草本 一年草・二年草 野の花

ノゲイトウ

  • 学名…Celosia argentea L.
  • 和名…ノゲイトウ(野鶏頭)
  • 別名…セロシア
  • 科名…ヒユ科
  • 属名…ケイトウ属
  • 原産国…アジア
  • 花色…ピンク、紫
  • 草丈…30㎝~100㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:10 to 11

ノゲイトウとは

ノゲイトウ

ノゲイトウは、ヒユ科ケイトウ属の一年草です。
分布域は南アジアから東南アジア、東アジア、熱帯アフリカなどあり、道端や荒れ地、小川や溝沿いの場所などで自生が見られます。
古くから栽培されているため世界中で帰化状態にあり、原産地ははっきとりしませんが、インド原産ではないかと推察されています。

日本には古い時代に渡来しており、同様に本州西部、四国、九州、沖縄で帰化しています。

美しい花を咲かせることから観賞用として栽培されており、園芸品種も多数流通しています。
属名であるセロシアの名前で呼ばれることもあります。


ノゲイトウの花期は6月~10月。
花期になると、伸びた茎の頂部に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は円筒形~円錐形で、密に花が付きます。

▼ノゲイトウの花序

ノゲイトウの花序

花序は先が濃ピンク色、花が咲き終わった下部は白銀色になります。

花には花被片が5個あります。
花被片には濃色の筋が入っています。

▼ノゲイトウの花

ノゲイトウの花

雄しべは5個、雌しべは1個。
雄しべの葯は淡紅色。

▼ノゲイトウの雄しべと雌しべ

ノゲイトウの雄しべと雌しべ

花被片は果時も退色して残ります。


果実は長さ3㎜の丸い胞果(ほうか)。

※胞果(ほうか)…果皮がゆるく種子を包む果実の形。

果実は熟すと横に裂け、黒く光沢のある種子が出てきます。

▼ノゲイトウの果実と種子

ノゲイトウの果実と種子
Created by modifying "CelosiaA6" (ダグラス・ゴールドマン, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

葉は互生し、長さ5~8㎝、幅1~3㎝の披針形~幅のある披針形です。

▼ノゲイトウの葉の様子

ノゲイトウの葉の様子

茎は直立してよく分枝し、花を咲かせながら草丈30~100㎝に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるノゲイトウ(園芸品種)

たくさんの花を咲かせるノゲイトウ

日本の気候によくあった植物で、炎天下の日差しにも負けず、美しい花を咲かせます。
種からも容易に栽培可能で、品種によってはこぼれ種でよく発芽します。

ノゲイトウの主な品種

ノゲイトウ・シャロン(Celosia argentea ‘Sharon’)

ノゲイトウ・シャロン

淡いピンク色の花序が特徴のノゲイトウの品種です。
セロシア・シャロンの名前でも流通しています。

花序は15㎝程度。
気温が高いと花色は薄くなります。

セロシア・ダークカラカス(Celosia Caracas)

セロシア・ダークカラカス

ノゲイトウ系のハイブリッド品種で、深緑の葉色と濃色の花序が印象的です。
草丈30~50㎝程度に成長します。

他にも数多くの品種が流通しています。

関連図鑑

ノゲイトウの育て方

ノゲイトウの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと、花色が褪せます。
しっかりと日の当たる場所で育てて下さい。

水やり

庭植えの場合は、大きくなればほぼ降雨のみで大丈夫ですが、苗が小さい内は水切れに注意して育てます。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植え、鉢植え共に5月~9月の生育期間に緩効性化成肥料を施します。

種まき

発芽には25℃前後の温度が必要です。
適期は5月~7月ですが、十分に暖かくなってから種を蒔いて下さい。

移植を嫌う植物なので、種は花壇や鉢に直まきするか、ポットに蒔きます。
ポット蒔きの場合は、5~9㎝ポットに5粒~10粒ずつ。
覆土は種が隠れる程度にごく薄く。

水を切らさないように管理して、発芽したらよく日に当てて育てます。
ポット蒔きの場合は、根が十分に回ったら根鉢を崩さないように注意して定植します。
直まきの場合は、双葉が出た頃に混み合った箇所を間引いて下さい。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの一般的な配合土を使います。

草丈が高くなる品種は必要であれば支柱を立てます。

花茎切り

花が終わって見苦しくなったら、花茎を切り戻して下さい。
わき目が伸びて再び花を咲かせます。

増やし方

種まきで増やすことが出来ます。
こぼれ種でも発芽します。

種を自家採取する場合

ケイトウの種は花序の中に出来ます。
花が枯れて茶色く乾燥したら花茎ごと切り取って、新聞紙の上などで叩くと小さな黒い種が落ちてくるので、採取して下さい。
採取した種は陰干ししてから封筒などに入れて涼しい場所で保管します。

種まきについては上記「種まき」の項目を参照ください。

病気・害虫

アブラムシ

風通しが悪いとよく発生します。
見付け次第、駆除して下さい。

ヨトウムシ

夜行性の害虫で、夜中に株元の茎や葉を食害します。
苗が小さい内は特に注意が必要です。
被害があった株の根元を浅く掘ると出て来ることがあるので、補殺して下さい。

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