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ヒメツルソバ

  • 学名…Persicaria capitata (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross
  • 和名…ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)
  • 別名…ポリゴナム、カンイタドリ
  • 科名…タデ科
  • 属名…イヌタデ属
  • 原産国…ヒマラヤ地方
  • 花色…ピンク色
  • 草丈…5㎝~10㎝(ツルは50㎝程度)
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:7 to 11

ヒメツルソバとは

ヒメツルソバ

ヒメツルソバは、ヒマラヤ地方原産のタデ科イヌタデ属の多年草です。
分布域は、インド、中国、ブータン、マレーシア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナムなどにあり、山の斜面や渓谷などに自生しています。

元来はアジア原産の植物でしたが、観賞用として導入されたものが逸出し、オーストラリア、南アフリカ、北アメリカなど世界の広い地域で帰化しています。
日本には明治時代に渡来しており、強健な性質と高い繁殖力から、道端や生垣、空き地などで野生化しているのが確認されています。


ヒメツルソバの花期は4月~11月。
花期になると、各節から茎を伸ばして花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は径0.6~1㎝程度の球形で、ごく小さな花が密集しています。

▼ヒメツルソバの花序

ヒメツルソバの花序

花は長さ2~3㎜の大きさで、花被片は5個。
雄しべは8個で、葯はピンク色~赤色。
雌しべは1個で、柱頭は3岐しています。

▼ヒメツルソバの花

ヒメツルソバの花

多数の花が球状に密集した花序は金平糖のようで、愛らしい形をしています。
真夏の間は開花が鈍りますが、長い花期の間、花は次から次へと開花します。
花色はピンクのみ。

▼最盛期のヒメツルソバ

最盛期のヒメツルソバ

果実は長さ1.5㎜程度の3稜形の痩果です。
赤褐色~黒褐色に熟します。


葉は互生し、長さ1.5~3㎝程度の先の尖った卵形で、黒い山形の斑紋が入ります。

▼ヒメツルソバの葉の様子

ヒメツルソバの葉の様子


茎は赤褐色で毛があり、よく分枝して横に広がります。
茎は50㎝ほど伸び、土に接した節の部分から発根して繁殖します。

葉は秋になると赤く色付きます。

▼一面に広がったヒメツルソバ

一面に広がったヒメツルソバ

耐寒性はあまり高くありませんが、関東以西の地域であればそのまま戸外で冬越し可能です。
霜に当たると地上部が枯れますが、春になれば再び芽吹きます。

暑さに強く、放任でもよく育ち、よく花を咲かせます。
時々ですがこぼれ種でも増え、離れた場所で芽を出すことがあります。

ヒメツルソバの育て方

ヒメツルソバの育て方

栽培環境

日なたから半日蔭の場所に適応します。
日陰でも育ちますが花付き、生育共に悪くなります。
多くの花を楽しみたい場合は、ある程度の日照がある場所で育てて下さい。
土質は特に選びません。

冬越し

耐寒温度は-5℃程度です。
関東以西の地域であればそのまま戸外で冬越し可能です。
寒さで地上部が枯れますが、春になれば再び芽吹きます。

土まで凍るような寒冷地の場合は、鉢植えにして凍結の心配の無い場所で管理して下さい。

水やり

乾燥に強い植物です。

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続き、土がカラカラに乾くようであれば水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

肥料が多いと花付きが悪くなります。
庭植え、鉢植え共に、元肥として少量の緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおけば、追肥の必要はありません。

植え替え、植え付け

適期は3月中旬~5月ですが、強健な性質なのでいつでも植え付け、植え替え共に可能です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
さらに元肥として、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、鉢底から根が出て根詰まりをしているようなら植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありませんが、増えすぎているようなら株分けを行って下さい。

増やし方(株分け、挿し芽、種まき)

株分け、挿し芽、種まきで増やすことが出来ますが、放っておいてもよく増えます。

株分け

匍匐して伸びた茎から根が出ているものを選び、切り取って植え付けて下さい。

挿し芽

適期は5月~6月です。
茎を5~10㎝程度の長さに切り取って、挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

種まき

花後に種ができ、採取することが出来ます。
採取した種は乾燥させて、冷蔵庫で保管します。

種まきの適期は4月~5月頃です。
種は播種箱やポットにまき、覆土は3㎜程度。
水を切らさないように管理したら1週間程度で発芽します。
播種箱にまいた場合は、本葉が3~4枚程度になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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