多年草・宿根草

ホオズキ

学名…Physalis alkekengi var. franchetii
和名…ホオズキ(鬼灯、酸漿)
科名…ナス科
属名…ホオズキ属
原産国…東アジア
果実…赤
草丈…30㎝~90㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:5 to 8

ホオズキとは

ホオズキ

ホオズキの仲間はアメリカ大陸を中心に、ヨーロッパやアジアに75~90種が分布するナス科の一年草、または多年草です。
日本で栽培されるホオズキは、南ヨーロッパ、南アジアを中心に分布する多年草、ヨウシュホオズキ(Physalis alkekengi)の変種です。
ただ、その出自の詳細は分かっておらず、東アジア原産と考えられています。
ヨウシュホオズキ、ホオズキ共に、ユニークな果実を実らせることから、観賞用として世界で広く栽培されています。

日本には古い時代に渡来したと考えられており、長い栽培の歴史を持っています。
江戸時代から続いている東京の浅草寺の「ほおずき市」は有名で、薬として売られたのが「ほおずき市」の始まりと言われています。

ホオズキの花期は6月~7月。
花期になると、上部の茎の葉の付け根から花柄を伸ばし、花径1.5㎝前後の白い花を下向きに咲かせます。
花は五角形の杯状で、花冠は浅く5裂しています。
花の中心部は淡緑色になっており、花には細かな毛が多数あります。

▼ホオズキの花

ホオズキ

花はよく見ると愛らしい形をしていますが、目立つものではありません。

花後には丸い果実が実り、萼が大きく膨れて中の果実を包みます。
萼は果実の成長と共に風船のように膨らみ、果実が熟すに連れて朱色に色付きます。

▼萼の中の果実の様子

ホオズキ

葉は広卵形で縁に鋸歯があり、茎に互生します。
※鋸歯が無い品種もあります。
茎は真っ直ぐに伸び、草丈30~90㎝程度に成長します。

▼ホオズキの株の様子

ホオズキ

耐寒性、耐暑性があり、育てやすい植物です。
地下茎を伸ばして増え、よく茂ります。
冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。

網ホオズキ

網ホオズキ

熟したホオズキの袋状のガクは、風雨にさらされると朽ち果てて葉脈だけが残ります。
細かい網状の繊維から朱色の果実が透けて見え、繊細で美しい飾りになります。

この網ホオズキは、熟した果実を水につけておくことで、人工的に作ることも出来ます。

空き瓶などにホオズキを入れて水を注いで蓋をします。
蓋のない容器の場合は、落とし蓋でホオズキを沈めます。
ポイントはホオズキの全体が水に浸かっていることです。
1~2週間ほどでガクの葉脈以外の部分が腐敗するので、水洗いして取り除きます。

瓶を開ける時には少々勇気が必要ですが、簡単なので是非チャレンジしてみて下さい。

ホオズキの育て方

ホオズキの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。

連作障害が出やすいナス科の植物です。
ナス科の植物を繰り返し同じ場所に植えると、生育不良を起こしたり病気にかかりやすくなります。
ペチュニアカリブラコアなどもナス科なので注意して下さい。

水やり

夏場の乾燥を嫌います。

庭植えの場合は、夏場に乾燥が続くようなら水やりを行って下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてきたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、4月頃に緩効性化成肥料を置き肥します。
大きく育てたい場合は、引き続き花が咲き始める頃まで、定期的に肥料を施して下さい。

鉢植えの場合は、4月から花が咲き始める7月頃まで、緩効性化成肥料を定期的に置き肥します。

植え付け、植え替え

適期は3月~4月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)2などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合は一年に一度、株分けを兼ねて植え替えを行います。
掘り上げた地下茎を3~4節に切り分けて、4~5本を一株として植え付けて下さい。

庭植えの場合は、増えすぎているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。

増やし方(株分け、種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

株分け

適期は3月~4月です。

掘り上げた地下茎を、3~4節に切り分けて、4~5本を一株として植え付けて下さい。

種まき

結実するまでに2年ほどかかります。

種の採取

ガクが赤く色づき、種がしっかりと熟したら採取できます。
果実の中の種を取り出して水洗いし、乾燥させて保管します。

種まき

適期は4月~5月です。

種は播種箱やポットに、2~3粒ずつまきます。
覆土は種が隠れるように薄く。
発芽温度は20℃前後です。
水を切らさないように管理したら2~3週間程度で発芽します。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が4~5枚になったらポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。

病気・害虫

カメムシ

「ホオズキ」の名前の由来には諸説ありますがその一つに、『「ホオズキ」のホオとはカメムシの古い呼称で、ホオズキとはカメムシが好んでつく植物との意味』とするものがあります。
カメムシはナス科の植物につきやすい害虫で、ホオズキも例外ではありません。

放っておくと産卵してどんどん増えるので、見つけ次第駆除して下さい。

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