させて保管します。
種まき
適期は4月~5月です。
種は播種箱やポットに、2~3粒ずつまきます。
覆土は種が隠れるように薄く。
発芽温度は20℃前後です。
水を切らさないように管理したら2~3週間程度で発芽します。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が4~5枚になったらポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。
病気・害虫
カメムシ
「ホオズキ」の名前の由来には諸説ありますがその一つに、「ホオズキ」のホオとはカメムシの古い呼称で、ホオズキとはカメムシが好んでつく植物、とするものがあります。
カメムシはナス科の植物につきやすい害虫で、ホオズキも例外ではありません。
放っておくと産卵してどんどん増えるので、見つけ次第駆除して下さい。